"smartnews"なるアプリがコンテンツ泥棒と批判された件で

やまもといちろうです。本名です。

現在、ネット界隈では話題騒然のiOS向けアプリ「SmartNews」。何が話題なのかというと、一見大変便利な作りで、私もちょっと触ってみた感じとしては悪くない感じなのですが…。どうもこのアプリ、いったん「SmartNews」のサーバー側にダウンロードしてから再配信する仕組みなのではないかと疑われ、結果としてウェブ系メディアが儲からない奴隷的な業界環境の悲惨さという話題とマッチして炎上気味になっております。

インターネット界の新たな逆神として人気を集め、先日のBLOGOSアワードでは大賞を受賞されたイケダハヤトさんが絶賛したため、かえって「これはマズいのではないか」という話題が噴出したのはとても印象的です。イケダさんのように月間15万稼げれば良いので有名になりたいという考えの人にとっては別にどうでもいいことなのかもしれませんが、ネットでビジネスをしているメディアからしますと死活問題以外の何物でもありませんよね。

SmartNews問題、転載されているブロガーとして思うこと

http://blogos.com/article/52843/

中でも、三十路超えても現役IT戦士の岡田有花女史がTwitterであまりにもそのまんまな心情を切々と綴り、凄惨なライター業界全体に蔓延する呪詛を紡いでバトルクライ状態となってしまったのも良い思い出です。もちろん、この岡田女史の発言を呼び水にいまなお馬鹿も阿呆も薮から蛮族の風情でどんどんこの話題に言及、もはや一年を振り返っていかにウェブ上でのメディアが貧乏であるか愚痴を流し合う場として効果的に機能しています。

岡田有花 says : 自分が書いた記事がSmartNewsの スマートモードに全文転載されていて、とても悲しい気持ちになった。スマートモードはユーザーには便利だが、完全タダ乗りだと思う…書き手やメディアを悲しくさせるよ… http://lockerz.com/s/270337055

https://twitter.com/yukatan/status/281620421844033539

よかろうもんブログでは、かなり正面から著作権法違反なのではという疑問を投げかけているようですが、当の「SmartNews」提供元では「弁護士と相談してやってて違法性ないっていうから問題ないもんね」という横綱相撲の立会いのようなツッパリを見せ、これはこれで読む者の心情にイラッとした風を吹かせてくれます。素晴らしい。やはりベンチャーの企業広報というのは世間様のあらぬ疑いに真っ向から立ち向かってナンボだという点で、ネット原住民としてはヒャッハー感を拭い去れません。

無断転載!?岡田有花さんのツイートから #SmartNews について考える。

http://nari104.net/blog/internet/656/

SmartNewsに関心をおもちいただいているみなさまへ

http://www.gocro.jp/post/38619754094/smartnews

もちろん、今回のポイントというのはたたでさえ貧乏なウェブメディアの貴重な収益源であるバナー広告等の掲載を、この「SmartNews」によって迂回され、読者に記事のみにアクセスされ、ショートカットされ、収益源を奪われ、売上を下げられ、採算をより悪くされ、維持するモチベーションを失わせられ、生活の糧を盗まれ、リストラを余儀なくされ、職を奪われ、ハロワに並ばされ、人間の尊厳を奪われ、人間のクズ扱いされ、二度とネットビジネスで一攫千金なんて言うなよと罵声を浴びせられ、それはお前エコシステムというよりはネットに記事を寄せている人たちが人生の最終処分場送りにされるだけのことじゃないのかという疑念がよぎるのも致し方のないところであります。

平たく言えば、コンテンツの提供者側としては読者に無償で記事を公開していることイコールどういうサービスでも記事を自由にしてよいというわけではない、という議論でありまして、これはレコード業界が違法ダウンロードけしからんとか、ゲーム業界がマジコン許すまじと拳を振り上げている態様とも同じです。それならRSSリーダーもあかんのではないかとか、オフラインでも利用可能なリーダーというのは全部アウトじゃねえのという思いも去来するわけでありますが、今回の「SmartNews」について限定して言えば、何となくイケてるベンチャー然とした会社が「俺たちマジでスマートっしょ」って雰囲気のサービスを提供し始めたこともあり、ネットにおける反拝金主義的モヒカン原理行動を痛く刺激してしまうのは仕方がないことかと思います。

また、それを言い始めたら私が長年やっておりますブログがあるわけですが、これも無料で使わせていただいているので重宝している反面、スマートフォン時代になって知らない間にスマホ専用読み取り画面が設置され、そこに運営元であるニフティさんが勝手に広告を貼って営業しているけど私には一銭も入りません。最近では、普通のPCからのアクセスなんぞよりも遥かに多くのアクセスがスマホから来ていることを考えると、マジで抜き差しならないことになっております。しかし、それでも私がニフティのブログサービスであるココログから離れないのは、私自身はニフティが大好きであり、もっともっとユーザーサービスの中でニフティに羽ばたいていって欲しいですし、過去も現在もニフティのサービスが悪くて悩まされたことなどほとんどなかったという信頼に基づいているので、収益よりも安心をとって続けているのです。ニフティを信頼しているからこそ、他に新しいサービスが出てきたとしても目移りすることなく商売上不利なココログも使い続けているということなのであります。

惜しみなくニフティをヨイショしたところで私が申し上げたいことというのは、いまのネットでのサービスや、スマホ向けアプリというのはことごとくが最終形ではなく、これから未来に渡ってユーザーとの間で信頼関係を築きながら、様々な新しいサービスや機能を巻き込みつつ成長していくものなのだ、という点です。

対応としてこれはまずいんじゃないの、と感じるのは、やはりネットには蛮族が住み着いている関係で、運営会社の真意は別としてこのような記事が出てきてしまうことですね。

  1. SmartNews 運営会社「無断全文コピペ?俺たち的にはセーフだから今後も続けていくわww」

http://matome.naver.jp/odai/2135627502257397501

  1. SmartNews 【使ったら逮捕!?】警告も無視&無断全文転載しまくりの違法アプリだった

http://matome.naver.jp/odai/2135618971250213401

もはや、スパイアプリの嫌疑をかけられ会社清算に追い込まれたミログ社のケースまで想像(または妄想)が広がっていってしまうと、これはイメージ的にも挽回が難しいぞという気もしますし、今後何をやってもネットユーザー界隈は運営会社であるゴクロ社に対するうんこ投げ競争になってしまいかねないです。私も、この物件の状況が状況で、仕事が暇なら最前線で汚物背負って参戦したい気分です。

年末年始を挟んで、どういう形でゴクロ社が然るべきカウンターをしてくるのか、信頼に足る会社としてサービスに取り組んで真の意味でのエコシステムになれるのかも踏まえて、じっくりと見定めて参りたい、そう思っております。