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47歳。これからの人生をともに歩める男性と出会いたい~40歳からの婚活入門(1)~

大宮冬洋フリーライター
「化粧で美しく見えてるらしい」と謙遜する村上さん(仮名、47歳)。都内のバーにて

30歳を過ぎると、年齢を1歳重ねるごとに婚活での「引き合い」が激減していく。特に女性が直面する厳しい現実である。結婚願望のある30代以降の男性は、自分よりも年齢が下で、なおかつ30代前半までの女性を求めることが多い。結果として、30代後半以降の独身女性が婚活を始めると、驚くほど不利な立場を実感する。

筆者は以前に「結婚のあきらめ適齢期。女性は39歳、男性は44歳で婚活をやめて自由になろう」と書いた。しかし、最近はちょっと違うことを考えている。40歳を超えると妊娠・出産に関する男性からの期待がほぼなくなるため、逆にやりやすくなるかもしれない。

見た目年齢ではまだ十分に若くて美しい40代女性はたくさんいる。大人としての常識があって会話も楽しかったり、経済的にも自立していたりする。「いまさら子どもは要らない」と考えている40代50代の独身男性にとっては、素晴らしいパートナーになり得るはずだ。

このシリーズでは、筆者が知り合った「婚活中の40代女性」にインタビューする。いずれも感じのいい美人だ。彼女たちはどんな苦労をして、結婚に何を求めているのだろうか。実態を聞き取ってリポートする。男性の筆者からすると意見したいこともある。蛇足かもしれないが、インタビューの最後には感想を付す。

***某業界団体のパート職員、村上美香さん(仮名、47歳)の話***

前夫によるダブル不倫とコミュニティ破壊で男性不信に

別れた夫と出会ったのは20代半ばでの合コンです。2年ほど付き合っている間に一度は別れたんです。二股をかけられていることに気づいたから。「やり直したい。結婚してください」と頭を下げられて結婚。本当に反省していると信じたからですよ。すぐに子どもができました。

それから15年以上、家族3人で楽しく暮らしてきたつもりでした。でも、2年前に突然、「君との老後は考えられない。別れて下さい」と言われて……。頭を冷やしてもらうために近所で別居をしていたら、驚きの事実がわかりました。私と子どもが出て行った家に、1カ月も経たないうちに別の女を連れ込んでいたのです。しかも夫のある人とのダブル不倫。長く住んでいた地域なので、友だちもたくさんいるんですよ。その事実を教えてくれたのも地域の仲間です。酷いでしょう? その街にはもう住めなくなってしまいました。

元夫は会社の役員をしていて、年収も2千万円近くあります。怒り心頭に達した私はすぐさま弁護士を雇って、慰謝料と養育費の交渉をしました。20年前と同じく、私をだましていたんですからね。しかも私と子どもの大切なコミュニティを壊すようなことをして……。絶対に許せません。優秀で良心的な女性弁護士さんのおかげで、希望した金額を一括で受け取ることに成功しました。

私自身は浮気なんて一度もしていませんよ。見た目からは意外と思われるぐらい真面目なんです。20代後半で結婚してから、元夫以外の男性と2人で食事に行ったことなどはありません。何かを相談できる男友だちもいません。女友だちとの絆は固いですけどね。

元夫は、いわゆる3高(高収入・高学歴・高身長)でした。おまけにハンサムです。だけど、私はもう男性にはそういうものを求めていません。清潔で誠実な人と信頼関係を結びたい。二度と裏切られたくない。元夫のせいで、ちょっと男性不信になってしまった気がします。

子どもはもう大きいので新しい父親を必要としていません。だから、結婚という形にはこだわりません。これからの私の人生をともに歩める男性がいたらいいなと思います。女友だちでは埋められないものがありますからね。

何も決められない男性、配慮がなさすぎる男性

婚活を始めたのは今年のはじめです。まずは大手の婚活パーティーに参加。3回参加して、うち2回はマッチングに成功しました。

Aさんは6歳年下の初婚の方で、パーティーの後でお茶をしてからも2回ほどデートをしました。ちょっとおかしいなと思ったのは、デートのお誘いはしてくれるのにお店選びは完全に私任せだったこと。3回目のデートでは3日前に「仕事が入ったのでキャンセルさせてほしい」と言われて、仕方ないと思って返信したら、前日になって「やっぱり大丈夫になったので、明日会いましょう」との連絡が入りました。わけのわからない対応に振り回されたくないので、それからは会っていません。

Bさんは50代前半の方。私と同じく離婚歴があります。パーティーの後にお茶をしたら、「女性はいいよね。2千円だから。男は6千円も払う。これでマッチングしなかったらお金と時間の無駄だよ」なんて言うんですよ。私とのマッチングは第一希望じゃなかったから不満だったのでしょうか……。ぶっちゃけるにもほどがあるし、少なくとも相手の女性には言っちゃいけないと思います。

春には結婚相談所の集団お見合いに参加しました。キレイなオフィスみたいな場所がパーテーションで区切られてあって、10分ごとに席替えをしてお見合いができる方式です。「40代以上」という参加条件だったのですが、男性の大半が70代みたいな見た目だったのに驚きました。うちの父親よりも高齢者に見えるんですよ。そんなんだったら私はお一人様のままで生きていきます。

女友だちには「ここまで妥協しているんだね」と言われました

熟年結婚専門の老舗相談所に入ったのは初夏のことです。結婚歴のある方2人とお見合いしました。Cさんは50代の銀行員で、お付き合いを始めようかというお話になったんです。その直後に、彼が街中で他の若い女性と寄り添って歩いているのを偶然に見かけてしまって……。それからは連絡を取っていません。

