Yahoo!ニュース

ホンダF1マシン、総勢28台が続々と鈴鹿入り!圧巻の光景!

辻野ヒロシモータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト
鈴鹿サーキットに並べられた歴代ホンダF1マシンの数々

今シーズンからF1に復帰するホンダ。そのホンダの歴代F1マシンが続々と鈴鹿サーキット(三重県)に集結しはじめている。その理由とは、3月7日(土)8日(日)に同サーキットで恒例の「モータースポーツファン感謝デー」が開催されるためだ。今年のテーマは「ホンダF1復活祭」で、ホンダの3期に渡るF1活動の歴史的マシンが一堂に会し、そのうち1980年代、90年代にF1を席巻したマクラーレン・ホンダのマシン3台はデモンストレーション走行も行われる。

画像

第1期F1活動

1966年のマシン、ホンダRA273
1966年のマシン、ホンダRA273

ホンダはこれまで3度、トータル24年間もの間、F1世界選手権に挑戦している。今シーズンの「マクラーレン・ホンダ」としての参戦で25年目となり(無限ホンダとしてのエンジン供給を含めると30年以上)、その歴史は国内自動車メーカーの中で唯一無二のものと言えよう。

第1期F1活動は1964年(昭和39年)から1968年(昭和43年)までの5年間。日本人がF1という最高峰レースの存在をほとんど知らない時代に参戦していたことも凄いが、それ以上に当時のホンダは4輪車をまだ販売し始めたばかり。そんな状況下でも、鈴鹿サーキットでテスト走行を繰り返し、マシンをヨーロッパに空輸してF1を戦い、2回の優勝を飾っている。

「葉巻型」といわれる前方にラジエーターを配置するシンプルなレーシングカーは現代のF1のイメージとは大きく異なるが、車の性能を極限まで突き詰めたF1の世界で、独自のアイディアを駆使して戦った歴史は決して風化させてはいけない、価値あるものだ。

第2期F1活動

栄光の第2期活動のはじまり、スピリット・ホンダも展示される。
栄光の第2期活動のはじまり、スピリット・ホンダも展示される。

第2期は1983年(昭和58年)から1992年(平成4年)まで。この時代は第1期と異なり、既存のチームへエンジン供給という形での参戦だった。F1の一つ下のレース、F2でノウハウを蓄積したターボエンジンを83年から「スピリット」に供給。そして翌年からは名門「ウィリアムズ」とタッグを組み、「マクラーレン」「ロータス」などのトップチームにエンジンを供給し、栄光の時代を築いた。

当時はバブル全盛の時代であり、1987年からF1日本グランプリが鈴鹿で開催されるようになり、フジテレビがF1全戦中継を開始するなどもあって、世間を巻き込んだF1ブームが到来した。アイルトン・セナやアラン・プロストなどの「マクラーレン・ホンダ」のドライバーたちがテレビCMに多数出演。また、芸能人がF1好きを公言して、バラエティ番組でF1の話をするなど、お茶の間にF1の話題が溢れかえった不思議な時代だった。

第2期F1活動のマシンは思い出深い人も多いはず。
第2期F1活動のマシンは思い出深い人も多いはず。

第3期F1活動

第3期の活動は2000年(平成12年)から2008年(平成20年)まで。栄光の第2期の期待を背に、当初は第1期と同じく車体も製作するフル・コンストラクターとしてのワークス参戦を模索していたが、新興の「B.A.R」チームへのエンジン供給という形に落ち着く。世間の期待を受けつつも、F1は第2期の時代とは様変わりし、エンジンの力だけでは勝利を掴めない時代になっていた。車体ノウハウ蓄積による高い技術力を持った有力な車体製造メーカー(コンストラクター/チーム)には既にパートナーが居た。かつての盟友「マクラーレン」はメルセデスと、「ウィリアムズ」はBMWと組み、トヨタやルノーなど世界中の自動車メーカーがワークス参戦した時代に、歴史の浅い「B.A.R」では太刀打ちできなかった。

そこで2006年からは車体も製造するコンストラクター「ホンダ」としてワークス参戦。ジェンソン・バトンが1勝を飾るも、それ以降は惨憺たる成績に終わり、リーマンショックの不況到来と共にホンダは失意のまま、F1から撤退した。

第3期F1活動のマシンも並べられる(イベントの準備風景)。
第3期F1活動のマシンも並べられる(イベントの準備風景)。

そんな栄枯盛衰の歴史を彩ってきたマシンたちは、例え、負の歴史のマシンであっても、ツインリンクもてぎ(栃木県)にある「ホンダコレクションホール」で保存されている。そのマシンのほとんどが、テスト走行を含めてかつて走った鈴鹿サーキットにやってきたのだ。今回は1999年の第3期活動のテスト車両「Honda RA099」など、なかなか展示されることが少ないマシンも登場する。これだけの歴代F1マシンが展示される機会は、おそらく、そうそう無いと思う。

モータースポーツ実況アナウンサー/ジャーナリスト

鈴鹿市出身。エキゾーストノートを聞いて育つ。鈴鹿サーキットを中心に実況、ピットリポートを担当するアナウンサー。「J SPORTS」「BS日テレ」などレース中継でも実況を務める。2018年は2輪と4輪両方の「ル・マン24時間レース」に携わった。また、取材を通じ、F1から底辺レース、2輪、カートに至るまで幅広く精通する。またライター、ジャーナリストとしてF1バルセロナテスト、イギリスGP、マレーシアGPなどF1、インディカー、F3マカオGPなど海外取材歴も多数。

辻野ヒロシの最近の記事