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本気で結婚したい40代女性がいますべきこと~連載インタビュー(4)東京世話焼きおばさんの縁結び~

大宮冬洋フリーライター

「私はいま40歳です。結婚相手を見つけるのは大変だとはわかっています。でも、婚活をがんばっているんです。『あきらめろ』なんて言わないでください」

ある女性から抗議をされた。筆者が本連載で書いた「結婚のあきらめ適齢期。女性は39歳、男性は44歳で婚活をやめて自由になろう」を読んだらしい。ちょっと冷たい印象を受ける内容だったかもしれない。お詫びというわけではないが、識者を訪ね歩いて「40代の女性が本気で結婚したくなったらどうすればいいのか」を考えていきたい。

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5人ほどの女性スタッフのみで切り盛りしているお見合いNPOがある。「東京世話焼きおばさんの縁結び」だ。彼女たちとは旧知の間柄なので、6年前のNPO設立当初はなかなか成婚カップルが生まれずに苦労をしていた記憶がある。しかし、2年ほど前からは徐々に軌道に乗り、「今月もカップルが誕生!」と嬉しげなメールが筆者にも届くようになった。

先日、彼女たちとランチをしていたときに耳寄りな話を聞いた。「30代よりも40代の女性のほうが結婚が決まるケースが最近は多い」というのだ。ぜひちゃんと話を聞きたい。東京・市ヶ谷にある事務所に急行し、スタッフの一人である下間瑞紀さんに会ってもらった。

会員向け無料カウンセリング。「よく活用する人が結果を出しやすいです」(下間さん)
会員向け無料カウンセリング。「よく活用する人が結果を出しやすいです」(下間さん)

――月1人ペースで半年間、計6人を紹介してお見合いしてもらうのが基本コースみたいですね。

1人目のお見合い相手と交際する人はさすがにほとんどいません。最初は様子見が普通だし、比較対象がいないので決めるのは難しいのだと思います。

交際が決まる人は、2人目か3人目のお見合い相手を選ぶことが多いですね。ただし、6人全員と会ったうえで6人目で交際が決まるというケースも今のところありません。6人目と会い終わって退会されるときに、「どの人が一番良かったですか?」と聞くと「一番最初の人が一番良かった」と返されることがあります。でも、そのときには彼はすでに他の女性との交際が決まっていることがほとんどです。決断力が大切なんですね。

――分譲マンションを選んで買うときみたいな話ですね……。30代よりも40代の女性のほうが決断力がある、ということでしょうか。

30代後半の人は「自分はまだ若いので大丈夫」という意識があるので、相手の男性を選ぶという気持ちが強いのです。私たちは会員さんに「自分が選ぶのではなく選ばれる気持ちを持とう」「自分のことを好きだと思ってくれる男性をまずは受け入れて、3回ぐらいは会ってみよう」などとアドバイスをしています。

「悪くはないな」と思っている男性からでもちょっと好意を示されるとピューッと引いてしまう女性が少なくありません。「すごく好きになられたらどうしよう」「結婚しなくちゃいけないかも」と考えすぎるのです。私も若いときはそうだったので気持ちはわかるけれど……。「妄想しすぎだよ。すぐに結婚するわけじゃないんだから」と諭すこともあります。

――「世話焼きおばさん」たちのアドバイスをちゃんと聞くことも大事そうですね。

会員さんには月に1度、20分程度の個別カウンセリングを無料で行っています。交際しそうな男女2人がそれぞれ来てくれるとうまくいくことが多いですね。

デートを重ねている2人でも気持ちに温度差がすごくあったりします。例えば、スポーツの話ですごく盛り上がっていても、男性のほうは女性のことを友だちとしてしか見ていなかったり……。その男性はどちらかというとウエットな性格の女性が好きなんですね。「お見合いなんだからあまり長く引っ張らないであげてね」と注意しながらも、「伴侶にするならばスポーツの話もできるさっぱりとした彼女のほうがいいかもよ」と少しずつ誘導しています。

女性の場合は、「他にもっといい人がいるかも」と迷うことが少なくありません。「はっきり言ってこの男性を逃したら他にはもうないよ」と背中を押すこともあります。休会しない限りは翌月もお見合いはできるのですが、状況次第であえて彼女とはそれほど合わなさそうな男性を紹介したりもします。そうすることで、彼女の決断を促すんです。私たちはすべての会員さんの希望とお見合い状況を把握しているので、毎月のお見合いの組み合わせにはかなり気を配っています。

――「自分が選ぶ」のではなく「自分も選ばれている」という自覚が大事、とのことですが、選ばれる女性になるにはどうしたらいいのでしょうか。

身綺麗にしておくことは大前提です。そのうえで相手に対する気遣いができる女性が素敵な男性から選ばれる傾向があります。ここで大事なのは、どんな人に対しても社会人としてちゃんとした気遣いができる、ということです。

「いいな」と思っている人には自分を良く見せたいのは当たり前ですよね。でも、好みじゃないと判断した男性には明らかに気がないそぶりをする人がいます。話し中に目も合わさずにずっと髪をいじったりスマホを気にしていたり、メールの連絡がすごく遅かったり……。「お断り」は私たちスタッフがやってあげるのだから、「気を持たせる」心配などはありません。

泥縄式の気遣いでは大人の男性にはすぐにバレてしまうのでしょう。女性だけでなく男性にも言えることですが、どんな人にも誠実で礼儀正しく、感じ良く振る舞える人が「選ばれている」気がします。

多くの選択肢の中から我が道をつかみとっていけるのは若さの特権だ。一方で、現在の生活や出会いへの感謝をもとに謙虚さと優しさを持てるのが年齢を重ねた者だけの魅力である。「選ぶ」のではなく「選ばれている」自覚が大事、自分を「いい」と言ってくれる人のことは受け入れよう、という下間さんのアドバイスを振り返りながらそんなことを思った。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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