Dさんは50代のお医者さんです。でも、大病を患ってから間もなく、再発の可能性もあると聞きました。いい方でしたが、結婚していきなり看取りたくはありません。

紹介されたけれど会わなかった方もいます。研究者のEさんはネクタイの結び方がめちゃくちゃなんですよ。短いほう(小剣)が後ろから10センチぐらい見えちゃっていました。お見合い写真なのに。清潔感がないと感じてしまいました。

50代だというのに60代に見えちゃうFさんも会わずにお断りしました。生理的に無理だと思ったからです。

私も40代後半なので、贅沢を言っているつもりはありません。女友だちにお見合い写真を見せると「ここまで妥協しているんだね」なんて驚かれますからね。でも、何事にも限度というものがあります。

この相談所主催のパーティーでは、結婚歴ありのIT系企業にお勤めの50代の方とマッチングしました。でも、小さなお子さんが2人もいるのに離婚して一人身だと聞いて、思わず確認したんです。「有責配偶者で離婚されたんじゃないでしょうか」と。彼の浮気が原因で別れたのではないか、という質問ですね。「失礼な!」とキレられてしまいました。怒るということはズバリ当たっていたのでしょう。

ネット婚活で見つけた相手との「残念な」結末

秋にはインターネットのマッチングサービスを利用したこともあります。私が顔写真を載せなかったので、相手の写真も見ることはできませんでした。でも、1人だけメールのやり取りが続いた男性がいました。私と同い年で、結婚歴があるGさんです。この年齢になると、相手もバツイチのほうが安心します。お互いを思いやるようなメールをやりとりできて、彼の誠実さが伝わって来ました。実家も近いことがわかって盛り上がり、いよいよ会う前になって「犬好き」という情報が入って来たんです。

私は極度の動物アレルギーで、室内で動物を飼っている人が職場にいるだけでダニにやられてしまったりします。Gさんは大の犬好きで、家に犬がいない生活は考えられないそうです。私もその点だけは譲れません。アレルギーなので……。「本当に残念だけど会わないほうがいいね」とメールを交して終わりました。

婚活ってすごく気疲れするんですね。お見合いした翌日はグッタリしています。仕事をしながらなので、会うのは月に2回がやっとです。いま、50代初婚の方を紹介されていますが、「また都心まで出向いて衝撃の事実を知らされて終わりなんだろうな」と思うと気が重くなります。

約1年間、婚活をがんばりました。40代の結婚率はすごく低いことを痛いほど実感しています。「これだけやったんだから、もういいよね」と納得しているところです。いまは、子どもが巣立ってからのお一人様生活をどうするかを考えています。

***筆者より村上さんへ***

前向きな助言をしてくれる友だちだけに相談しましょう

まずは村上さんの行動力に敬意を表します。わずか1年の間に、各種の有料サービスを試しましたね。

注目したいのは、驚異的なマッチング率です。婚活パーティーでも結婚相談所でも、男性からのアプローチが多いことが伝わって来ます。村上さんはかなり目立つ美人で、弾むような楽しい会話ができる女性なので人気を集めるのでしょう。

一方で、いろんな意味で潔癖症気味なのはハンディキャップですね。元夫の裏切り行為でショックを受けたのはわかりますが、出会って間もない時期に「有責配偶者としての離婚ですか?」なんて聞くのはちょっとやりすぎだと思います。

女性にも個人差があるように、男性だって千差万別です。離婚にも個別の理由があるので、先入観を持っていると出会いの幅を狭めてしまう気がします。ネクタイの結び方がおかしいだけの男性と会わないのも同様にもったいない。一般的に、服装に無頓着な男性は結婚してからいくらでもあなた好みに改善できます。

婚活の相談をする友だちは慎重に選ぶこともおすすめします。村上さんは元夫以外の男性関係には20年近くのブランクがあるんですよね。村上さんの周囲も同じような女性が多いのではないでしょうか。男性全般に不信感をもっているような女友だちに相談するのは避けましょう。独身男性をネタにしての爆笑悪口大会になりがちだからです。それでは足を引っ張られるだけ。村上さんが幸せな恋愛や結婚をするために、親身になって相談にのり、前向きな助言をして、背中を押してくれる友だちにだけ相談するべきだと思います。

40代女性の恋愛と結婚を数多くインタビューしている筆者から見ると、47歳にしてたくさんの男性からアプローチされている村上さんは大変に恵まれています。だからこそ、謙虚さが必要です。「これでも妥協している」ではなく、「私を選んでくれてありがとう。私もあなたの良いところを見つけます」という気持ちでお見合いに臨んだらどうでしょうか。

飲みっぷりもいい村上さん。有料サービスだけでなく、酒場なども活用しましょう。その際も同伴する女友だちはちゃんと選んでください。興味本位なくせに引っ込み思案な人は同伴者としてふさわしくありません。あなたに良さそうな男性客がいたら積極的に「一緒に飲みませんか」と声をかけてくれるぐらいの人でないと意味がないのです。

できれば1人で飲みに行ける酒場を見つけてください。ちゃんとした店主がいる店ならば、変な客からはさりげなく守ってくれますよ。

気合を入れた婚活はそろそろ終了しようと考えている村上さん。肩の力が抜けたこのタイミングこそ、良きパートナーに巡り合える気がします。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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