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40代で本気で結婚したい女性がすべきこと~連載インタビュー(9)42歳で結婚した事例紹介~

大宮冬洋フリーライター
「他人本位」の笑顔を武器に40歳で結婚を果たした女性経営者からのアドバイスです

「私はいま40歳です。結婚相手を見つけるのは大変だとはわかっています。でも、婚活をがんばっているんです。『あきらめろ』なんて言わないでください」

ある女性から抗議をされた。筆者が本連載で書いた「結婚のあきらめ適齢期。女性は39歳、男性は44歳で婚活をやめて自由になろう」を読んだらしい。ちょっと冷たい印象を受ける内容だったかもしれない。お詫びというわけではないが、識者を訪ね歩いて「40代の女性が本気で結婚したくなったらどうすればいいのか」を考えていきたい。

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マーケティング会社で経営を担っている加藤弘子さん(仮名、49歳)は、仕事仲間に誘われたパーティーの席で大企業のエンジニアである修さん(仮名、59歳)に見初められた。20年前の話ではない。それは9年前、弘子さんがちょうど40歳になった年だった。詳細についてはこちらの記事を参照してほしい。

弘子さんの武器は人懐っこい笑顔である。海外のMBAも取得した女性経営者と聞くと、たいていの男性は緊張してしまうが、弘子さんの笑顔には他人の警戒心を解かせる力があるように思う。気軽に声をかけられる雰囲気を醸し出しているのだ。

――弘子さん、今日のお洋服もとても似合っていますね。今日は、40代の独身女性が結婚を志したときの心構えを聞かせてほしいです。

40代どころか50代でもその気になれば結婚できますよ。でも、ストライクゾーンが狭い人は良き相手を見つけるのは大変だと思います。

先日、主人の会社の後輩でバツイチの男性を、私の女友だちに紹介しました。男性は56歳で、女性は53歳です。年齢的には問題がなかったのですが、趣味が全く一致しませんでした。男性のほうはテリーヌを作って職場で配るほどの料理好きなのです。すごいですよね。でも、女性はドン引き。彼女の趣味は山登りです。

主人は海外にまで遠征するほどの本格的な山男。私の友だちはむしろ主人の話のほうに興味を示していました。「お前が輝いてどうする!」と主人には説教しましたよ。

――本格的な料理ができる男性も素敵だと思いますけどね。年齢を重ねてからの結婚は、子育てなどを考えなくていい分だけ趣味や嗜好の一致が重要になるのかもしれません。

年齢のストライクゾーンが狭い友人もいます。私と同い年の女性に、61歳だけど若々しい男性を紹介したことがありました。イケメンのスポーツマンです。でも、彼女は年齢を聞いただけで「おじいさんだね……」と気持ちが萎えていました。私は10歳年上の主人と結婚しているので、一回り上の男性を「おじいさん」と言われるとちょっと傷つきます(笑)。

実際の会食ではみんな大人なので仕事の話で盛り上がりました。私の友だちはキレイだし頭がいいので、男性のほうはとても気に入ったみたいです。でも、友だちのほうはまったくその気がないようでした。

――年齢のストライクゾーンが狭い人は男女を問わず確かにいますよね。具体的には、見た目も実年齢も自分より若い人を求めるのです。

自分も若かった頃に付き合った「一番カッコいい恋人の記憶」から離れられないのかもしれませんね。私も20代後半の頃、背が高くてハンサムな男性と付き合ったことがあります。1歳年上だったのでいま50歳。いまだにカッコいいはずです。でも、今は会いたくありません。元気で輝いていた20代に比べると、容貌の衰えは隠せないからです。そんな自分を彼に見せたくない。思い出は思い出として大事にしておきたいのです。

特に女性は、肉体的なピークが早い。他人との比較ではなく、自分軸で観察するとしたら、どんな女性でも35歳後半以降は容姿が衰えるのは仕方のないこと。現実を受け入れてストライクゾーンを広げられるか否か。理性ではなく感情も絡んで来るのでなかなか難しいですよね。

――容貌の衰えは男性も同じですよ。僕は今年で40歳になりますが、同級生と会うと「あいつもこいつも老けたな」と感じます。もちろん、僕もその一人です。でも、「頼もしく美しい中年になったな。若いときよりも魅力的だ」と感じる男女もいます。表情に余裕があって楽しげなのです。第一印象としては笑顔がポイントだと思います。弘子さんの笑顔は本当に素敵ですね。

笑顔というのは自分ではなく相手のためにあるものだと私は思っています。原始の大昔は、「あなたに敵意はありません」と示すためのツールだったのではないでしょうか。媚びる笑いとは違います。

今の若い子は自分が笑いたいときだけ笑いますよね。ニコッと笑うことで人間関係の緊張が和らぐ局面が多いことを知らない。他人本位ではなく自分本位なのです。

私たちの会社はマーケティング専門のコンサルティングを顧客に提供しています。この仕事の肝は、お客さんが求めている本質を全身全霊で感じてつかむこと。それ抜きにして適切な解決策を提示することはできません。つまり、他人本位でなければ仕事にならないのです。どんなに頭が良くても自分本位な人は大成できません。

お互いの欠点を補完し合うという意味では、結婚も自分本位ではできません。自分を犠牲にして本当に嫌なものを引き受ける必要はないけれど、「誰かのために」という気持ちは大事ではないでしょうか。

――僕はすでに若くありませんが、気を抜くとブスッとした表情をしています。機嫌が悪いように見えてしまい、他人に無用な緊張を与えてしまいがちです。これからは意識して他人本位の笑顔でいようと思います。

こんなことを言っている私も、自分の本質はエゴだと思っています。でも、2つの理由から他人本位を心がけています。1つは単純です。「エゴだと思われたくない」という自己防衛ですね。もう1つの理由は、私の好きな言葉でもあるのですが、「習慣が人間の本質になる」と信じているからです。

人のために役立つ人間になりたい――。そう思い続けて実践していれば、やがて本当に他人本位の人間になれるのではないでしょうか。情けは人のためならずと言います。人に尽くしていると必ず自分に返ってくる。抹香臭い説教ではないですよ。私の経験からそう断言できます。

本連載の第4回で、お見合いNPOをしている女性の話を聞いた。男性から選ばれる女性の特徴として、「どんな人に対しても社会人としてちゃんとした気遣いができる」ことが挙げられた。自分が興味を持った相手だけでなく、すべての他人に対して礼儀正しくて感じが良いことが大切なのだ。弘子さんの主張する「他人本位」と通じるものがある。

会話を派手に盛り上げて大笑いする必要はない。静かな笑顔を絶やさず、言い足りないことがあればメールなどで補えばいい。相手に対する感謝や励ましを伝えるのだ。その姿に大人の余裕と温かさを感じる人は少なくないと思う。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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