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WBCの鉄人たち。4大会続けて出場する大物メジャーリーガーも

宇根夏樹ベースボール・ライター
F.ヘルナンデスと抱き合うM.カブレラ March 14, 2009(写真:ロイター/アフロ)

今年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)に出揃った16ヵ国のうち、イスラエルとコロンビアを除く14ヵ国は過去3大会にも出場しており、3度ともプレーした選手は計40人以上を数える。そのなかには、第1回の2006年より前からメジャーリーグでプレーし、今もなお健在という選手もいる。

プエルトリコでは、ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カーディナルス)とカルロス・ベルトラン(ヒューストン・アストロズ)がそうだ。捕手3兄弟の末弟であるヤディは、2008年から8年続けてゴールドグラブを受賞し、現在もカーディナルスのハート&ソウルであり続ける。前回のWBCには、次兄のホゼも出場した。ベルトランは史上8人しかいない300-300(300本塁打&300盗塁)の達成者。スイッチヒッターは彼だけだ。さすがに守備と走塁は衰えたものの、昨シーズンも29本塁打を叩き込んだ。

メキシコにも、エイドリアン・ゴンザレス(ロサンゼルス・ドジャース)とオリバー・ぺレス(ワシントン・ナショナルズ)がいる。昨シーズン、ゴンゾはドジャースで4番を打ち、8月にはボストン・レッドソックスの田澤純一(現マイアミ・マーリンズ)から300号アーチを放った。読売ジャイアンツでもプレーした兄のエドガーは、今回のWBCで監督を務める。ペレスは先発投手として低迷後にブルペンへ回って甦り、スライダーを決め球に、過去4年とも60登板&奪三振率10.30以上を記録した。

デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラフランシスコ・ロドリゲスは、昨シーズン初めて、メジャーリーグでチームメイトとして過ごした。だが、2人は過去3度のWBCにおいて、ベネズエラ国旗の下でプレーしている。ミギーのOPS(出塁率+長打率)は過去12年とも.880を下回ったことがなく、2013年は三冠王を獲得し、昨シーズンも3部門ともリーグ5位以内にランクインした。フランキーが「K-ROD」のニックネームどおりに三振を奪いまくった時代は過ぎたが、過去3年の計126セーブは3番目に多く、通算430セーブは歴代4位だ。

他には、ホゼ・レイエス(ニューヨーク・メッツ)、ジェイソン・グリリ(トロント・ブルージェイズ)、ジャスティン・モアノー(FA)も、それぞれドミニカ共和国、イタリア、カナダの代表として、過去3大会に出場した。

ここに挙げた9人は、WBC出場を4大会連続とする可能性が高い。皆、出場予定者に名前が挙がっており、全員ではないものの、出場表明もしている。今のところ、このなかから辞退者は出ていない。

また、カーディナルスではヤディだけでなく、スンファン・オ(呉昇桓)も4大会続けての出場となりそうだ。過去3大会の出場時、オは韓国の三星ライオンズに所属していた。一昨年に発覚した賭博問題により、当初は今大会のロースターから外されていたが、1月に追加招集が決まった。

「WBCの鉄人たち(その2)。3度出場の日本プロ野球経験者。4大会連続となるのは誰? ならないのは誰?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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