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トレードでチームを入れ替わった2人が、巡り巡ってチームメイトに

宇根夏樹ベースボール・ライター
バートロ・コローン October 9 1998(写真:ロイター/アフロ)

トレードで互いにチームを入れ替わった選手が、後にチームメイトとしてプレーする。メジャーリーグにおいては、そう珍しいことではない。

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昨シーズンを調べたところ、7組のチームメイトが見つかった。もしかすると、この他にもいるかもしれない。これほど多いとは思っていなかったので、途中で調べるのをやめた。

過去の例も、挙げていけばきりがない。

例えば、2000年にデトロイト・タイガースで投げた野茂英雄デーブ・ムリッキーは、1998年6月のトレードでチームを入れ替わった。野茂はロサンゼルス・ドジャースからニューヨーク・メッツへ、ムリッキーはメッツからドジャースへ移籍した。タイガースでは、野茂が先発し、ムリッキーがリリーフとして投げた試合もあった。

アレックス・ロドリゲスが2004年2月にテキサス・レンジャーズからニューヨーク・ヤンキースへ移った時、その交換要員の一人にはアルフォンソ・ソリアーノがいた。ソリアーノは2013年7月にシカゴ・カブスからヤンキースへ移籍し、ロドリゲスとチームメイトになった。2人は3試合でアベック・アーチを放った。

また、アロルディス・チャップマンは昨年7月にヤンキースからカブスへ移り、オフにFAとなってヤンキースと契約した。チャップマンの交換要員としてヤンキースへ移籍した4人のうち、3人はまだメジャーデビューしていないが、アダム・ウォーレンは昨シーズン、それぞれのチームで29試合ずつ登板し、今シーズンはチャップマンとともにブルペンに入る。

ただ、そういったなかでも、バートロ・コローンブランドン・フィリップスのケースは目を惹く。2人はトレードでチームを入れ替わり、そこから15年近くを経て、チームメイトになった。

2002年6月、クリーブランド・インディアンズのエースだったコローンは、2対4のトレードでモントリオール・エクスポズへ移籍した。エクスポズからインディアンズへ移った4人のなかには、メジャーデビュー前のフィリップスがいた。そして、2人は今シーズン、アトランタ・ブレーブスでともにプレーする。昨年11月にコローンが契約したのに続き、今年2月にはフィリップスがシンシナティ・レッズから移った(このトレードについては「一度は拒否したのに、3ヵ月経たずに同じ球団へのトレードを受け入れたのはなぜ」で書いた)。

フィリップスはこれが3球団目だが、コローンは9球団目(延べ10球団目)だ。メジャーリーグでプレーするのは、今シーズンが16年目と20年目になる。フィリップスは35歳、コローンは43歳。15年前のトレードで移籍した他の4人、ティム・ドルークリフ・リーグレイディ・サイズモアリー・スティーブンスは、すでに選手生活を終えている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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