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面白いけれど不安な男性とつまらないけれど安定した男性、どちらを選ぶ?

大宮冬洋フリーライター

覚せい剤使用で逮捕された既婚著名人のニュースを見て、「そんな危ない男となぜ結婚するんだろう?」と疑問に思う人は少なくないはずだ。しかし、程度の差はあっても不安定要素に魅力を感じる女性はいる。

例えば、浮気性。既婚男性と恋愛している女性は意外なほど多い。お金があって遊び方を知っている既婚男性と短期間に不倫する場合は、単にお小遣い目当てであったり、大人の遊び場を体験したい欲求であったりする。しかし、1年以上も不倫を続けている女性は、潜在的な心理として「愛する妻子がいるのに浮気をしてしまうようなダメ男」に面白みや与しやすさを感じているはずだ。

例えば、転職や独立志向。人生に醍醐味を求める女性は、本当に転職や独立をしてしまう男性に惹かれる。よほど慎重かつ優秀でない限り、転職や独立は失敗する確率のほうが高い。でも、バカなのに前向きで根拠のない自信があって挑戦を続ける姿に清々しさや可愛らしさを覚えるのだろう。覚せい剤使用や不倫のような不法行為と転職・独立ではダメージが異なるが、生活が壊れやすいという点では一致している。

「仕事はつまらない」「会社を辞めたい」「独立開業したい」などと口癖のように言っているけれど一向に実行しないサラリーマンは少なくない。定年まで会社にいたほうが安泰であることを知っているのだ。確かに家庭生活の見通しはききやすいが、つまらない。群れることしかできない男性に性的な魅力を感じる女性は少ない。

不安定要素と面白み、性的魅力は不可分の関係にある。ならば、面白くて魅力的な男性と結ばれることを望む女性には、相応の覚悟と実力が必要となる。といっても、相手の男性を支えたり更生することではない。アルコールやギャンブル依存症、DVなどのダメ要素を持つ男性が好きになる女性は、一緒にいるだけで彼のダメさを助長する傾向があると思う。本人は認めないだろうが、彼の不安定さにハラハラドキドキして恋愛関係になった一面があるからだ。にもかかわらず、今さら彼を変えて自分も幸せになるという願望は、都合のいい依存心の表れに過ぎない。

つまらないけれど安定した男性には満足できず、面白いけれど先行きが不安な男性を好きになったとする。「あいつと付き合っていても幸せになれないよ」と周囲から何度言われても、どうしても好きならば仕方ない。飽きるまで付き合うしかない。しかし、精神的にも経済的にも依存し過ぎて「別れたいのに別れられない」状態になってしまったら本当に不幸になる。

何でも相談できる友だちとの連絡を保つ、いつでも復帰できる仕事を確保する、引っ越し費用と半年分の生活費は貯める、などの準備を少しずつ積み重ねておく。これこそが面白さ重視の女性に必要な覚悟と実力である。

恋人や配偶者がいるのに「遊び」が激しい男性は女性を侮っていることが多い。甘えつつ下に見ているのだ。女性が「いざとなったら別れて一人になる備え」をしておくと、その緊張感と実行力は相手の男性にも伝わる。結果として、面白くて不安定要素はあるけれど限度はわきまえた大人の男性に変わっていくかもしれない。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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