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ドジャースの新人王は連続する!? 前回は野茂英雄を含む5年連続。その前も4年続いた

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・ピアッツァ(左)とチッパー・ジョーンズ 1997(写真:ロイター/アフロ)

2016年のナ・リーグ新人王は、ロサンゼルス・ドジャースのコリー・シーガーが受賞した。ドジャースの選手が新人王に選ばれるのは20年ぶりだが、1947年のジャッキー・ロビンソンから今年のシーガーまで、受賞者は17人を数える。次いで多いニューヨーク・ヤンキースとオークランド・アスレティックスは8人。両チームの人数を足しても、ドジャースには及ばない。

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ドジャースは前回、1992年から1996年にかけて新人王を独占した。エリック・ケアロスマイク・ピアッツァラウル・モンデシー野茂英雄トッド・ホランズワースの5人だ。ドジャースはその前も、1979年のリック・サトクリフを皮切りに、スティーブ・ハウフェルナンド・バレンズエラスティーブ・サックスと4人続けて新人王を輩出した。

今回の場合も、シーガーに続く新人王が出てきてもおかしくなかった。2016年のシーズンが始まった時点では、シーガーとフリオ・ウーリアスが連続受賞するというシナリオは、まんざら絵空事ではなかった。

シーズン前に発表されるプロスペクト・ランキングからも、そのことは窺える。例えば、ベースボール・アメリカはここ3年、シーガーを全体37位→5位→1位、ウーリアスを51位→10位→4位としてきた。ベースボール・プロスペクタスとMLB.comのランキングでも、2人の順位は似たような推移を辿っている。

ただ、ウーリアスは5月に19歳でメジャーデビューし、77.0イニングを投げ、来シーズン以降の新人王資格を失った。2016年のデビューは予想どおりながら、時期はもう少し遅いはずだった。先発投手の相次ぐ故障がなければ、50イニングを超えることもなかったに違いない。

もちろん、トップ・プロスペクトではないルーキーが受賞することもあるし、シーガーやウーリアスほどではないとはいえ、ドジャースは他にもプロスペクトを擁している。だが、連続受賞の可能性は明らかに減った。

なお、ナ・リーグ最優秀監督にはデーブ・ロバーツが選ばれ、ドジャースでは1983年と1988年のトミー・ラソーダに続く2人目の受賞者となった(1983年~)。ロバーツにとっても、2016年は監督としてのルーキーシーズンだった。こちらはルーキーだけが対象ではないので、ロバーツが続けて受賞することもできる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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