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WBCのタイブレイク。最初の2走者はどうやって塁に出たのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
MARCH 7, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

今回のWBCでは、延長11回以降、無死一、二塁からイニングがスタートする。そのイニングが打順5番から始まる場合(前のイニングが打順4番で終わった場合)、一塁走者は打順4番、二塁走者は打順3番の選手となる。ちなみに、代走を起用しても構わない。

この2走者は、自身の前の打席の結果にかかわらず、塁上にいる。ただ、WBCのルール(英語版)には、こんな記述がある。「オフィシャル・ベールボール・ルール9.16(b)の下で自責点を計算するために、イニング開始の時点で一塁と二塁にいる走者は、守備のエラーによって一塁に達したものとする。だが、守備についているチームあるいは選手にエラーは記録されない」

走者は2人とも、エラーで塁に出たものと看做される。従って、イニングの先頭打者がいきなりホームランを打って3点を挙げても、打たれた投手の自責点は1だ。

将来はメジャーリーグでもタイブレイク――WBCのルールにこの呼び方はなく、英語の多くは「エクストラ・イニングス・ルール」としている――を採用することを考え、こうしたのだろうか。WBCではともかく、メジャーリーグで投げる場合、自責点は投手にとって大きな意味を持つ。それによって、防御率が変わってくるからだ。

今シーズンより、ルーキーレベルのマイナーリーグ、アリゾナ・リーグとガルフコースト・リーグは、延長10回以降のイニングを無死二塁から始める。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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