ツイッターやめて「本当に良かった」(品川庄司の庄司智春さん):ネットコミュニケーションの心理
■品川庄司・庄司智春、ツイッターやめて「本当に良かった」
芸能ニュースですから、あまりまじめに扱いすぎてもいけませんが、まあ、ちょっと考えて見ましょう。
■ツイッターの魅力と罠:ネットコミュニケーションの特徴
ツイッターの魅力は、気軽につぶやける(ツイートできる)ことです。本当は、短文投稿サイトと表現されるように、自分のホームページ、ブログを持つことと変わりないのですが、心理的には、ずっと気軽に投稿できます。
公の場なのに個人的なおしゃべりのような気がするのが、インターネットコミュニケーションの特徴です。ツイッターは、さらにその特徴が強くなります。本音を話しても良い気がしてきます。
そこで、「ツイッターはバカ発見器」などと揶揄されるように、発言してはいけないことまで発言してしまう人が出てしまいます。「悪ふざけバイト店員はなぜ続出するのか?:若者の心理とネットコミュニケーションの罠」のように。
一方、ツイッターは堅苦しくない本音の発言ができることが魅力です。個人でも、組織でも、有効に使えれば、すばらしい道具になります。
■ツイッターでの本音とは
ツイートを読んでいる人が、よく話のわかる、同じ感覚を持つ仲間ならOKです。冗談が通じます。本音を理解してもらえます。喜びも悲しみも努力も、わかってもらえます。そんな共感してもらえる良い仲間との楽しい交流ができます。「いろんな方とコミュニケーションが取れる最高の空間」になるでしょう。
しかし、ネットは公の場。そんな「仲間」だけが読むのではありません。「その最高の空間にもクソみたいな奴がまだ存在していて」と言うことになってしまいます。
周りが匿名で、自分だけが実名、特に有名人となれば、危険がいっぱいです。グチや本音を受け止めてくれる人ばかりではありません。自分としては、正しいことを言っていたり、軽い冗談のつもりでも、厳しい反応は返ってくるものです。
ツイッターによってファンが増えたり、売り上げが伸びるのであれば、がんばってツイートする意味もあるでしょう。ツイッターで、癒されたり、励まされたりするなら、ツイートへの意欲もわきます。
しかし、すでに多くのファンがいる人なら、ツイッターの危険性の方が大きくなるでしょう。それでも良いネットコミュニケーションをしようと思うなら、「クソみたいな奴」が存在していることを覚悟の上で、本音に見えるが実は本音ではない配慮した発言が必要になります。
親しき仲にも礼儀ありですから、配慮は当然ですが、でもこれはなかなかエネルギーのいることです。そんな気の使い方は嫌いだと感じる人もいるでしょう。このエネルギーを別のことに使った方が生産的だと感じる人もいるでしょう。
時間と労力をどう使うかは、その人それぞれの自由です。
■より良いツイッター、ネットコミュニケーションのために
発言する人も、注意と覚悟は必要です。でも、芸能人や有名人の生の声が聞きたいと願うのであれば、私たちの側の配慮も必要かもしれません。
インターネットコミュニケーションも、ツイッターも、まだ始まったばかりです。私たちみんなが、使い方を学ばなければならないのかもしれません。危険もあるけれど、まだまだ大きな可能性もあるのですから。
*補足
お笑いコンビ品川庄司のお笑い芸を、いつも楽しく拝見しています。庄司智春さんのはっきりとした物言いも、私は好きです。今回の記事は、決して庄司さんを批判するわけではありません。
ただ、有名人の注目された言動をもとに、一般論としてのネットの問題を書いてみました。
ファンの思いの熱さを、書き手は忘れてはいけませんね(⌒-⌒)
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ネットの心理メカニズム:インターネットではなぜデマ(流言)が広がるのか:Yahoo!「心理学でお散歩」
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