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【東京オートサロン】観客29万人越えの新記録!オートサロンで見た個性溢れるクルマたち

辻野ヒロシモータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト
東京オートサロン2014
東京オートサロン2014
東京オートサロン2014

千葉県・幕張メッセで1月10日(金)から12日(日)まで開催された「東京オートサロン(TOKYO AUTO SALON 2014 with NAPAC)」の観客動員数が三日間合計で29万6714人と発表された(前年は28万2659人)。幕張メッセ全館を使用した史上最大規模のチューニングカー&カスタムカーイベントは観客動員数も新記録を達成することになった。

2008年のリーマンショック以来、あちこちで聞かれた「クルマの時代は終わった」という意見。エコカー全盛の時代が到来し、ここ数年はクルマファンの嘆きの声が目立っていたが、このイベントの来場者数の増加を見ても分かる通り、クルマに興味を持つ人はいまだに多い。そして、観客層を見てみると、30歳代、40歳代の男性が圧倒的に多いものの、特に今年は20歳代の若い男性グループが増えた印象を持つ。そんな約30万人の観客が訪れた会場に展示されていた個性的なクルマをレポートしよう。

ひときわ目立ったラグジュアリーなカスタムカー

「東京オートサロン2014」の会場内には840台のチューニングカー、カスタムカー、レーシングカーが所狭しと並べられた。来場した観客のほとんどがスマートフォンやカメラ片手にお気に入りのクルマを撮影していたが、特に若者が足を止めていたのはラグジュアリーな雰囲気を放つカスタムカー。

ギャルソンD.A.Dブースのメルセデス
ギャルソンD.A.Dブースのメルセデス

若者に人気のドレスアップパーツブランド「ギャルソン D.A.D」のブースにはゴールドとシルバーのクリスタルがボディ全面とホイールにあしらわれたメルセデス「クリスタルベンツ」が展示されて大人気だった。何度も立ち寄って写真を撮るカップルの姿や写真を撮ってすぐにスマートフォンでSNSにアップする姿も。

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また、ヒョウ柄やショッキングピンク1色のランボルギーニなど、外国の高級スポーツカーのカスタムカーも人気の的になっていた。つい最近までは不景気に逆行するかのごとく、若者が到底手の届かない敷居の高そうな雰囲気のブース作りが目立っていたが、今年は高級ドレスアップ車の展示も親しみやすい雰囲気作りを行うブースが多かった印象をもつ。こういった派手なクルマはベース車両こそ高級車だが、若者達の愛車のドレスアップに対するインスピレーションを刺激するもの。近づき難い雰囲気よりも、写真を撮って、SNSにアップロードしてもらう。各ブースの展開を見ていると、そんな今の時代を反映した雰囲気が感じ取れる。

学生達のブース展開。振り切ったクルマに人気が集中

「東京オートサロン」にはここ数年、自動車系の専門学校の出展が目立つ。オートサロンの出展に向け、授業や研修の一環としてカスタムカーを自分たちの感覚でデザインし、製作する。

特に目立ったブース展開を行っていたのが地元・千葉県成田市の「NATS日本自動車大学校」のブース。広いスペースを確保したブースには学生達がカスタムした10台以上のクルマが展示され、学生達がスーツ姿で赤いネクタイを着用して説明員になり、来場者に熱くクルマ作りに対する思いを語っていた。

NATS日本自動車大学校の展示車両「Lightning NATseen」
NATS日本自動車大学校の展示車両「Lightning NATseen」

「NATS 日本自動車大学校」のブースで人気の的になっていたのは、映画「カーズ」の主役ライトニングマックイーンをモチーフにした「Lightning NATseen」。ベースは日産の180SXだそうで、非常によくできており、常に写真を撮る人だかりができていた。もちろん子供たちにも大人気で、遊び心溢れるクルマ作りの精神と来場者に語りかける学生達の活き活きとした笑顔が印象的で、今回のオートサロンで最も活気のあったブースと言える。ちなみにオートサロンの出展車両の中から人気投票で選ばれる「東京国際カスタムカーコンテスト」で同学校の車両「NATS EV-sports prototype02」が「ECOカー部門」で最優秀賞を獲得した。

