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婚活中の私。でも、既婚者の大宮さんが一番素敵だと思ってしまいました(「スナック大宮」問答集その2)

大宮冬洋フリーライター

5年ほど前から、「スナック大宮」と称する読者交流飲み会を東京もしくは愛知でほぼ毎月開催している。お客さん(読者)の主要層は30代40代の独身男女だ。毎回20人前後を迎えて一緒に楽しく飲んでいる。この「ポスト中年の主張」の記事を読んでくれている人も多く、賛否の意見を直接に聞けておしゃべりできるのが嬉しい。

初対面の緊張がほぐれて酔いが回ると、仕事や男女関係について突っ込んだ話になったりする。いまを生きている人の肌からにじみ出たようなリアルな質問もある。口下手な筆者は飲みの席で即答することはできない。この場でゆっくり考えて回答したい。

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「私は婚活中です。大宮さんの読者の方々との交流に加えて、素敵な男性との出会いがあればいいなと思ってスナック大宮に参加しました。でも、一番魅力的だったのは既婚者の大宮さんでした」(30代半ばの独身女性)

誤解しないでほしいのだが、筆者はモテるタイプではまったくない。身長体重は39歳日本人男性のほぼ平均で、顔もとても普通だ(妻からはヒトナミフツオというあだ名をつけられている)。年収は「中の下を不安定に維持」している程度。エネルギッシュではまったくなく、話題も少ない。臨機応変に面白いことも言えない。性格は人懐こくて几帳面なほうだと自認しているが、基本的に自分勝手なので、女性からは「あなたは優しいのではなく、優しいと思われたいだけ」と見抜かれやすい。

普段の筆者はモテることはない。初対面の人が多いパーティーやイベントに参加すると、隅っこのほうで陰鬱な表情で座っていることが多く、誰からも相手にされなかったりする。見知らぬ人に自分から話しかけるのが苦手なのだ。素敵な女性と軽やかに会話して連絡先を交換した経験はほとんどない。

そんな筆者がスナック大宮ではモテる。独身だったらお付き合いをしてみたいと感じる女性から冒頭のようなメールをもらえるのだ。だからこそ、恋愛や結婚の相手を見つけたい読者(特に男性)には参考になると思う。

秘訣はただ一つ。主催者になることだ。接客を「される」のではなく「する」側に立てば、その場では自然とモテる。飲食店でキビキビと働く店員が、日常生活ではさえないおじさんおばさんに過ぎなくても、店の中では魅力的に映るのと同じ現象である。

どんなにささやかなイベントであっても、幹事や主催者には次のような特徴が備わる。

●参加者全員と連絡を事前に取り合う(当日の自己紹介や連絡先交換の必要なし)

●当日は自分自身が楽しみつつも、参加者全員が楽しめるように気を配る

●イベントが無事に終了するまでの責任を負う。遅刻や早退などはありえない

参加者一人ひとりの名前をちゃんと覚えていて出迎え、周囲にも気を配りながらも話しかけて、調子がいいだけではなくて責任感と実行力がある人。それが主催者なのだ。

主催者は気持ちが張っているし、複数の参加者から多角的に注目されるので、見た目も普段よりは若々しくなりやすい。結婚式の新郎新婦のように、イベント当日は身だしなみをきっちり整えるだろう。筆者もスナック大宮の前には散髪に行き、洋服にはアイロンをかけている。

以上、内面でも外面でも主催者が輝くのは必然なのだ。

では、どのようなイベントを主催すればいいのか。同窓会や単なる飲み会でもいいけれど、筆者がおすすめするのは「個人的にお祝いされたいことを先手を打って感謝する会」だ。誕生日でもいいし、資格合格でも引越祝いでも何でもいい。会いたい人を一度に誘って食事会を開こう。

招待する際の文面は例えばこんな感じだ。

<(前略)転職して1年間を無事に過ごすことができました。前職での経験を生かしつつ、前向きに働けています。みなさんのおかげです。ありがとうございます。仕事がようやく落ち着いたので、今度は結婚相手を見つけたいなと思っているこの頃です。ぜひアドバイスをください。さて、私が普段お世話になっている人、私がお世話をしている人(笑)をお招きして、ささやかな感謝会を開きたいと思っています。お忙しいとは存じますが、お越しいただけると嬉しいです。詳細は以下の通り(後略)>

生活の充実ぶりをアピールしつつ、謙虚さと感謝の言葉を忘れず、恋人募集中であることもちゃっかり伝えよう。ちょっと図々しくても、個別に招待してもらって嬉しくない人はいない。社会人になって15年ぐらい経つと、所属コミュニティ以外の人と飲み交わす機会が激減しているからだ。

招待者リストに狙っている異性を含めることができたら話が早いが、該当者がいない場合は「お友だちの同伴歓迎」にする。気が利いた人ならば、素敵な独身者を連れて来てくれるだろう。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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