2017年 野球殿堂入りの○と× ようやくの平松政次選出は〇、投票権を行使しなかった「幽霊委員」は×
1月16日、今年の殿堂入り投票結果が発表された。その○と×を論じてみたい。思いつくままに綴ってみる。
○ 順当な選出
プレーヤー表彰、エキスパート表彰とも候補者リストを是とするなら極めて順当だったと思う。かつての津田恒実のような理解に苦しむ選出は近年影を潜めている。
○ ちゃんと2名を選出したエキスパート表彰
それまでの5年間で2人しか選んでいなかった選出委員が今年は2人も選んだ。しかも、そのうちの一人の平松政次は、前年の榎本喜八同様に識者の間では「なぜまだなのだ」と叫ばれ続けていた。遅きに失した感は拭えぬが、良かったと思う。そもそも、委員に殿堂入りした元選手が含まれているのが問題だ。多く選べば選ぶほど、自分の価値が減じるからだ。
○ 鈴木美嶺さんの特別表彰
個人的な思い出だが、70~80年代に「週べ」でこの人の大リーグ・コラムを読むのが楽しみだった。
× あまりに小粒だった新候補(プレーヤー)
小林雅英、佐伯貴弘、田口壮、豊田清、みんな思い出深い好選手ではあるが、「殿堂入り」の可能性が語られるレベルではない。プレーヤー表彰は、正直言って人材難だと思う。来年の松井秀喜の登場に期待。
× 理由もなく候補から消えた清原和博
不祥事と選手としての実績評価は別物との考え方もある。対象から外すなら外すで結構だが、きちんとその理由付けが欲しい。永遠に失格なのか?それとも執行猶予期間を終えるまで?何らロジックがなく、単に臭いものに蓋をしただけ。
× 無責任な有権者
投票権を行使しなかった「幽霊部員」は、プレーヤー表彰に11名、エキスパート表彰に7名もいた。彼らの資格ははく奪すべき。豊田(2票)や佐伯(1票)に貴重な票を投じた記者がいることも嘆かわしい。その根拠を明らかにすべき。
×「あっ、発表は今日だったんだ」
昨年11月末に候補者が発表されたが、そのことが報道された後1ケ月以上もほとんど「殿堂入り」は人口に膾炙していない。16日は、多くのファンが「(発表は」今日だったんだ」の想いだろう。結果発表日と翌日は、活字・電子媒体でそれなりに報じされるだろうが、それ以降ピタっと話題にならなくなるだろう。しかも、限られた報道も「結果」を伝えるのみで「論評」はほとんどない。もっと、「殿堂」について語ろう。