ブランドン・フィリップスが、シンシナティ・レッズからアトランタ・ブレーブスへ移った。２月12日、両チームはそれぞれ、トレードの成立を発表した。フィリップスと交換に、２投手がブレーブスからレッズへ移籍した。

フィリップスのトレードは、これまでに何度も頓挫した。昨年11月には、他ならぬブレーブス行きを拒んでいる。FOXスポーツのケン・ローゼンタールによると、これは昨オフから数えて３度目のトレード拒否だ。フィリップスは昨オフ、ワシントン・ナショナルズとアリゾナ・ダイヤモンドバックスへの移籍を拒んだ。

メジャーリーグでのサービス・タイムが10年に達し、直近５年を同じチームで過ごした選手は「10＆５」というトレード拒否権が与えられる。フィリップスは2006年から、レッズで正二塁手としプレーしてきた。

フィリップスが育ったジョージア州ストーン・マウンテンからアトランタまでは、車で30分かからない。当初、ブレーブスへのトレードを拒んだのは、出場機会が理由だったと思われる。ブレーブスは11月に、２年1150万ドルでショーン・ロドリゲスと契約した。ロドリゲスはユーティリティとして内外野を守ってきたが、もともとはフィリップスと同じミドル・インフィルダーだ。２人は右打者という点も共通しており、昨シーズンの打撃成績はロドリゲスが上だった。

ところが、ロドリゲスは１月に自動車事故に巻き込まれ、全治３～５ヵ月となってしまった。ブレーブスはフィリップスの獲得に再び乗り出し、今度はフィリップスもトレードを受け入れた。

フィリップスの年俸1400万ドルのうち、1300万ドルはレッズが負担する。レッズが交換に得た２投手――昨年11月も同じ交換条件だったかどうかはわからない――は、27歳と29歳の年齢からわかるとおり、プロスペクトではない。それでもフィリップスの放出に動いたのは、若手のホゼ・ペラーザやディルソン・ヘレーラに出場機会を与え、チーム再建のプロセスを進めるためだ。

なお、この移籍によってフィリップスは「10＆５」の権利を失った。だが、ESPNのジム・ボウデンは「フィリップスはブレーブスからトレード拒否権を得た」と報じている。