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【Yahoo!ニュース 個人】1月の「月間MVA」受賞記事を読む

写真:アフロ

■Yahoo!ニュース 個人、1月の「月間MVA(Most Valuable Article)」が決定しました

Yahoo!ニュース 個人は、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を選出する「月間MVA」制度を今年1月よりスタートしました。評価基準から記事のアクセス数などをあえてはずし、社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く・・・などの観点から、編集部を中心とした運営スタッフが選出しました。1月の受賞記事5本と受賞にあたっての筆者のコメントをまとめて紹介します。

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部活動の負担感が大きいワケ――土日の部活動は日額3000円 未経験でも顧問(内田良)

筆者による受賞コメント:学校の先生方の多くが休みをとっているお正月に合わせて、部活動顧問の負担について問題提起しました。先生方からは多くの反響があり、「ムーブメントだ」と期待を高めてくれました。その空気は数か月経ったいまも脈々と続き、真冬にもかかわらず、部活動談義がSNSや全国紙で活性化しています。これからもっと大きな変革へとつなげていきたいと思っています。このような機運を高めてくれたヤフー編集部の皆様に感謝申し上げます。(内田良

選出理由:部活動顧問をする教員の負担という、一般にはあまり知られていなかった問題に光をあて、改めて世にあり方を問う記事。

学校での事故などを研究してきた筆者ならではの発信力で問題を広く伝えた。

また学校現場の実情を届けるコメントが多く寄せられ、記事を起点に議論が喚起された。

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選手とファンに愛され続けて17年。2番手捕手・小田幸平が貫いたポリシー(田口元義)

筆者による受賞コメント:1月の月間MVAに選んでいただきありがとうございました。プロ野球生活で1度もレギュラーを経験していないにも関わらず、17年もプレーしてきた小田幸平選手の生き様を読者の方々に知っていただきたく、引退のタイミングで記事を配信しました。会見で披露した「やりましたぁ!」を象徴するように、ユニフォームを脱いでも前向きで、評論家としても愛すべきキャラを貫き通してくれるだろう、という願いのもと、あえて本人をいじるような表現も加えながら原稿を執筆しました。本稿を通じて改めて小田選手に魅了された方も多く、とても光栄に存じます。今後も、自分の信念を貫く選手たちを取り上げていきますので、よろしくお願いいたします。(田口元義

選出理由:小田氏の人柄や選手としての人生だけでなく、筆者の小田氏へのまなざしが伝わってくる。

現役引退という選手にとって重い決断を扱っているが、読後感が温かく、読み手の記憶に残る記事。

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英国が身代金を払わない理由。(ブレイディみかこ)

筆者による受賞コメント:右派はこうで、左派はこうという既成の枠を超えたところで、「いや、本当にそれでいいのかな?」と考えるネタを提供できたらと思って書きました。これからもそうです。どうもありがとうございました。(ブレイディみかこ

選出理由:多くの発信があった人質事件に関連し、海外在住の筆者ならではの視点に基づいた記事。

自身が見聞きした市井の人々の声を上手く整理し、英国の立場が理解できると同時に温度感が伝わってくる。

高い文章力でぐいぐい読ませ、多くの読者に届く力がある。

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日本アカデミー賞の存在理由――北野武監督の批判と岡田裕介会長の反論(松谷創一郎)

筆者による受賞コメント:毎年注目される本家のアカデミー賞に対し、あまり関心をもたれない日本アカデミー賞。こうしたギャップを常々残念に思っていました。

北野武監督が長年批判していたにもかかわらず日本アカデミー賞がその有り様を変えてこなかったのは、映画ジャーナリズムがそれをさほど問題化してこなかったからでもあります。

こうしたデータジャーナリズムの手法で客観的にその状態を明らかにすることにより、日本アカデミー賞がよりファンに信頼されるイベントとなり、同時に日本映画界にもより良い影響を与えるイベントになることを願ってやみません。(松谷創一郎

選出理由:日本アカデミー賞は出来レースか、それとも厳正な審査に基づいたものかという注目を集めた関係者の発言を端緒に、過去の実績を綿密に調べて記事にしたもの。

印象論でなく様々な角度から日本アカデミー賞を分析し、データをもとに賞のシステムや業界の実情をあぶりだしている。

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フランスの新聞社襲撃事件から「表現の自由」の二面性を考える-サイード『イスラム報道』を読み返す(六辻彰二)

筆者による受賞コメント:本稿は、数年来考えていた内容を、シャルリ・エブド襲撃事件を機に文章化したもので、自分自身の考えをまとめる作業だったように思います。

学生時代から親しんだサイードの著作の認知度の向上に少しでも寄与できたなら、望外の喜びです。(六辻彰二

選出理由:表現の自由の持つ二面性について、わかりやすく解説・論考した記事。

「表現の自由はどこまで許されるのか」という議論がおきている中で、二面性や発信力の格差など、ひとつ違った視点を提供した。

また難解な話題を一気によませる文章・記事構成で、広く議論を喚起した。

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