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【Yahoo!ニュース 個人】10月の月間MVAとMVCが決定

(ペイレスイメージズ/アフロ)

■Yahoo!ニュース 個人、10月の「月間MVA(Most Valuable Article)」と「月間MVC(Most Valuable Comment)」が決定しました

社会の課題を伝えている・議論を喚起している・読者の心に響く……などの観点で選出している「月間MVA」。記事のアクセス数ではなく、目指す世界観「発見と言論が社会の課題を解決する」を体現している記事を、編集部を中心とした運営スタッフがアナログで選出しています。あわせて、すぐれたオーサーコメント「月間MVC」も選出しました。厳選5本の記事とオーサーコメント、筆者の受賞コメントをあわせて紹介します。

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10月の月間MVA

不登校「先生が原因」 認知されず ―学校調査と本人調査のギャップから考える(内田良)

筆者による受賞コメント:拙稿を月間MVAに選出していただき、誠にありがとうございます。今回の記事は、不登校に詳しい関係者からの問題提起を受けて、執筆したものです。2つの異なる調査を比較検討するという点で、慎重な精査が必要であったため、じつは何度も関係者とやりとりをおこない、記事執筆までに数ヶ月を要しました。記事本文からも、精査の労の一端を読み取っていただけると思います。その意味でとても思い入れが強い記事になりました。そしてさらには、オーサーとして第三者からの問題提起を受けていかに協働し情報発信していくのかについて、自分なりの新たな境地に到達できたと感じています。

内田良

選出理由:類似性の高い学校調査と本人調査のデータを比較することで、隠れてしまっている不登校の理由が浮き彫りになっています。「子どもの声をちゃんと拾い上げる」という問題意識が伝わる記事です。

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「がん」などのインターネットの検索結果で「信頼できる医療情報」を手に入れるために知っておきたいこと(朽木誠一郎)

筆者による受賞コメント:自分一人が騒いでも、何も変わらないのではないか。この記事を書く前、そして書いた後もしばらくは、そんな思いを抱いていました。しかし、ありがたいことにとても大きな反響があり、他メディアにも「インターネット上の医療情報の信頼性」が取り上げられ始め、現在、このテーマについて各種メディアからの取材を受ける機会も増えてきました。インターネットが当たり前になった時代に、誰しもこの問題については無関係ではありません。受け手が正しい情報を取捨選択するしか突破口のない現状、インターネット上の医療情報の信頼性を高めることができる主役は、ある意味ではインターネットで検索をするすべてのみなさんです。どうか、引き続き、一緒に、この問題に取り組んでいきましょう。

朽木誠一郎

選出理由:インターネット上の医療情報についての筆者の強い問題意識が伝わる発信で、他の媒体が同様の問題をとりあげるなど広く業界に問いかけた1本です。信頼できる医療情報を手に入れるためにどうしたらよいか、読者の参考になる具体的な方法も紹介されています。

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論文不正の告発を受けた東京大学(1) どこまで調査をするのか?(詫摩雅子)

筆者による受賞コメント:看板研究者の不正を調べるはめになった上層部の苦悩は深いだろう。だがそこで “隠蔽”や“お手盛り”を疑われるような調査をしたら、その時点で信用は失墜する。STAP騒動では、理研が信用を失っていくのを目の当たりにした。つらかった。この記事を書いたときも今も、気持ちは変わらない。時間がかかってもいい。「さすがは東大。そこまで調べたのか」と言われる調査をして、生命科学の信頼を取り返してほしい。

詫摩雅子

選出理由:論文不正の告発を受けた東京大学がおこなっている調査の意味を解説。どこまで調査するべきなのか、過去の事例を交えつつ提言しています。一貫して「日本の科学のためになるか」という視点から書かれた専門性の高い記事です。

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電通過労自死事件から真の「働き方」改革を考える(佐々木亮)

筆者による受賞コメント:この度は「月間MVA」の記事に選出いただきありがとうございます。誰もが知っている企業において繰り返された痛ましい事件。勇気を出して会見で発言された高橋まつりさんのお母様。どうやったら過労死・過労自死をなくすことができるのか、私も労働問題に関わる者として考えさせられた事件でした。記事では労働時間に対する法制度について触れましたが、長時間労働をなくすには制度だけでは足りません。働く現場にいる者(働かせる側も、働く側も)が覚悟をきめて取り組む必要があると思います。その意味でこの記事が「働き方」を考える一つのきっかけになれば幸いです。

佐々木亮

選出理由:電通社員自殺の労災認定から間もないタイムリーな時期に、長時間労働による過労死をなくすための具体策を提示しています。弁護士の立場で一貫して労働問題に携わってきた筆者ならではの発信になっています。

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「ピコ太郎」大ブレークの理由(ラリー遠田)

筆者による受賞コメント:自分の書いたもので賞と名のつくものを頂ける機会もなかなかないことなので、大変嬉しく思っています。この記事が多くの人の目に触れた結果、別の媒体でもコメントを求められたりお仕事を頂いたりする機会もありました。まさに「ペン」の力というものを実感させられました。

ラリー遠田

選出理由:話題のピコ太郎とは何者かやブレークの背景について、筆者の深い知識と巧みな構成によって、タイムリーかつわかりやすく解説した1本です。

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10月の月間MVC

『温室効果ガスのメタン、排出量推定の2倍か 研究』の記事へのオーサーコメント(江守正多)

筆者による受賞コメント:記事への注目がほぼ終わってからの出遅れコメントでしたので、受賞により再び注目して頂けると嬉しいです。海外の科学記事の翻訳は、意味が伝わるのが難しいですね。コメントの需要は大きいと思いますが、論文に目を通してからコメントするので時間がかかるのが悩ましいところです。

江守正多

選出理由:一般読者が容易にアクセス、読解できない研究論文の内容に関する報道に対し、そのポイントを解説する付加価値高いコメントです。この研究で問題としている点は何かや記事中の誤訳などを専門的知見をもとに指摘しています。

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