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「SMAP」の“ロハス兄弟”!?稲垣×草なぎの絶妙なコンビネーション

山田美保子放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー

「SMAP」最大の話題といえば、木村拓哉さん主演の映画『HERO』が、あす18日に公開となり、フジテレビを中心に、“『HERO』祭り“になっていると言っても過言ではない。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)には、映画のメインキャストが勢ぞろいし、脱出ゲームを見事にクリア。

香取慎吾さんは、「こういう時、『HERO』では……」とキャストの特徴を熟知したコメントを寄せていた。

また、事務官から検察官に出世して映画に出演している松たか子さんが“ビストロSMAP”に来店した際にも、メンバー全員で『HERO』を盛り立てたし、自身が出演しているドラマ『HEAT』(関西テレビ・フジテレビ系)の会見で司会者から、「あたなにとって、ヒーローとは?」と聞かれ、間髪入れず、「木村くん!」と答えたのは稲垣吾郎さんだった。

プライベートでは、このところ、中居正広さんが“話題”の中心になっている。最愛のお父さまとの別れや、腫瘍の除去手術、さらには、親友・今井雅之さんの別れ……など、自分の言葉でファンに伝えた後、マスコミに取り上げられるのが最近の“パターン”。その今井雅之さんのお別れ会に参列し、各局芸能デスクの問いかけにコメントせず、裏口から会場を後にした様子も、スポーツ紙やワイドショーで取り上げられたばかりだ。

国民的大スター、SMAPは、メンバー全員がアラフォーになり、その一挙手一投足は、“一アイドル”のそれではなく、一人の“大人”だったり、”人間“として、取り上げられることが多いのである。

そんな中、稲垣さんと草なぎ剛さんがMCを務める『1位じゃなくっていいじゃない』(テレビ東京系、19日・午後7時54分)の収録が、同局天王洲スタジオで行われた。

終了後の囲み会見で、「僕たちの原点でもあるテレビ東京さんのバラエティー番組にまたお世話になる機会をつくっていただいたのがうれしかった。(天王洲の)スタジオに来るのは初めてだったんですけど、楽屋も豪華だし、リバーサイドで雰囲気もいいし」と、まず“古巣”への感謝を述べたのは稲垣さん。

草なぎさんは、「こういう空気感を出せるのも僕と吾郎さんならではなので。VTRやゲストの皆さんのトークも素晴らしいんですが、僕たち二人のMCも楽しんでいただけたらと思ってます」と、なかなか見られない、このコンビの魅力を強調した。

番組オープニングで、タイトルにちなんで自分たちがMCに選ばれたと話したお二人。「稲垣吾郎×草なぎ剛」というコンビについては、

「コンビネーションが変わるだけで、『ホントに、この人と20年間もやってきたのかな?』って感じてしまうぐらい間合いなどが変わってくるんでね。とても新鮮だった」と感想を述べたうえで、稲垣さんは「SMAPの誰誰×誰誰の答えは全部違うと思う」と、改めて、SMAPとこのコンビの魅力について言及した。

さらに、番組タイトルについては、「僕自身、1位じゃなくて2位というものに対してのほうが憧れが強かったんです。主人公じゃなくて敵役みたいなほうがかっこよく思えたり、いちばん売れてるんじゃないモノをあえて買ってみたり。自分の趣味嗜好と合致しています」と目を輝かせた。

また、「1位じゃなくって…」というフレーズに真っ先にSMAPを思い浮かべたというのは草なぎさんだ。

「僕たちも1位じゃないところがたくさんあったりしましたから。たとえばデビュー曲が2位だったり、なかなかオリコンで1位を獲れなかったり……。いい意味で前に高い壁があって、それを乗り越えようとずっと頑張ってきました。僕の芸能活動にも、そういうところがあります」。

続けて、「2位をクローズアップすることによって、1位の人のタイヘンさや苦悩もよく分かったよね。いい番組なんじゃないかな?」と稲垣さんも番組コンセプトと内容を絶賛した。

SMAPのメンバーの囲み取材では必ずメンバーについての質問が出るものだが、今回も記者さんから「メンバーの皆さんは、この番組について、なんて言っていますか?」という質問が飛んだ。

稲垣さんは、「あ~~~~。う~~~~ん」と、ものすごい間をとった後、「おもしろいって言ってましたね」と苦笑。その困った様子に、記者たちは全員、あぁ、見てないのね…と判断させていただいた。すると草なぎさんが、「中居くんとか知ってるんじゃないですかねぇ」と。

さらに稲垣さんが、「(パルコ劇場で)舞台一緒の時、慎吾と、この番組の話にならなかったの?」と記者のように草なぎさんに質問してくれました。すると今度は草なぎさんがものすごい間を置いて、「…………。この番組についてはねぇ………。知らないのかなぁ…、やってることをねぇ………。この話にはなったことないですね」と言い、笑わせてくれた。

解決策としては、稲垣さんが「テレビ誌さんとかがクローズアップしてくれれば、“スマスマ”の前室とかでペラペラッと見てる時に注目してるとかもしれない」と、まさに“記事にしてくださいね”と言わんばかりにアピールしていた。

最後に私が、この番組にちなみ、「このコンビを“銀言(ぎんげん)”で表してください」とお願いしてみた。すると稲垣さんは、「ラジオ番組にファンの方からいただいたコメントで、(僕たち二人は)“SMAPのロハス兄弟”っていうのがあって……」と説明。

草なぎさんも、「そういう雰囲気でリラックスして見てくれたらうれしいです」と、まとめてくれた。

確かに、その組み合わせで全く異なるのがSMAPワールドだし、それがまたSMAPの大きな魅力だろう。

“SMAPのロハス兄弟”MCによる、ユルさの中にも、初見のタメになる話がたくさん詰まった『1位じゃなくっていいじゃない』。3弾、4弾も見てみたいと思う。

放送作家・コラムニスト・マーケティングアドバイザー

1957年、東京生まれ。初等部から16年間、青山学院に学ぶ。青山学院大学文学部日本文学科卒業後、TBSラジオ954キャスタードライバー、リポーターを経て、放送作家・コラムニストになる。日本テレビ系「踊る!さんま御殿!!」、フジテレビ系「ノンストップ!」などの構成のほか、「女性セブン」「サンデー毎日」「デイリースポーツ」「日経MJ」「sippo」「25ans」などでコラムを連載。「アップ!」(名古屋テレビ)などに、コメンテーターとしてレギュラー出演している。

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