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また、数多くの出展者のカスタムカーが並べられたスペースには、小さなスペースながらも学生自慢の面白いクルマも並べられていた。「GAUS 群馬自動車大学校」(伊勢崎市)のスペースには2億円の高級車ブガッティ・ヴェイロン風のカスタムカーが展示。トヨタMR2をベースにモデルカーを参考にして製作したそうで、既にサーキットでの走行テストを終え、ナンバー取得に向けて動いているとのこと。学生達は実車のヴェイロンを見た事がないそうだが、タブレットで制作過程の写真を来場者に披露しながら熱い気持ちを語っていた。こういった学生達が作るクルマはなかなか面白い。大人には無い、振り切った発想のクルマが人気を集め、彼らも多くの来場者と語り、きっと喜びを感じ取ったことだろう。社会に出てからもこの経験を活かしてぜひ頑張って欲しいものだ。

トラストの最強ドリフトマシンが最優秀賞

「東京オートサロン」の大きな見所のひとつに、チューニングカー、カスタムカーを製作する各企業の出展車両の中から、人気投票で選ばれる「東京国際カスタムカーコンテスト」がある。各出展企業はこのコンテストに向けて、1年かけてクルマのコンセプトを考え、製作する。もちろん有名なパーツメーカーや自動車メーカーから、普段は街の整備工場という小規模の出展社までその顔ぶれは様々。8部門の部門別に最優秀賞と優秀賞が発表された。

花形の「コンセプトカー部門」で最優秀賞を獲得したのは日産GT-Rをチューンナップし、最強のドリフトマシンに仕上げた「トラスト」の「GReddy 35RX spec-D」。富士スピードウェイで最高速333km/hを記録した35RXのドリフト仕様のマシンで、トップメーカーらしい見事な作り込みが目を引いた。「東京オートサロン」の期間中にはアメリカのトップインポートモデルのダニー・リエルさんも登場し、カメラのフラッシュと男性の熱い視線を集めていた。

トラストの「GReddy 35RX spec-D」とモデルのダニー・リエルさん
トラストの「GReddy 35RX spec-D」とモデルのダニー・リエルさん

こういったパーツメーカー、ドレスアップメーカーなどの状況も徐々に改善。エコカー全盛の時代、エンジンやコンピューターなどをチューンナップするのが難しくなった現代車の時代でもハイスペックなクルマを求める人や、ドレスアップで自分の1台を作りたいという人の興味は尽きない。何せよ840台も展示されたメガイベント「東京オートサロン」では来場者それぞれに印象に残った自分の1台があったのではないだろうか?

【東京オートサロン】

2014年1月10日(金)〜12日(日)に幕張メッセで開催された。今年で32回目を迎えたチューニングカー・カスタムカーのイベントで、規模が年々大きくなっている。海外からの来場者も多く、今や日本を代表する自動車ショーのひとつになっている。

観客動員数

10日(金) 63,155人

11日(土)104,616人

12日(日)128,419人

3日間合計 296,714人

モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト

鈴鹿市出身。エキゾーストノートを聞いて育つ。鈴鹿サーキットを中心に実況、ピットリポートを担当するアナウンサー。「J SPORTS」「BS日テレ」などレース中継でも実況を務める。2018年は2輪と4輪両方の「ル・マン24時間レース」に携わった。また、取材を通じ、F1から底辺レース、2輪、カートに至るまで幅広く精通する。またライター、ジャーナリストとしてF1バルセロナテスト、イギリスGP、マレーシアGPなどF1、インディカー、F3マカオGPなど海外取材歴も多数。

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