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WBCアメリカ代表チームの外野陣。センターは誰が守る!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
左からC.イェリッチ、G.スタントン、M.オズーナ Jun 19, 2016(写真:USA TODAY Sports/アフロ)

アメリカのロースターには、4人の外野手がいる。マイアミ・マーリンズのジャンカルロ・スタントンクリスチャン・イェリッチ、ボルティモア・オリオールズのアダム・ジョーンズ、ピッツバーグ・パイレーツのアンドルー・マッカッチェンだ。

昨シーズン、スタントンはライト、イェリッチは主にレフト、ジョーンズとマッカッチェンはセンターを守った。ジョーンズは2008年から、マッカッチェンは2009年のメジャーデビューから、センター以外の守備についていない。2人のポジションが重なっている点は、WBCでは問題にならないだろう。一方がDHに入れば、同時に出場することもできる。ただ、どちらがセンターを守っても、万全とは言い難い。

マッカッチェンは守備防御点(DRS)とアルティメット・ゾーン・レーティング(UZR)のいずれも、3年続けてマイナスを記録している。昨シーズンはともに外野手ワーストのDRS-28/UZR-18.7に終わり、2月には、今シーズンからライトへ移ることが発表された(これについては「パイレーツの外野トリオが揃ってポジションを変更する理由。A←→BではなくA→B→C→A」で書いた)。

従って、WBCではジョーンズがセンターを守る可能性が高い。とはいえ、ジョーンズの数値は2014~15年こそプラスながら、その前は4年続けてDRSもUZRもマイナスを記録し、昨シーズンは-10/-10.1と再び大きく落ち込んだ。

一方、昨シーズンのマーリンズでは、スタントンがライトを守ってDRS+4/UZR-1.4、イェリッチはレフトに加えてセンターも守り、両ポジション合わせて+6/-0.1を記録した。2人とともに外野トリオを形成するマーセル・オズーナは-5/+0.7で、センターに限れば-12/-3.4だった。9月からはオズーナに代わってイェリッチがセンターを守り続け、オズーナはレフトで11試合、ライトで8試合に先発出場した。まだ確定はしていないが、今シーズンは開幕から、イェリッチがセンターに入りそうな気配だ。スタントンより肩の強いオズーナがライトを守り、スタントンはレフトに回ると思われる。

WBCでも、センターにはイェリッチを据えるのがベストではないだろうか。その際、ネックになる要素があるとすれば、ジョーンズのプライドか。オリオールズにおいては、ジョーンズの定位置を脅かす選手は見当たらない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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