「草食系から絶食系へ」は、間違いでした:データの見方、信じ方の注意点
■日本家族計画協会第7回『男女の生活と意識に関する調査』草食系から絶食系へ!20代男性の約半数「性体験なし」は、間違いでした。
大きく報道された、日本家族計画協会の調査、第7回『男女の生活と意識に関する調査』の「20代男性の約半数「性体験なし」」は、間違いでした。
この『男女の生活と意識に関する調査』の報告から、「セックス離れ:若い男性、性の『絶食化』」(毎日新聞)、「セックスレスの既婚男女増加=若年男性『草食化』も」(時事通信)と報道されたのですが、エクセルを使った計算上のミスでした。
■間違い発覚のきっかけは、TBSラジオ
このデータに最初に疑問を感じたのは、TBSラジオのようです。
■データの見方、信じ方
アンケート等のデータを見る際には、まずどこが行った調査課を見る必要があるでしょう。権威をそのまま信じる訳ではありませんが、信頼できる団体による調査か、怪しげな団体による調査課は、たしかめなくてはなりません。
その上で、どんな人々への調査なのか、データーの数や偏った人々への調査ではないかと疑う必要があります。さらに、質問項目が正しいか、回答を誘導していないか等も、疑うべき点です。
しかし、「日本家族計画協会」による調査は、普通信じます。
それでも、さらに深く考えると、今回のように、これまでのデータと比較して急激な変化が見られたときには、その理由を考える必要があるでしょう。変化するだけの理由があるのか、あるいは集計ミス、分析ミスではないかと。
さらに、他のデータとの矛盾はないのかという点も大切です。今回は、TBSラジオのスタッフはここから気づいたようです。
もっとも、私もよほど自分の専門分野のことや、学生のデーターでもないと、普通はここまで確かめません。マスメディアの人々もそうでしょう。
今回は、比較的スムーズに間違いに気づいて良かったと思います。「データは疑ってかかれ」と大学院生などには指導しているのですが、大騒ぎしたくなるセンセーショナルなデータこそ、集計した機関も、メディアも、チェック、ダブルチェック、なのでしょう。