メッツはワールドシリーズで負けられない。来年、目の前で優勝リングが渡されるのを阻止するためにも
今年のワールドシリーズは、ニューヨーク・メッツとカンザスシティ・ロイヤルズが対戦する。そして、この両チームは来年の開幕カードでも顔を合わせる。ロイヤルズがカウフマン・スタジアムにメッツを迎え、4月4日と6日に試合を行う。
過去に、ワールドシリーズを戦った2チームが、翌年の開幕戦で対戦したことは一度もない。各リーグが奇数の15チームずつになったのは2013年から。それまでは異なるリーグのチームが開幕カードで当たることはなく、1996年まではインターリーグそのものが存在しなかった。
メッツは今年のワールドシリーズに敗れると、来年の開幕カードで、ロイヤルズが球場に掲げる優勝旗を目にすることになる。もしかすると、ロイヤルズのメンバーがチャンピオン・リングを手にするのにも、立ち会わなければならないかもしれない。
今年、サンフランシスコ・ジャイアンツは4月18日にチャンピオン・リングの授与式を行った。これは、ホームでの最初のカードではなく、2カード目だった。月曜日のホーム・オープナー(ホーム開幕戦)から数えて6試合目だ。ジャイアンツは平日を避け、土曜日を選んだということだろう。ここ5年、チャンピオン・リングは金・土・日のいずれかに渡されている。来年の4月4日と6日は、月曜日と水曜日だ。ロイヤルズがチャンピオン・リングを授与するのは――もちろん、これから始まるワールドシリーズを制した場合だが――メッツとの開幕カードではなく、続いて4月8~10日に行うミネソタ・ツインズとの3連戦という可能性もある。こちらの曜日は金・土・日だ。
ただ、2005年以降に催された11度のチャンピオン・リング授与式のうち、ホームでの最初のカードでなかったのは2015年だけだ。曜日も、2005~10年に関しては月・火・水のいずれかだった。
もっとも、ワールドシリーズに出場した選手が、翌年の開幕も同じチームで迎えるとは限らない。ニューヨーク・ヤンキースは2010年4月13日にチャンピオン・リングを授与し、松井秀喜もこの時にリングを手にしたが、ピンストライプのユニフォームは着ておらず、ヤンキー・スタジアムに来ていたのは、試合で対戦するロサンゼルス・エンジェルスの選手としてだった。また、2014年はロイヤルズ、2015年はジャイアンツでプレーした青木宣親のように、ワールドシリーズで対戦したチームに移り、そこで新たなチームメイトがチャンピオン・リングを受け取るのに立ち会った例もある。青木も4月下旬にリングをもらっているが、これはリーグ優勝の記念であって、それはそれで素晴らしいものの、ワールドチャンピオンのリングとは重みが違う。
青木と同じく、ジャスティン・マックスウェルも2014年のシーズン終了後にロイヤルズからジャイアンツへ移籍した。マックスウェルは前年のポストシーズンではロースターに入っていなかったが、レギュラーシーズンで20試合に出場しており、青木とともにリーグ優勝のリングを手にした。ジャイアンツが試合前にチャンピオン・リングの授与式を行ったその日、青木は2安打を放ち、代打で起用されたマックスウェルもヒットを打った。
今年のワールドシリーズのロースターに入るであろうメッツの選手では、ヨエニス・セスペデス、ダニエル・マーフィー、バートロ・コロン、タイラー・クリッパードが、オフにFAとなる。ロイヤルズではベン・ゾブリスト、ジョニー・クエイト、クリス・ヤング、ライアン・マドソン、フランクリン・モラレスがそうだ。ロイヤルズには来シーズンの契約がオプションの選手もいる。アレックス・ゴードンは選手オプション、アレックス・リオスは相互オプション、アルシデス・エスコバーとウェイド・デービスは球団オプションだ。
なお、メッツは来年、4月4日と6日にロイヤルズと試合をした後、ホームのシティ・フィールドに移動して、8日から10日までフィラデルフィア・フィリーズと対戦する。こちらの曜日は金・土・日なので、メッツがワールドチャンピオンに輝いた場合は、この3日間のいずれかでチャンピオン・リングの授与式を行うはずだ。