ビッグ・マック効果? 監督に代わってマグワイアが指揮を執った途端にホームランがポンポン飛び出す
開幕から13試合を終えた時点で、サンディエゴ・パドレスのチーム本塁打は9本に過ぎなかった。コロラド・ロッキーズのトレバー・ストーリーより2本多いだけだ(ストーリーは7本塁打中3本をパドレスの投手から打った)。しかし、14試合目の4月19日は違った。4回裏からの2イニングで、パドレス打線は3本塁打を叩き込んだ。
この試合は、3回表にアンディ・グリーン監督がボークを巡る判定に抗議して退場に。そこからは、ベンチ・コーチのマーク・マグワイアが指揮を執った。もちろん、指揮官がグリーンからマグワイアに代わった途端にホームラン3本が飛び出したのは偶然だろう。ただ、グリーンは選手時代に2本塁打しか打っていない。2007年にプレーした北海道日本ハム・ファイターズでは、18試合に出場して本塁打はなかった。一方、「ビッグ・マック」ことマグワイアの本塁打は歴代10位の583本だ。FOXスポーツのクリス・バーは「次にパドレスがスランプに陥った時に、グリーンが短気を起こしても不思議ではない」とジョークで記事を締めくくっている。
マグワイアが監督の役割を務めるのは、これが初めてだ。コーチ歴は7年目になるが、過去6年はセントルイス・カーディナルス(2010~12年)とロサンゼルス・ドジャース(2013~15年)で打撃コーチをしており、監督代行の機会はなかった。マグワイアはステロイドを使用したことで、殿堂入り投票では10年続けて25%未満の得票――殿堂入りには75%以上が必要――にとどまり、投票にかかる資格を失ったが、いつか、監督として殿堂に迎え入れられる日が来るかもしれない。監督に就任する可能性は、今シーズンからマイアミ・マーリンズの打撃コーチとなったバリー・ボンズ(762本塁打)よりも高いだろう。これは、2人のキャラクターの違いによる。選手時代に薬物を使用した監督は、すでに誕生している。アリゾナ・ダイヤモンドバックスのマット・ウィリアムズ三塁コーチ(378本塁打)は、2014~15年にワシントン・ナショナルズの監督を務めた。