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元楽天のゴームズはどうなる? 引退か現役続行か、二転三転する報道

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョニー・ゴームズ(当時アトランタ・ブレーブス)Apr 12, 2015(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

東北楽天ゴールデンイーグルスは、5月6日にジョニー・ゴームズの退団を発表した。その後、ゴームズの進退に関する報道は、二転三転している。

FOXスポーツのケン・ローゼンタールは5月10日の記事で、「プレーしたい」というゴームズ自身の言葉を報じた。

それに対し、SBネイションのクリス・コッティーロは5月25日に「ゴームズの意向を知る関係者によれば、彼は引退することに決めた」と記した。

すると、数時間後には、ボストンのラジオ局WEEIのロブ・ブラッドフォードが「たった今ゴームズと話したところ。彼は引退しない」とツイートした。

さらに、ブラッドフォードのツイートを受け、コッティーロは記事をアップデートした。そこには「ゴームズが引退報道を公に否定したのは理解できる、すべての選択肢を今後に残しておくためだろう」と書いてある。

実際のところは、どうなのか。

本人の意志――たぶん、コッティーロのアップデートが正解だろう――はともかく、再びメジャーリーグでプレーすることはないと見る。楽天でプレーし、ちょうど2年前に帰国したケビン・ユーキリスのように、このまま引退するのではないだろうか。

楽天で記録した打率.169、1本塁打、OPS.526という成績は、18試合とサンプルが少ないので別にしても、ゴームズは過去2年ともOPS.660以下に終わっている。35歳のゴームズとメジャーリーグ契約を交わす球団はないだろう。マイナーリーグ契約を結んでも、メジャーリーグに昇格できる可能性は高くない。

ただ、ゴームズはこれまでに何度も死にかけている。自動車事故の際、同乗していた友人は命を落とした。寝袋が火に包まれたり、心臓発作に見舞われたこともある。ロサンゼルス・ドジャースのアナウンサー、ビン・スカリーは昨シーズンの試合中に、少年時代のゴームズが狼に襲われたエピソードを披露した。

ゴームズがメジャーリーガーとして甦っても、不思議ではないのかもしれない。ESPNは2013年に「E:60」という番組でゴームズを取り上げた時、「デッド・マン・ウォーキング」と銘打った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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