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ブサイクなのにモテる男性はここが違う! バナナマン日村勇紀の「サービス精神」

大宮冬洋フリーライター

まめで気が利く男性はモテるとよく言われる。そのたびに、以下のような反論をしたくなる男性は筆者だけではないはずだ。

「こまめにメールやLINEをするのは面倒臭いし、相手の女性から『暇な人だ』とバカにされるような気がする。少なくともこちらから連絡するべきじゃない。あれこれ気を回して動き回るのもみっともない。男はもっと悠然していたほうがカッコいいんだ」

我ながらまったく愚かな反論である。「まめ」の意味を間違えている。例えば、「起きたよ」「会社に行きます」「いまランチです」といった自分の行動記録をSNSでいちいち報告するような人は「まめ」とは言わない。相手への気遣いやサービスではなく、自己アピールをしているに過ぎないからだ。「自意識過剰な暇人」と思われても仕方ない。

一方で、お世話になった人にお礼のメールをする、デートの約束をしたらできるだけ早めに日程や場所を決めて提案する、といった姿勢と行動は真の「まめ」だ。努力の方向が自分にではなく他者に向かっている。

筆者は「スナック大宮」の開催や「お見合いおじさんは見た!」連載などの取材・執筆を通して、妙齢の男女を見つめ続けている。第一印象では「見た目」が重要なのは男女ともに言えることだが、時間が経つうちに化けの皮がはがれてしまうことも少なくない。最大の理由はサービス精神が足りないこと。多くの場合、女性よりも男性に当てはまる。

口を開くと魂が抜けると思っているかのように無口で無愛想な人、自分の話をするのに夢中になって周りにまったく配慮ができない人、メールを送ってもなかなか返事が来ない人、その人のために何かしてあげてもお礼の一言もない人、無味乾燥で事務的なメールしか書けない人、居酒屋などで一度座り込むと腰が重くて追加注文などは他の人がやってくれると思い込んでいる人……。年齢を問わずにあきれるほど多い。

おそらく母親に何でもしてもらって育ってきた結果だと思うが、成人した後は自己責任で改善していくしかない。性格が悪いのではなくて、単に「周囲の人に配慮して目や口や手足を動かす」という習慣が身についていないだけなので、自覚して努力をすればいくらでも「まめ」になれるのだ。

できれば身近にロールモデルがいるといいのだが、いない場合はバナナマンの日村勇紀(43歳)を思い浮かべよう。「キモキャラ」「ブサイク」を売りにするお笑い芸人であるが、私生活ではモテモテだという。収入と知名度が高いから当たり前、と断じるのは早計だ。彼以上に稼いでいてもモテない著名人はいくらでもいる。

例えばこの記事を読むと彼がモテる理由がよくわかる。ポイントは高級ブランドの商品を贈ったことではなく、所属事務所のスタッフへの誕生日プレゼントだった点にある。恋愛関係ではなく、仕事上の関係であっても「いつもご苦労さま」という気持ちを形にすることができる。普通は、恥ずかしさや面倒くささで実行できないような行動だ。それだけに、「してもらった女性」の感動はひとしおだろう。このような行動の積み重ねが日村のモテ度を高めているのだと思う。

どんなささいなことでもいい。あなたのために動いてくれた女性(もちろん、既婚の年上女性も含めて)にお礼をしよう。おいしいチョコレートを少し買って渡すだけでもかまわない。少なくとも感謝の言葉は早めに捧げよう。

サービスとは「誰かに媚びること」ではない。「他者を認めて、尊重し、励ます」ことだ。認められて励まされる側の気持ちを想像しながらこだわりなく立ち振る舞える「まめな男」になったときに初めて、我々アラフォー男性は頼もしく好ましい大人になれるのだと思う。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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