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平成ノブシコブシの吉村崇が手本! なぜか得する「男の可愛げ」とは?

大宮冬洋フリーライター

何となく可愛らしくて好感が持てる男性をたまに見かける。仕事でもプライベートでも様々な人から声をかけられ、助言とチャンスをもらえるので、本人にやる気さえあれば出世していくことも可能だろう。

真面目さや礼儀正しさ、実務能力といった点では他の人とあまり変わらない。見た目が突出して美しいわけでもない。彼らはなぜ愛されるのだろうか。

TBSの深夜番組『有吉ジャポン』を録画で観ていたら、良い実例を発見した。お笑いコンビ「平成ノブシコブシ」の吉村崇(35)だ。「オネエニュース」を嬉しそうに紹介する彼をいじる司会の有吉弘行(41)の目がとても優しい。個人的に親しいこともあるだろうが、番組上でも吉村は確かに可愛いのである。理由は二つあるだろう。

1、本当に好きなものがある

吉村は自他ともに認めるゲイバー好きらしい。特に新宿二丁目の「ひげガール」という店とは「癒着している」と公言し、ひげガール情報の収集には余念がない。彼自身はゲイではないのにも関わらずゲイカルチャーをこよなく愛しているのだ。受け狙いの範囲を明らかに超えている。

かなり変わっている趣味ではあるが、誰かに迷惑をかけているわけではない。根っから好きなものに夢中になっている人の姿は清々しさや安心感を周囲に与える。お気に入りの絵本を何度でも読んでもらいたがる子どものように、頭を撫でてあげたくなるのだ。

2、笑われることを恐れない

本当の趣味嗜好は他人に隠したくなる。ワインやテニスといった一見オシャレなものであっても、度を超えているとカッコ良さよりも滑稽さが際立つからだ。

だからこそ、抑えきれない愛情や情熱を恥ずかしがりながらも吐露する人は輝く。「この人は少なくとも自分の前では素っ裸になっている。笑われることを恐れていない」との印象を受ける。

実践は意外なほど難しい。少なくとも「バカ」にはできない。本当のバカは自分を大きくクールに見せようと虚勢をはる。自分自身の偏りを認識し、社会の中での役割を知った者だけが、時と場合に応じて道化になることができる。吉村にしても、真面目にならなければいけない場でゲイバーの話題を出したりはしないだろう。

筆者が観ていた『有吉ジャポン』の回では、吉村の相方である徳井健太(35)のほうは対照的に可愛げがないのが印象的だった。「オタサーの姫を探す」といったレポーターの仕事を仕方なく引き受けていることが視聴者に伝わってしまうのだ。面白さを見出しにくい役回りかもしれないが、「くだらないことをあえてやらされているけれど一生懸命な自分が好き」などと視点を変えてみてほしかった。そうでないと、本当にいじめのような構図になって笑えない。

自分は楽しんでいる。その無防備な姿をさらすことで他人に笑われても構わない。むしろ、それでみんなが楽しい気分になるなら本望だ――。このような心構えができている人こそ真の意味で可愛げを発揮することができる。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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