無料Wi-Fiがなぜ無料なのかという話

山本一郎です。無料です。

ところで、コンビニチェーンのファミリーマートが無料Wi-Fiサービスを始めたようです。

ファミリーマート、Wi-Fi無料ネット接続サービス開始(読売新聞 2013/5/31)

ファミリーマートでWi-Fi無料サービスが開始(ASCII.jp 2013/5/31)

スマホが普及するに従って、こういった無料Wi-Fiを集客ツールとして提供する店舗が増えてきた昨今です。まぁ、無料で提供されるからには、使う側もなぜ無料で使えるかその理由を考えるぐらいの余裕があるべきなのでしょうが普通はあまり考えませんね。ただ、世の中にはそういうことを考えるのが好きな人も必ずいて、あの読むのが面倒な利用規約の中身をちゃんと確認した上で、その問題点を分かりやすくまとめてくれるのは大変ありがたいです。

ぶっこ抜き注意?ファミリーマート無料Wi-Fiサービスの利用規約に注目が集まる(NAVERまとめ)

こちらのまとめを辿って読んでみると、どうやらサービス利用者の閲覧したホームページに関する履歴が取得され利用されることになっているようで、いつものようにネット界のご意見番、高木浩光先生が大活躍されております。

MACアドレスを取得するのは(Wi-FiサービスはLANなので)しょうがないし、IPアドレスは当たり前(払い出されたものだから)だし、1, 2, 3, 4番目もまあそんなもんかだけど、「閲覧されたホームページ」ってアカンやん? Hiromitsu Takagi @HiromitsuTakagi

出典:Twitter/@HiromitsuTakagi

高木先生は利用規約にある数々の問題点を指摘した後、ファミリーマートお客様相談室にも電凸されていますが、今のところはこの手の問答でありがちな回答しか得られていないようです。

昨日のファミリーマートお客様相談室に問い合わせた件、その後、数時間後というかなり早い時間で回答があり、公衆無線LANサービスで任意のWebサイトのアクセス履歴を収集することについて、「同意を得ているので違法でない」との回答。 Hiromitsu Takagi @HiromitsuTakagi

出典:Twitter/@HiromitsuTakagi

MACアドレスをマーケティングの目的に利用しているかいないかという問い合わせに対して、「同意を得ている。」という回答。回答になっていない。どうも、ちゃんと真剣に検討せずに回答している様子。通信の秘密をわかってないのでは?と再質問。 Hiromitsu Takagi @HiromitsuTakagi

出典:Twitter/@HiromitsuTakagi

さすがです、高木先生。もはや浩光と呼ぶほかありません。

「同意を得ている」「違法でない」という言葉は錦の御旗で誠に良い響きです。これがあれば何でも出来そうで素晴らしいですね。

コンビニチェーンが無料Wi-Fiを提供するのはファミリーマートが最初ではありません。 これまでにも同業大手のセブン&アイグループが昨年サービス提供を開始していますが、その際にも運用面における問題点がやはり高木先生などの尽力で指摘され改善された経緯があります。

先日、セブンイレブンがスタートさせた公衆無線LANサービス「セブンスポット」で、ちょっとした騒動が起きた。情報セキュリティの専門家である高木浩光氏などの調査により、アマゾンや楽天などのネット通販大手のサイトへのアクセスが制限されていることが、明らかになったのである。

出典:ダイヤモンド・オンライン

さらに上記事件と同じ時期、やはり無料Wi-Fiをうたって問題となったサービスがありました。こちらも高木先生大活躍です。

東京都内や関西地方のホテルや飲食店に公衆無線LANサービスを提供するコネクトフリー社が、利用者のホームページ閲覧履歴、twitterやfacebookのID等の取得や、アマゾンのアフィリエイト・プログラムに関する不適切な利用を行っていたことが、やはり前述の高木氏などの指摘により、明らかになった。本件は電気通信事業法に直接抵触する可能性があるとして、総務省が調査に乗り出している。

出典:ダイヤモンド・オンライン

それにしても、去年の同じような時期に色々と炎上した案件と同じような流れで、またこういう話が浮上してくるあたり、無料Wi-Fiサービスの提供側も懲りないというか学習しないというか、なんとも不思議な感じがします。

そして、しつこいようですが最初の方にも書いたように、サービスが無料で提供されているときには、それがなぜ無料なのかということは使う側もよくよく考えてみることが大切なのではないかとも思うのです。

毀誉褒貶さまざまあれど、高木無双は私たちの生活に役立っているということで、武雄市の樋渡啓祐さんという人もこの高木先生を三顧の礼をもってデジタル顧問に迎え入れるべきだろうと思うわけであります。

まあ、この記事も無料なんですけどね。