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なぜ女性は写真を送ってしまうのか:リベンジポルノの被害を防ぐために:すてきな恋をするために

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

■リベンジポルノとは

リベンジポルノとは、復讐のために、元交際相手などのプライベート写真をインターネット上に公開してしまうことです。「復讐」と言っても、多くは逆恨みです。ストーカーによる犯罪的行為と同様に、非常に身勝手で、相手を深く傷つける行為です。今、法的な整備が検討され始めます。

これらの写真は、盗撮ではなく、少なくとも当初は合意の上での撮影でしょう。しかしだからと言って、このような行為が許されるわけではありません。ただし、法的には難しい面もあるでしょう。誰かと一緒の写真、誰かに送ってもらった写真をネットで公開してはいけないという法律はありません。

写真の内容によっては、名誉毀損罪や、わいせつ物頒布罪、児童ポルノ禁止法などで取り締まれることもありますが、それだけでは不十分だと言われ始めています。

■リベンジポルノの現状と法整備

2013年後半から、リベンジポルノの相談が急増~その多くは、中高生~「なんで(自分の画像を)送ったのと聞くと、『送らなかったら、嫌われるかもしれない』とか、『別れられたら嫌だ』とか。~自民党は27日午後、リベンジポルノ問題に関する特命委員会の初会合を行い、法整備の検討を開始する。

出典:「リベンジポルノ」に対する法整備について取材しました。 フジテレビ系(FNN) 2月27日

このページでは、被害を防ぐために、そもそも女性がなぜ写真を撮らせてしまったり、送ってしまうのかを考えます。もちろん、悪いのは写真をばら撒く方ですが、被害にあわないための工夫も必要でしょう。

■「プライベート写真」

以前は、写真は写真屋さんで現像してもらいました。ですから、人に見られたら困る写真は撮れませんでした。また、「公序良俗」に反するような写真は、現像してもらえませんでした。

ところが今は、デジカメ(携帯、スマホ)などによって、秘密の写真をいくらでも撮ってデータ保存できるようになりました。こうして膨大な数の「プライベート写真」が撮られるようになり、流出問題やリベンジポルノ問題が発生しています。

■嫌われたくない:「かわいらしさ」の誤解

上記の報道によれば、「送らなかったら、嫌われるかもしれない」という声が紹介されています。多くの女性たちは、素直で、かわいい女の子になろうとしています。そういう教育も受けているでしょう。

しかし素直さや、かわいらしさは、何にでも「イエス」ということではありません。「素直」とは、人の言いなりになることではなく、自分の気持ちに素直になることです。いやなことはいやと言いましょう(自分らしさの心理学:評価される不安を越えて)。

■別れたくない:別れたほうが幸せになれるときもあるのに

被害者の女子中高生たちは、「別れられたら嫌だ」と言っています。でも、恋愛心理学の研究によれば、別れを怖がりすぎると良い恋愛ができないと言われています。

誰でも恋人と別れるのはいやです。しかし、恋人と別れても、あなたの価値は変わりません。あなたは恋人と別れても幸せになれます。

幼児性の高い人は、一度手に入れたものを手放すことができません。良い恋をするためには、心の成熟が必要です。また、心のスキマを埋めようとするような恋をすると、恋人と別れることが体の一部をもぎ取られるような気がしてしまいます。

そのため、別れを防ぐためなら、どんなことでもしてしまいます。でもそれでは、幸せな男女関係にはなりません。

良い恋愛、良い男女関係のためには、心の健康を保ちましょう。本当の自分らしさを持ちましょう。

女性が本当に嫌がっているのに、それを無視して要求を押し付けるのであれば、そんな男とは別れたほうが幸せになれるでしょう。

あなたは、ありのままに生きて良いのです(『アナと雪の女王』の心理学:個性と「ありのまま」の本当の意味

■ネットコミュニケーションの心理

ネットコミュニケーションに関する心理学の研究によると、ネット上は、とても心を開きやすい場所です。また、ネットでは感情が高まりやすくなります。そしてネット上は、とても公の場なのですが、逆にとてもプライベートな場所のような気がしてしまいす。

中高生の場合は、ネットが公の場であり、情報が拡散されれば抑えられないという知識が不十分な人もいるでしょう。大人の場合でも、知識としては知っていても、感覚的には実感できないことが多々あります。

その結果、遊び半分や軽い気持ちで写真を取らせたり、送ったりすることも起きてしまうのでしょう。

■加害者男性の心理

人は変わります。今はどんなに素敵に見える人でも、いつまでも同じだという補償はありません。その人を愛し、信頼することは、素晴らしいことです。でも、信用しきってはいけません。

その男性が、今その女性を好きなのは事実でしょう。でも、精神的に十分成熟していないと、本当の恋愛ができません。本当に愛しているなら、相手の幸福を第一に考えるはずですが、「好きだ」と言ってくる人がみんなそうではありません。

心が成熟していないと、相手は自分の思い鳥になるべきだと感じてしまいます。自分の思い通りにならないことを受け入れられません。失恋の辛さを受け止められないのです。自分の思い通りになってくれない女性を憎み、攻撃し、自己破滅的な行為まで考えます。

心理学的には、恨みは、弱者の感情です。強者でもなく、正々堂々とした行動も取れない人が、負の感情をため込み、自分にもできる方法で恨みを晴らすのが、復讐です。

その結果が、ストーカー犯罪やリベンジポルノなのです。

プライベート写真を撮らせたり、送ったり。その人に、犯罪行為を誘発させる可能性がるようなことは、やめましょう。それが、お互いのためでははないでしょうか。

なぜ男は写真を撮り送らせるのか:リベンジポルノを実行する心理と現代ネット社会(2014.3.14)

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三鷹市女子高生刺殺事件:ストーカー犯罪防止のために私たちができること:Yahooニュース個人「心理学でお散歩」

(この事件でもリベンジポルノが問題になりました。)

恋愛心理学:こころの散歩道

インターネットコミュニケーションの心理学:こころの散歩道

ストーカーに出会わないために:ストーカーチェックリストとストーカー予防:Yahooニュース個人「心理学でお散歩」

社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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