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年齢を超越した男たち。51歳のボンズはホームラン競争を制し、現役最年長のコロンもまさかのアーチ

宇根夏樹ベースボール・ライター
バートロ・コロン(ニューヨーク・メッツ)Sep 29, 2015(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

マイアミ・マーリンズのバリー・ボンズ打撃コーチが、往年のパワーを見せつけた。3月16日の打撃練習中に行ったホームラン・コンテストで、選手たちに勝ったという。シリウスXMラジオのクレイグ・ミシュがツイッターで報じた。

ボンズは選手時代に762本のホームランを記録している。これは史上最多だ。とはいえ、最後の1本は9年も前のことで、現在は51歳になっている。ステロイド疑惑に関しては限りなくクロに近いが、もし現在も摂取しているとしても、現役選手を上回る打棒を発揮できる年齢ではないだろう。マーリンズの選手が力不足だったということではない。コンテストにはジャンカルロ・スタントンも参加していたそうだ。

現役最年長の選手も負けていない。ボンズの2日前には、ニューヨーク・メッツのバートロ・コロンが打撃練習でホームランを放った。こちらは、ニューズデイのマーク・カリーグがツイートしている。そのツイートを受け、CBSスポーツは「あり得ないことが起きた:バートロ・コロンがホームランを打った」と題した記事をアップした。

打撃練習のフェンス・オーバーくらいで驚くなよ、と思うかもしれない。だが、コロンは投手だ。なかには、マディソン・バムガーナ―(サンフランシスコ・ジャイアンツ)のように打撃が得意な投手もいるが、コロンはその対極に位置していて、メジャーリーグでもマイナーリーグでも、ホームランを打ったことはない。しかも、5月には43歳を迎える(イチローも同じ1973年生まれだが、コロンの方が5ヵ月早い)。昨年12月にコロンとメッツが交わした1年725万ドルの契約にはアウォード・ボーナスがついていて、サイ・ヤング賞やゴールドグラブの受賞、オールスター・ゲーム選出などの他に、シルバースラッガー受賞のボーナスもあるが、これはどう見てもジョークだ。

ただ、コロンはここ2シーズン、ヘルメットが脱げ落ちるほどのフルスウィングをして、結果は空振りながら観客を沸かせている。さすがにシルバースラッガーは無理にしても、今シーズンはそのスウィングでボールをスタンドに叩き込み、観客を熱狂させるかもしれない。42歳あるいは43歳の初ホームラン。ぜひ目にしてみたいものだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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