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「すぐまた会いたい。いつにする?」と言われる人、言われない人

大宮冬洋フリーライター

また電話しろよと言って受話器置く君に今すぐ電話したい

俵万智の歌集『サラダ記念日』が発売されてからそろそろ30年。恋愛で固定電話を使うことは少なくなったが、この短歌が伝える恋愛の心理状況は現在でも変わらない。あえて言い換えればこんな歌になるだろうか。

また飲もうよと言いながら連絡来ぬ君に今すぐLINEしたい

筆者は、恋愛や結婚に関する取材が多いという職業柄、週2~3人ペースで独身の男女に会い、プライベートの近況と気持ちを聞き取っている。仕事なので客観的に聞こうとするのだが、過去の恋愛における恥ずかしい失敗を思い出して身悶えてしまうことも少なくない。その一つが、「なかなか会ってくれないし、連絡も途絶えがちな片想いの相手に、どうにか振り向いてもらおうとあれこれやって自爆」である。

無駄と恥と後悔ばかりなのが青春だ。10代20代のうちは一途な片想いに賭けるのもいいと思う(ストーカーになって相手に迷惑をかけるのは問題外だ)。しかし、少しずつは賢くなりたい。30代40代になったら、男女関係における残酷な真実のようなものを受け入れたい。

恋愛感情に関しては、人が人を「だんだん好きになる」ことはありえないのだ。「恋愛関係になり得る、なり得ない」という判断は男女ともに初期段階で無意識のうちになされており、「結婚による生活の安定」などの打算が働かない限りは逆転劇が起こる可能性は非常に低い。

日本の成人は、性的な好意をわかりやすく示さないことがこの真実をわかりにくくしている。恐れやコンプレックスが原因で「あの人は苦手だ」などと公言しておきながら、内心では「でも異性としてはありだな」と思っていることは少なくない。「いい人だね」と言いながら「だけど恋愛にはなり得ない」と密かに確信しているのと逆バージョンだ。

二人きりで同じ部屋で長時間過ごし、夜は一緒に食事をして一緒に寝て、子どもを産み育てたりする関係になりたいか否か。常識や論理の範囲をはるかに超えた本能的な判断能力が働くのだと思う。俗にいう「フィーリング」だ。

たまに判断を間違えて、「デートするのは楽しいけれど生活をしたら最悪の相性だった」みたいなことも起きるが、「そもそもデートすら楽しくない」相手に対して「また会いたい」と感じることはない。「すぐまた会いたい」という恋愛対象と、「多くても月に1回ぐらいが適当」という友人(セックスフレンドも含む)との差は埋めがたいほど大きなものだ。

第一印象を改善するには、ダイエットしたり身だしなみを整えたり聞き上手になったりするなど無数の方法がある。しかし、最も大事なのは「またすぐ会いたい」と思い合える異性を楽しみながら幅広く探すことだ。「仕事が忙しい」程度の理由で返信が遅かったりデートの約束すらしない人に執着しても先はない。「また電話しろよ」と言われてすぐに電話してしまっても笑って喜んでくれてデートの日程を詰められる人が恋愛や結婚の相手としてふさわしい。

1億人以上の人口を抱える日本の中でたった1人しか「運命の人」がいないことはありえない。「自分の年齢からプラスマイナス10歳の異性ならば、10人に1人ぐらいの割合で好きになれる。その中には、私に『またすぐに会いたい』と思ってくれる人もたくさんいる」などと考えたほうが妥当だと思う。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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