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Dバックスの「20本塁打&30盗塁デュオ」は史上6組目。過去には「トリプルスリー・デュオ」も

宇根夏樹ベースボール・ライター
P.ゴールドシュミット(左)とJ.セグーラ Jun 21, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

アリゾナ・ダイヤモンドバックスのシーズン・サマリーには、こう記してある。

ポール・ゴールドシュミットジーン・セグーラは同じシーズンに30盗塁以上を決めた史上初のDバック・デュオだ。

◆加えて、ゴールドシュミットとセグーラは同じシーズンに20本塁打以上&30盗塁以上を記録したメジャーリーグ史上6組目のチームメイトだ。

「30-30」ではなく「20-30」とは半端な気もするが、Dバックスのシーズン総括なのだからしょうがない。ゴールドシュミットは24本塁打&32盗塁、セグーラは20本塁打&33盗塁で、2人とも30-30はもちろん、25-25にも届かなかった。

Dバックスは過去の5組も掲載しているものの、選手名、シーズン、チームしかなく、それぞれの本塁打と盗塁の数は出ていない。気になったので、過去5組のなかに「30-30デュオ」はいるのかを調べてみた。

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表のとおり、「30-30デュオ」は2組いて、1987年にニューヨーク・メッツ、1996年にコロラド・ロッキーズで“結成”されている。

1組目のハワード・ジョンソンダリル・ストロベリーについては、何ら不思議はない。ジョンソンは1989年と1991年も30-30を達成しており、これはボビー&バリー・ボンズ親子の各5度とアルフォンソ・ソリアーノの4度に次いで多い。ストロベリーの30-30は1度きりだが、その年を含め、1984年から1988年にかけて、25-25を5シーズン続けた。1988年は39本塁打&29盗塁を記録し、前年に続く2度目の30-30まであと一歩に迫った。

一方、2組目のエリス・バークスダンテ・ビシェットは趣きが異なる。彼らは日本流に言えば「トリプルスリー・デュオ」だが、この1996年を除くと、どちらも25-25すらなく、20-20もそれぞれ1度あるだけだ。

3組目の「30-30デュオ」はなかなか出てこないだろう。単独の30-30でさえ、2012年のマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)とライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブルワーズ)を最後に途絶えている。2016年に25-25を記録したのも、トラウト、ウィル・マイヤーズ(サンディエゴ・パドレス)、ムーキー・ベッツ(ボストン・レッドソックス)の3人だけだ。また、セグーラは11月にシアトル・マリナーズへ移り、ゴールドシュミットとのデュオは1シーズンで“解消”された。

ちなみに、「30-30デュオ」を擁しても、チームが勝てるわけではないようだ。6組のうち、ポストシーズン進出を果たしたのはジェフ・バグウェルクレイグ・ビジオしかいない。ゴールドシュミット&セグーラを含め、3組の在籍チームは負け越してシーズンを終えた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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