「違法パクリアプリ」製造元を追う(訂正あり)

山本一郎です。残暑はいやざんしょ。

冒頭から一世一代の大爆笑ギャグを放出したところで、違法パクリアプリ関連の続報です。

スマホアプリ市場でパクリが横行していて凄いことになっています

元々は、盛大にパクられて被害にあったアイコンメモさんでの問題なんですが、その後の調べは随所に広がっております。

パクリ撲滅のためアプリ無料セール「オリジナル移行キャンペーン」を開催します

パクリアプリ事件のその後:悪質アプリはストアから削除、そして黒幕の正体とは?

パクり・ダメ・絶対!開発者泣かせの盗作アプリの現状を徹底検証!

パクリアプリ撲滅キャンペーンに対抗してパクリ業者がApp Store 1位を強奪?

特定に関しては「The StartUpの中の人って職歴おかしいよね?」さんから一部の情報を頂戴しました。特定方法については以下図版をご覧ください。

違法アプリ(提供「The StartUpの中の人って職歴おかしいよね?」さん)
違法アプリ(提供「The StartUpの中の人って職歴おかしいよね?」さん)
違法アプリ(提供「The StartUpの中の人って職歴おかしいよね?」さん)
違法アプリ(提供「The StartUpの中の人って職歴おかしいよね?」さん)
全驥さんご尊顔&タイムズラーク社)
全驥さんご尊顔&タイムズラーク社)

そんなわけで、問題とされていた違法パクリアプリの製造元は株式会社グローバルエージェントであり、その代表取締役の全驥さんなる在日中国人であります。先週来、グローバルエージェントに質問状をメールで送ったり、イタ電を入れるなどして事情を聞こうとしていたんですけれども、サイトさえもなくなってしまいました。

日本国籍を取得しているかどうかは、現在出身校とされている神戸大学に問い合わせをしようとしています。その関連先として浮かび上がってくるのは四川省成都で設立されているソフトウェア会社で、現地に連絡を入れて日本人の有無を確認したところ、数ヶ月前までは開発協力先の社員を受け入れていたとの回答がありました(後述)。

パンダの仕草に癒やされて

パンダの仕草に癒やされて

http://www.peeep.us/9f8a9040 (魚拓)(魚拓)

調べていくと成都での開発会社はいまなお存在しているようです。入金口座も特定。

成都知迅?件技?有限公司

http://qy.58.com/30541990/

で、このグローバルエージェント、のちにKDDIに買収されるネット広告技術会社ノボットと開発提携をしています。

ノボット、グローバルエージェントと業務提携 ~スマートフォン向けアドネットワーク「AdMaker」のSDKを共同開発~

http://www.peeep.us/40126fd7 (魚拓)

そこには、グローバルエージェント社の説明として以下文言があり興味深いです。

■グローバルエージェントについて

iPhone/Androidなど次世代型モバイルプラットフォームで動作するアプリ開発を行っているスマートフォンアプリ開発のリーディングカンパニーです。iPhoneアプリの開発を2008年7月から開始し、自社開発及び共同開発を続けてきました。現在iPhoneアプリの開発チームは、全体で約50名のエンジニアが成都に常駐し、世界中のiPhone/Androidアプリのリサーチ・研究と開発を進めています。

このグローバルエージェント社がどのようなアイテムをアプリとして開発してきたかというのは、iStoreで「Global Agent」で検索するとゆるゆる出てくるんですが、何というか、実に中華です。

KDDIの中の人にこっそり聞いた限りでは「ノボットの件でグローバルエージェントが主体的に活躍したビジネスは特になく、開いた穴があるわけでもないので、無風だった」とのこと。本当か。

なお、グローバルエージェント社がノボット社と連携して開発したはずのAdMaker SDKについては、すでにmedibaの「mediba ad」に統合されてしまいました。

mediba、スマートフォン向けアドネットワーク「AdMaker」を「mediba ad」に統合

さて、このグローバルエージェント社の全驥さんをトレースいたしますと、新たにスマホ向けゲーム開発の受注を手がけているタイムズラーク社という法人を独資で設立しています。

法人を名乗っていますが、登記が出てきません。みなし法人か何かでしょうか。ただ、本人がそう言っているんですから間違いないところです。

このタイムズラーク社を追っていきますと、ここに発注をしているソーシャルゲーム会社が幾つか出てきてしまいます。違法パクリソフトの制作元締めであることを知らなかったのでありましょうか。

この全驥さんが出入りしている関西の交流会などで彼を知る人たちからは「いくつかの日本のデベロッパーの受託を受けて中国で開発しているが、ソースコードを中国企業に流用される危険を考えるとちょっと近づきづらい」「仲間内の笑い話として”完パクは任せろ”みたいなことは本人は言っていた」などの証言は得ております。

その中で、すでにリリースされ表ざたになっているのはaiming(エイミング)社のこのタイトル。

Aiming、リアルタイムバトルRPG『ロードオブウォー』のAndroidアプリ版をリリース

このゲームへのレビューが5,400件あまりあるにも関わらず、最新のレビューコメントが13年5月24日で止まっているのは何を意味するのでありましょうか。ゲーム自体はよくできているんですがねえ。

上記成都のソフトウェア会社に連絡をして確認する限りでは、確かにエイミング社の日本人社員が数名成都と行き来し半常駐の人もいるという話でしたので、まず間違いないのだろうと思います。なお、違法パクリアプリをやらかしたのはグローバルエージェント社であって、タイムズラーク社ではないのではないかという指摘がありましたが、グローバルエージェント社はデベロッパー登録の窓口に過ぎず、実質的な「パクリアプリ工場」は成都にある成都知迅?件技?有限公司であり、不正なアプリで収益を上げていたのだとするならば、訴追の対象となるのは全驥さんでありましょう。

エイミング社にも、公式窓口を通じて、本件取材を申し込んだんですが、現段階では回答はありません。一部情報では、上記グローバルエージェント社およびタイムズラーク社の経緯や、成都での開発の流れの中で、全驥さんが少なくとも2008年から16件以上の違法パクリアプリに携わっていることを知りながら、エイミング社は成都開発での制作単価の安さに惹かれて制作を発注したとのことで、その事情を知りたかったわけですが。

また後日、本件の流れに関してはみんな大好きサイバーエージェント社やクラブ社の面白事情についても順次書いていきたいと思いますが、ご承知の通り6月下旬からGoogle Play内でスパム行為を行っているデベロッパーに対し、警告が行われています。

一般論として、まだGoogleやAppleが出てきて警告されている程度であれば良いのですが、レビューの多重投稿やなりすまし、サービス終了アプリから既存の稼動アプリに飛ばすなどの対策だけでなく、ランキング操作や自力有償ブーストは国内法に問われる可能性もあるという認識を強く持っていただきたいところであります。

スマホアプリがレッドオーシャンとなり、競争激化に拍車がかかった結果、脱法的、違法なアプローチで不正な競争を仕掛けようとする会社は、可能な限り鉄槌を下しておいたほうが利用者にとっては利益になることは間違いないので、早いところ適切な形で自浄の努力が払われ、然るべき当局による法規制が制度化されることを期待してやみません。

はいはい、miximixi。

(訂正 25日 22:36)

iOSレビューについては、日付のソートでその後のレビューが見られること、また情報提供があり、すでに当該レビューでスパム(なりすまし)と思われるものは多数が削除されたとの連絡を戴きました。よって、本文中の一部内容について取り消しさせていただきます。ご指摘いただいた皆様、ありがとうございました。