4番打者がセーフティ・バント。2000年以降のポストシーズンでは2度しかないが……
ナ・リーグのチャンピオンシップ・シリーズ第4戦で、シカゴ・カブスは4回表に4点を挙げた。その導火線に火を点けたのは、先頭打者のベン・ゾブリストだ。3イニングを無安打に抑えていたフリオ・ウリーアス(ロサンゼルス・ドジャース)を相手に、ゾブリストはセーフティ・バントを決めた(もともとの写真では、右足の下にボールが見えているが、どうトリミングしてもボールと顔の両方を入れることができなかった)。
7月以降、ゾブリストは4番を打つことが多く、この試合でも4番に座っていた。ESPNのジェシー・ロジャースは「ESPNのスタッツ&インフォメーションによると、2000年以降のポストシーズンにおける4番打者のセーフティ・バントは、今回の他に、タンパベイ・レイズとテキサス・レンジャーズが対戦した2011年のア・リーグ・ディビジョン・シリーズ第1戦だけ」と書いている。
それだけでも珍しいが、ロジャースはさらにこう続けている。「その時の打者は? ベン・ゾブリスト」
そう、2度ともゾブリストによるものだ。その上、ゾブリストは2011年当時も、ジョー・マッドン監督の下でプレーしていた。そういったことをドジャースが知っていれば、バント安打は防げたかもしれない。もし、知っていながら決められたのなら、お粗末と言うべきだろう。
翌日の第5戦で、カブスは3番打者のアンソニー・リゾーがセーフティ・バントを成功させた。それに対し、ドジャースでは8番打者のジョク・ピーダーソンと6番打者のエイドリアン・ゴンザレスがセーフティ・バントを試みたが、いずれもアウトに仕留められた。
ゴンザレスはレギュラーシーズンの111試合で4番を打ち、前日までのポストシーズン9試合中7試合でも、4番に座っていた。二塁手の前に転がしたバント自体は悪くなかったものの、いかんせん、ゴンザレスは足が遅すぎた。