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ホームラン・ダービーの新フォーマットが発表。史上初の3連覇がかかる今年は最初から1対1のトーナメント

宇根夏樹ベースボール・ライター

オールスター・ゲームの前日、7月13日に開催されるホームラン・ダービーの新フォーマットが、6月28日にMLB機構から発表された。フォーマットの変更は、昨年を含め、過去にも何度か行われている。

今年は、最初のラウンドから1対1の勝ち残り、シングル・イリミネーション・トーナメントとなる。

ラウンド1の組み合わせは、7月7日時点のホームランの本数(シーズン)によって決まる。出場8選手中1位vs8位、2位vs7位、3位vs6位、4位vs5位だ。同じ本数の場合は、6月15日以降に多く打っている方が上位のシードとなる。それも同数なら、コインを投げて決める。

対戦する2選手のうち、シードが上位の選手が後から打つ。ラウンド2の組み合わせは、1位/8位の勝者vs4位/5位、2位/7位vs3位/6位で、それぞれの勝者がラウンド3(決勝)へ進む。

また、これまではアウト(ホームラン以外)が一定数に達すると打撃終了だったが、今年はそうではなく、時間に制限がかかる。1選手の持ち時間は、1ラウンドにつき5分。初球が投げられた時点から秒読みが始まる。残り1分となってからホームランを打つと秒読みは止まり、次にホームラン以外の当たりを打つか、あるいは空振りするまで、持ち時間は減らない。

ボーナス・タイムもあり、420フィート(約128.0m)以上のホームランを2本以上打つと1分、475フィート(約144.8m)以上のホームラン1本以上で30秒が追加され、持ち時間は最大で1分30秒増える。ホームランの飛距離は、レーダーシステムと光学カメラを用いたシステム「スタットキャスト」で計測される。

持ち時間を終えた時点で2選手のホームランが同数の場合は、さらに90秒ずつ打って勝者を決める。この時は、秒読みの停止もボーナス・タイムもない。それでも同数であれば、それぞれ3スウィングずつして、決着するまでこれを繰り返す。

後攻のホームランの本数が先攻を上回った時点で勝敗は決まり、持ち時間の残りがあっても、打ち止めとなる。選手はラウンドごとに1回、45秒のタイム・アウトを要求できる。

なお、出場選手はまだ決まっていないが、6月28日時点で両リーグ最多のホームラン27本を打っているジャンカルロ・スタントン(マイアミ・マーリンズ)は骨折していて出られず、24本で3位タイのブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)も、確定ではないものの欠場の意向を示している。

一方、ヨセニス・セスペデス(デトロイト・タイガース)はホームラン10本ながら、出場しないということはあるまい。セスペデスには史上初の3連覇がかかっていて、達成すれば、優勝回数でも最多のケン・グリフィーJr.(1994年、1998~99年)に並ぶ。ちなみに、グリフィーは2000年も出場して決勝戦まで進んだが、サミー・ソーサに敗れて3連覇を逃した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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