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イチローに続いて3000安打に到達するのは誰? 史上31人目と32人目は決まり。そして33人目は

宇根夏樹ベースボール・ライター
A.ベルトレー(左)とA.プーホルス(とN.クルーズ)OCT 20, 2011(写真:ロイター/アフロ)

2016年は、イチロー(マイアミ・マーリンズ)が史上30人目の3000安打に到達した。それに続き、2017年は31人目、2018年は32人目が誕生しそうだ。エイドリアン・ベルトレー(テキサス・レンジャーズ)は3000安打まで58安打、アルバート・プーホルス(ロサンゼルス・エンジェルス)は175安打としている。

ベルトレーは1999年以降、最も少なかった2009年でも119安打を記録した。2016年は開幕からスタメン出場を続け、54試合目にシーズン58本目の安打を打った。それと同じであれば、Xデーは5月31日にホームで行われるタンパベイ・レイズ戦となる。

プーホルスは2001~10年に175安打以上を打ち続けたが、その後は一度も届くことなく、直近2シーズンは160安打未満に終わっている。3000安打に辿り着くのは、2018年のシーズン序盤だろう。プーホルスが2017年に打ち立てる金字塔は、史上9人目の600本塁打だ。到達まではあと9本塁打。ちなみに、3000安打&600本塁打は、ウィリー・メイズハンク・アーロンアレックス・ロドリゲスの3人しか成し遂げていない。

ベルトレーとプーホルスの後ろには、2617安打のカルロス・ベルトラン(ヒューストン・アストロズ)、2519安打のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)、2455安打のジミー・ロリンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)、2210安打のロビンソン・カノー(シアトル・マリナーズ)が続く。

残り本数からすれば、33人目の3000安打はベルトランだろう。ただ、近年の安打数からすると、到達には3シーズンかかる。2019年までプレーしなければならない。ベルトランは今年4月に40歳を迎える。今年あるいは来年に自身初のワールドシリーズ優勝を果たせば、そこで選手生活にピリオドを打つ気もする。ベルトランはすでに、スイッチヒッターでは唯一の400本塁打&300盗塁を記録している(300本塁打&300盗塁のスイッチヒッターも皆無)。

カブレラも、3000安打には少なくとも3シーズンを要するが、こちらは4月で34歳だ。8年2億4800万ドルの契約は、2023年まで残っている(2024~25年はオプション)。33人目の3000安打は、ベルトランではなく、カブレラであってもおかしくない。

ロリンズは昨年6月にシカゴ・ホワイトソックスから解雇され、その後は無所属のまま過ごした。12月にジャイアンツと交わしたのは、マイナーリーグ契約だ。38歳の年齢を併せて考えると、あと545安打は――打ってほしいとは思うが――かなり厳しい。また、カブレラがカノーに追い抜かれることは、まずないだろう。2人は、年齢もこれまでの安打のペースも、ほぼ同じ。現在の契約が2013年まで続く点も共通している。安打数の差は、カブレラが2年早くメジャーデビューしたことによる。

なお、イチローの前年には、ロドリゲスが3000安打に達している。2017年にベルトレーが到達すれば、3年続けて3000安打クラブの会員が生まれ、1999~2001年の連続に並ぶ。この時は、1999年にトニー・グウィンSr.ウェイド・ボッグス(2人の3000本目は1日違い!)、2000年にカル・リプケンJr.、2001年にリッキー・ヘンダーソンが入会した。今回はベルトレーにとどまらず、2018年はプーホルス、2019年はカブレラかベルトラン(あるいは2人揃って)とさらに続いていくかもしれない。

現時点の3000安打クラブに、ドミニカ共和国で生まれた選手はいない――ロドリゲスはアメリカ生まれだ――が、数年後には一気に増えそうだ。ベルトレー、プーホルス、カノーは、3人ともドミニカンだ。ベルトレーとプーホルスは、すでに2590安打のブラディミール・ゲレーロを抜き、ドミニカン・トップ2に位置している。ベルトランはプエルトコ、カブレラはベネズエラ、ロリンズはアメリカで生まれた。プエルトリカンではロベルト・クレメンテの3000安打、ベネズエランはオマー・ビスケルの2877安打が最も多い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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