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「同窓会」は楽しいけれど見苦しい。AKB48が山口百恵に勝てない1つだけの理由

大宮冬洋フリーライター

●今朝の100円ニュース:258日ぶり上からマリコ(中日スポーツ)

本人たちは居心地が良くて楽しい。しかし、傍から見ると興ざめしてしまう集まりがある。同窓会だ。

現役時代に職業人としてのピークに達してしまった人たちが集まっている場合は最悪だ。自分が一番輝いていた場所なのだから人気が残っているのは当然だし、つい顔を出したくなる気持ちもわかる。しかし、現役メンバーや顧客を巻き込んで「同窓会」をやってしまったら現在の不遇感が際立ってしまう。

同窓会に来ても輝きを失わないのは、卒業後も新たな分野で生き生きと活躍している人だけだ。先日、巨人軍の「レジェンド」(往年の名選手)たちが一堂に会するというイベントをテレビで少し見たが、「見苦しくない」と感じたのは大リーグでも結果を残した松井秀喜ぐらいだった。

今朝の中日スポーツによると、昨日、さいたまスーパーアリーナで開かれたAKB48のコンサートでは、「卒業」したはずの篠田麻里子、前田敦子、板野友美らが登場して客席を沸かせたらしい。いずれもAKB時代は大人気を得ていたが、脱退後は知名度が下がってしまったメンバーである。「久しぶりに大歓声を浴びて、再浮上のきっかけにしたかったのかな」と感じてしまう。

古巣に戻るならば、「卒業生」という立場ではなく、新天地でも活躍しているアーティストとして現役メンバーたちとのコラボレーションを楽しむべきだと思う。もしくは、「外の世界を見てAKBの良さを改めて知った」と出戻りをお願いすればいい。どちらでもない場合、現役メンバーやファンから「また来たの?」と煙たがられる存在になっていくだろう。

対照的なのは、同じく人気絶頂時に引退をした山口百恵だ。彼女の場合は芸能界そのものを「卒業」し、その後は一度もファンの前に姿を現していない。専業主婦という新しい立場が充実しているのかもしれないし、かつての栄光を中途半端な復帰で汚したくないのかもしれない。だからこそ、いまだに語り継がれる伝説的な存在となっている。 

真の輝きを放つのは、「今こそが現役」だと腹にすえて必死に働く者だけだ。過去に逃げても未来はない。同窓会にすがる卒業生たちは、実年齢は若くても若々しさが感じられない。集まるならば本人たちだけでひっそりと会って励まし合い、翌日からはそれぞれが現役として働く場に戻るべきなのだ。

AKBの「卒業生」たちはまだ30歳にも達していない。彼女たち(個人的には前田敦子をひそかに応援しています)が新天地で本気の活躍をする姿を見たい。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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