馬鹿が跳梁跋扈している今日この頃ですが「彼らは馬鹿だから」で済ませていて良いのでしょうか

山本一郎です。どちらかというと相当の馬鹿です。

このところの暑さで世の中色々と不満が溜まっているのかどうかは分かりませんが、一般的な社会人の常識ではちょっと理解しづらい炎上事件がネットを中心にして賑わっております。起きた事件の一つひとつをとりあげるのも面倒なので、ここではまとめサイトの記事を挙げるにとどめますが、よくもここまで立て続けてに起きるものだと感動すら覚えてしまいます。

若干ながら親近感を覚えてしまうのは、私も馬鹿だからでしょうか。

今度はステーキハウスで冷蔵庫に従業員が入って写真をアップして炎上(時事ネタまとめ 2013/8/6)

もっとも、こういうことは普段広く世間に知れ渡らないだけで、実は日々起きていることなのかもしれません。ネットでこういうネタが重宝されるのは暇つぶしに最適というのもあります。またネット上には馬鹿が多いからこういうこといなるのだということについては、中川淳一郎氏が久しく力説しておりまして、最新の著書タイトルに至ってはもうそのまま「ネットのバカ」ですから、こちらを読めばそれで納得して済む話なのかもしれません。

ですが、ここまで似たような事件が短期間で矢継ぎ早に起き、しかもそれが衆目を集める事態となれば、なぜそのようなことが起きるのかということを論じたくなるのはやはり人の性というものでしょう。すでに色々な意見がネット上で散見されておりますが、とくに興味深い論考が2つほど奇しくも全くの同じタイミングでブログとして公開されていましたので以下にご紹介したいと思います。

「バカが可視化される時代」とどう向き合うか(脱社畜ブログ 2013/8/6)

「うちら」の世界(24時間残念営業 2013/8/6)

いずれのブログの筆者も共に、立て続けに起きる事件を前にして最初はどう書いて良いか迷ったということ、そして結論は保留というスタンスまでとても似ているのが象徴的です。

しかし一方で、脱社畜ブログさんが絶えず自分の視点と価値観だけから何かを読み解こうとしているのに対して、24時間残念営業さんは自分とは異なる「彼ら」の視点や価値観からの考察を試みている点で、より今回の一連の事件が起きた「理屈」のようなものに近づけていると感じます。

彼らの感覚としては「所与の権利」の範囲が非常に広い。権利が広いため、たいていのことをしても許される「ことになっている」。許さないものがあるのだとしたら、それは許さない側の理屈がおかしい。「うちらなんにも悪いことしてないのになに文句言ってくるの」ということになる。

出典:24時間残念営業

彼らの理屈に関しては、実際に事件を起こした当事者がそうした主旨の発言をネット上に残していることからも明かです。この感覚を是とするかどうかは別にして、こういう感覚で行動する人間が社会には存在するという事実そのものは認めざるを得ません。

いちいち面白がってうぜーな。しらねぇーやつが面白がって拡散とかいってリツイートしてんじゃねーよ。しらねぇーやつなのにいちいちだりーんだよ。

出典:時事ネタまとめ

また、24時間残念営業さんは以下のような指摘もしています。

彼らには「インターネット」という概念がよくわからない。よく言われることだが、たとえばTwitterならTwitterという「個別のアプリケーションがある」というのが彼らの感覚である(LINEは使ってないんでよくわからん)。実際にはそれは、インターネットの仕組みの内部で動いているサービスなのだが、ここでSNSと「うちら」の結託が起こる。SNS=うちらとなるわけだ。なんとなくは「インターネット全体」という外部があることは知っていても、それが「うちら」に積極的に介入してくることは考えない。もしそれが容喙してきた場合、彼らの理屈に従えば「うちらなにも悪いことしてないのになに勝手に干渉してくんの」ということになる。ましてネットの場合、リアルとは違い「外部」は完全に可視範囲の外にある。おそらく彼らにしてみれば不意打ちの感覚が強いだろう。

出典:24時間残念営業

このインターネットの「概念がよくわからない」ということだけについて取り上げれば、実はこうした騒動を起こしている連中とは無関係と思っているような大人達も同じ程度に「馬鹿」であることは往々にしてあることで、その典型的な事例が省庁や企業等でGoogleグループを使って機密情報をダダ漏れさせていた事件だったと言えます。

Googleグループがあまりにも情報ダダ漏れ状態で失神した(Hagex-day info 2013/7/12)

中央省庁だけじゃない「グーグルグループ流出」 専門家「アメリカに監視されている可能性が高い」(J-CASTニュース 2013/7/10)

ネットサービスについてのリテラシー問題は、このように教育があると考えられている人達でさえもが十分に理解できていないわけですから、さらにリテラシーの低い層に対してどう教えていくかというのは非常に大きな課題です。一朝一夕で全てを解決できることではありませんが、スマホが当たり前という時代がやって来た今、できることから手をつけていく必要があるでしょうし、その役目はまず教育にあるのではないかと感じます。

それにしても、24時間残念営業さんのブログの最後に書かれた一文は重たいです。

同じ場所でけっこうな期間にわたって店をかまえていて、彼らが高校生のころから見てたりもするんだけど、昔だったら、男は肉体労働、女は水商売っていう上がりのかたちがあったはずなんだけど、受け皿のほうが少ないせいか「どうやって生活してんだろこいつら」と思うようなのが増えてる。

出典:24時間残念営業

おいやめろ。やめてさしあげろ。やめてくださいお願い申し上げます。