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「山羊の呪い」は解けるのか。「バンビーノの呪い」を解きし者たちが、今年のワールドシリーズでは敵味方に

宇根夏樹ベースボール・ライター
フランコーナ(左端)とエプスティーン(左から2人目)Oct 15, 2004(写真:ロイター/アフロ)

シカゴ・カブスが4勝2敗でロサンゼルス・ドジャースを下し、リーグ優勝を決めた。カブスのワールドシリーズ進出は、1945年の「山羊の呪い」以来、実に71年ぶりのことだ。もっとも、1908年を最後に1世紀以上も遠ざかるワールドシリーズ制覇を果たさなければ、カブスは真の意味で呪いを解いたことにならないだろう。

10月25日から始まるワールドシリーズで、カブスはクリーブランド・インディアンスと対戦する。この両チームにはそれぞれ、かつて、呪いを解くのに大きな役割を果たした人物がいる。

今から12年前、ボストン・レッドソックスは86年ぶりにワールドシリーズを制し、「バンビーノの呪い」を葬り去った。当時、GMとその補佐だったセオ・エプスティーンジェド・ホイヤーは、現在、カブスでベースボール運営部門の責任者とGMを務めている。一方、監督だったテリー・フランコーナは、インディアンスの監督として采配を揮っている。

「ゴーストバスターズ」ならぬ「カースバスターズ(Curse=呪い)」が、今回は敵味方に分かれて戦う。彼らがフィールドに出て実際にプレーするわけではないが、エプスティーンとホイヤーが作り上げたチームが、フランコーナ率いるチームとぶつかるというのは、何やら因縁めいたものを感じさせる。

また、「山羊の呪い」や「バンビーノの呪い」ほど有名ではなく、ややこじつけのきらいもあるものの、数日前に「今秋のワールドシリーズは「ワールドチャンピオンから最も長く遠ざかる2チーム」がぶつかる!?」で書いたとおり、インディアンスにも「ロッキー・コラビトの呪い」がかけられている。

なお、まったくの余談ながら、映画「ゴーストバスターズ」に出演したビル・マーレイは、カブスの熱烈なファンだ。今年のリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでも、リグリー・フィールドでカブスを応援していた。来たるワールドシリーズにおいても、きっと姿を見せるに違いない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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