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ダルビッシュ復帰戦のロースターは、前回登板から5分の4が入れ替わり。2014年は塀の中にいた選手も

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ/中央)APRIL 4, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

トミー・ジョン手術の前に、ダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)が最後に投げたのは、2014年8月9日だった。ダルビッシュが復帰した2016年5月28日の25人ロースターに、当時と同じ選手は、ダルビッシュの他、コルビー・ルイスエルビス・アンドゥルースエイドリアン・ベルトレーの3人と、ホゼ・バティスタ(トロント・ブルージェイズ)にパンチを見舞って出場停止中のルーグネッド・オドーアしかいない。

ロースターから姿を消した20人中、6人は今もレンジャーズにいる。3人がマイナーリーグでプレーしていて、2人はDL(故障者リスト)入り。ショーン・トールソンは、父の容態が悪く、ファミリー・メディカル・エマージェンシー・リストに入り、チームを離れている。一方、2014年8月9日のロースターにおらず、2016年5月28日のロースターにいる20人のうち、11人は2014年当時もレンジャーズに在籍していた。プリンス・フィルダーら5人はDLに入っていて、ノマー・マザーラら6人はメジャーデビュー前だった。

退団した選手(14人)と入団した選手(9人)が入れ替わったトレードはないが、現在のロースターにいる捕手2人の動きは交差している。昨年7月にタンパベイ・レイズから加入したボビー・ウィルソンは、今年3月に他1名とともにデトロイト・タイガースへ放出された。その際の交換相手は、ブライアン・ホラデイだった。ウィルソンは5月のトレードでレンジャーズへ戻り、ホラデイとスタメンマスクを分け合っている。

マイルズ・マイコラスはレンジャーズから読売ジャイアンツへ移り、トニー・バーネットは東京ヤクルトスワローズからレンジャーズへ移ってきた。昨シーズン、2人はともに日本で投げ、CSファイナルステージの第2戦ではどちらもマウンドに上がった。ジム・アドゥーシーは現在、韓国のロッテ・ジャイアンツにいる。彼の同名の父(ジム・アドゥチ)は、1987年に横浜大洋ホエールズでプレーした。

ダルビッシュと同じく、トミー・ジョン手術を受けた投手もいる。ネイト・アドコックは2014年のオフにシンシナティ・レッズへ移り、昨年8月にトミー・ジョン手術を受けた。現在はボルティモア・オリオールズにいて、まだマイナーリーグでも登板はしていない。

最も大きく環境が変わったのは、5月13日に30歳でメジャーデビューしたマット・ブッシュだ。「堕ちたトップピック・コンビ結成!? 出所したドラフト全体1位がレンジャーズに入団」で書いたとおり、ブッシュは2014年当時、どの球団にも在籍していないのみならず、飲酒運転中に起こした轢き逃げ事故によって塀の中にいた。

なお、もう一人の堕ちたトップピックであるジョシュ・ハミルトンは、再び左膝の手術を受けてシーズン全休となることが決まっており、ブッシュとの揃い踏みは来シーズンに持ち越された(揃う日が来るのだろうか?)。2人は同時期にAAにいたが、ハミルトンが唯一出場した4月30日の試合に、ブッシュは登板しなかった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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