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35歳以上で彼女がいない男性は三つの種族に分類される

大宮冬洋フリーライター

中学校時代からの女友だちである佐藤(仮名、37歳)と年に1回ペースでサシ飲みしている。好奇心が旺盛な佐藤には不思議な魅力がある。「実はずっと好きだった」と20年ぶりに告白する男性がいたりするのだ。彼は既婚者だが、いつか妻と別れて佐藤と一緒になる日がくるのだろうか。可能性はゼロではない。一度の結婚で固まってしまうほど人生はつまらないものじゃない、と最近は少し思えるようになった。

僕と佐藤はお互いにまったく恋愛感情はないが、気が合うというか会話が楽しいで関係性が細く長く続いている。先日は新宿の蕎麦屋であれこれつまみながら、仕事やプライベートの近況を報告し合い、キレイ事抜きの意見交換をした。

「結婚はしたくないけれど恋人はほしい」という佐藤には長らく彼氏がいない。機会を見つけて合コンのような場にも出かけているが、きちんと向き合ってくれる未婚男性が見つからないという。

観察好きの佐藤によれば、35歳以上で彼女がいない男性のほとんどは三つの種族に分類される。変人、趣味人、余裕なし人だ。まずは変人。身も蓋もない言い方をすれば、母親以外の女性とのコミュニケーションがほぼ未経験の男性である。デートの連絡から食事の仕方まですべてにおいて配慮が足りず、アプローチは気弱すぎるか強引すぎるかのどちらか。ウブな15歳のまま20年の歳月が経ってしまったような人物だ。

次の趣味人は、見た目は爽やかなイケメンだったりする。しかし、基本的には生身の人間には興味がない。ヒトではなく、モノやコトへの関心が強すぎる。恋人と二人でまったり過ごす時間があるのなら、仕事を含む趣味に没頭していたいのだ。ちなみに、未成年のアイドルに熱中している男性の多くは「変人かつ趣味人」だと言えるだろう。

最後の「余裕なし人」は人口としては最も多い。20代の頃は恋人がいたこともあるし、マニアックに追及している趣味があるわけでもない。だけど、労働時間が長すぎる。給料は安くて先行きも不安。転職するには年を取りすぎているし……。八方ふさがりのように感じているので、恋愛や結婚などをしている余裕がない。職場では見かけても、飲み会などにはほとんど出てこない。休みの日は何をしているのかは謎である。

では、佐藤はどうすればいいのだろうか。明るいあきらめが必要だと思う。上述の三種族は姿は見えるけれど決してつかまえられない。海面を跳ねているだけで釣り餌は食べない魚のようなものだ。その他の「釣れる」男性たちは30代前半までには同世代以下の女性たちに捕獲されている。大卒女性のモテピークは27歳付近なので、37歳の佐藤が手つかずの年下男性をつかまえるには想像を絶する才能とスキルが要求されるだろう。

だから、あきらめる。ただし、いじけたり攻撃的になってはいけない。仕事をしながら一人の休日も楽しみ、たまに「いい男を紹介するよ」と言われたら期待も偏見も持たずに会いに行く。明るさを保って生活していれば、いずれ想定外の再会や出会いに恵まれるかもしれない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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