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テレビの影響:ドラマ、アニメからの観察学習(モデリング)の心理学:いじめドラマはいじめを増やすか

碓井真史社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

テレビは私達に影響を与える。では、裸は性犯罪を増やし、いじめが描かれるドラマはいじめを増やすのだろうか。また、幼児番組では、なぜ動物がしゃべる? 心理学的に解説します。

■私達はテレビから学ぶ

私達は、テレビから学びます。ニュースで情報を得て、自分の意見を作るだけではなく、テレビドラマ、アニメのストーリーから学びます。それを、心理学では「観察学習」と言います。

多くの男の子が、テレビに登場する正義の味方の真似をしたことでしょう。女の子がセーラムーンの真似をしたりすることもあります(古くてすいません)。

テレビドラマやアニメで活躍するスポーツ選手や刑事を見て、あこがれて、真似をしたり、練習したりする人もいます。

テレビやアニメの「しまじろう」(ベネッセのキャラクター)で、歯磨きや1人でトイレに行くことを学んだ人も多いでしょう。テレビは、私達に影響を与えます。

■観察学習(モデリング)とは、

普通は、自分自身が経験してさまざまなことを学びますが、誰かの何かを見ただけで学ぶのが、「観察学習」(モデリング)です。子どもに「あいさつしなさい」と説教する「直接教育」よりも、普段の生活で親が挨拶しているところを見せる「間接教育」による観察学習の方が、むしろ効果的だと言われています。

観察学習とは、「誰かが何かの行為をする→その結果良いことが起きる」ということを観察することで、その行為を身に着けることです。

身近な人を観察しても起きますし、テレビ画面の中の出来事でも学べます。

■観察学習(モデルリング)におけるポイント

たとえば、暴力やポルノなどは、見せてあげた方がストレス発散になって実際の悪い行動は減るという意見もあります。一方、そんな物を見せたら、刺激されてそういう暴力やレイプなどの行為はかえって増えるという意見もあります。答えはそう簡単ではありませんが。

また、ちょっと考えてみてください。子どもたちが見る道徳の番組などは、なぜライオンさんやウサギさん、トラのしまじろーなどが登場するのでしょう。

不自然に動物が言葉をしゃべるより、人間の佐藤さん、鈴木さんでよいではありませんか。

こういう点を、心理学的に解明していきます。

■暴力ドラマ、暴力アニメは、実際の暴力を増やすか:いじめドラマはいじめを増やすか

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社会心理学者/博士(心理学)/新潟青陵大学大学院 教授/SC

1959年東京墨田区下町生まれ。幼稚園中退。日本大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(心理学)。精神科救急受付等を経て、新潟青陵大学大学院臨床心理学研究科教授。新潟市スクールカウンセラー。好物はもんじゃ。専門は社会心理学。テレビ出演:「視点論点」「あさイチ」「めざまし8」「サンデーモーニング」「ミヤネ屋」「NEWS ZERO」「ホンマでっか!?TV」「チコちゃんに叱られる!」など。著書:『あなたが死んだら私は悲しい:心理学者からのいのちのメッセージ』『誰でもいいから殺したかった:追い詰められた青少年の心理』『ふつうの家庭から生まれる犯罪者』等。監修:『よくわかる人間関係の心理学』等。

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