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パドレスが喫した開幕3連続完封はMLB初の屈辱だが、相手のドジャースが演じた3連続完封は2度目。ん?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ペトコ・パーク Apr 4, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

ペトコ・パークで行われた開幕シリーズは、一方的な結果に終わった。3試合それぞれの得点は、サンディエゴ・パドレスが0点、0点、0点、ロサンゼルス・ドジャースは15点、3点、7点。パドレスは、クレイトン・カーショウ、スコット・キャズミアー、前田健太に封じられただけでなく、ドジャースのリリーフ陣からも得点できず、開幕から3試合続けて完封を喫した史上初のチームとなった。

けれども、ドジャースが演じた開幕3連続完封は、史上初ではなく2度目だ。同じカードの敗者と勝者なのに、史上初と2度目? 即座にわかった人は、私よりも優れた灰色の脳細胞を――そのことは何の自慢にもならないが――持っている。

種を明かせば、実にシンプルだ。1963年のセントルイス・カーディナルスは開幕から3試合続けて完封勝利を挙げたが、最初の2試合はニューヨーク・メッツが相手で、3試合目はフィラデルフィア・フィリーズ戦だった。この年のカーディナルスは4試合目に敗れたものの、開幕32イニング連続無失点の記録も樹立した。今シーズンのドジャースも、サンフランシスコ・ジャイアンツと対戦した4試合目に敗れ、開幕からの連続無失点はカーディナルスに1イニング及ばなかった。

パドレスとドジャースは、今シーズンの戦力からしても差がある。ただ、対照的なスタートを切ったとはいえ、まだシーズンは始まったばかりだ。1963年のナ・リーグで、開幕から2試合続けて完封されたメッツは111敗を喫してリーグ最下位――当時は地区制がなく10チームでリーグ優勝を争っていた――に沈んだが、開幕3完封を演じたカーディナルスはドジャースと6ゲーム差の2位にとどまった。

パドレスの今シーズン4試合目は、4月8日(日本時間9日)に予定されている。対戦相手はコロラド・ロッキーズに変わり、舞台もクアーズ・フィールドに移る。この球場では、滅多に完封は起きない。昨シーズン、ペトコ・パークで完封が15試合あったのに対し、クアーズ・フィールドでは7月21日と8月16日の2試合しかなかった(後者はパドレスが封じられた)。また、先発マウンドに立つロッキーズのジョーダン・ライルズは、ドジャースが繰り出した先発投手3人ほどの難敵ではない。昨シーズンの10先発中、無失点だったのは打球を右手に受けて1イニングで降板した1試合だけだ。2014年の22先発に無失点の試合はなかった。

【追記:4月9日】

パドレスは4月8日、4回表に6点を挙げるとその後も得点を重ね、13対6でシーズン初勝利を挙げた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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