「スマホde子守」の是非

山本一郎です。一郎と名乗ってはいますが、育ちは複雑な家庭です。

ところで、日本小児科医会という一般社団法人が「スマホ子守やめて」という議論をぶち上げ、物議を醸しております。醸している場所は、主に私の心の中の主観と理性との間です。主たる理由がこの日本小児科医会のサイトからは良く掴めないのですが、読売新聞がそう言うからにはそう主張しているのでしょう。

一般社団法人 日本小児科医会 公式ホームページ

スマホ子守やめて…小児科医会 啓発へ(ヨミドクター 13/11/16)

ただ、日本小児科医会の内海裕美常任理事は「乳幼児期は脳や体が発達する大切な時期。子供がぐずるとスマホを与えて静かにさせる親がよくいるが、乳幼児にスマホを見せていては、親が子供の反応を見ながらあやす心の交流が減ってしまう」と指摘する。また、画面をなぞるだけの仮想体験を重ねることが、手の機能や五感を育むことに影響を与えかねないと心配する。

出典:スマホ子守やめて…小児科医会 啓発へ

そりゃ乳幼児なのですから、スマホやタブレットを与えることで発育について影響がないわけがないでしょう。ただ、それがすべてにおいて悪い影響であるかは分かっていません。乳幼児にスマホを与えて夢中になると、親とのコミュニケーションが減り、あやす機会が乏しくなる弊害があるのは仕方がないとして、親の立場で申しますと「交流などどうでもいいからとりあえず静かにしていて欲しい」とか「あとで存分に遊んでやるのはいいから、いまは大人しくしてろ」などという機会が発生したとき、強い味方になるのはスマホアプリやyoutube動画などです。

山本家の長男&次男。親に似ず腕白です。
山本家の長男&次男。親に似ず腕白です。

山本家においては、4歳を迎えた長男は勢力が衰えないまま、2歳の次男は自我が出てきて熱帯低気圧から大型の台風へと発達を続けています。現在2ヶ月となった三男がまもなく首が据わり始めると「泣いて何かを要求する」ことを覚えて騒ぎと被害が拡大する年頃を迎えるという点で、育児疲れの夫婦の精神に上陸直撃待ったなしの情勢であります。

原則としてろくなことをしない兄弟。写真は必殺技じゃがりこ忍法。
原則としてろくなことをしない兄弟。写真は必殺技じゃがりこ忍法。

基本的には、レストランや電車などの公共交通機関など、騒いで欲しくない局面で必ず騒ぐ仕様になっています。この親の顔が見たい状況に陥るのは、私たち親の教育が悪いのではありません。そこに子供が登りたがる高さのソファーだったり、子供が投げやすい形状の調味料入れがあったり、くぐって腹ばいになるのに適した大きさのテーブルであるとか、騒いでいる子供を見ると露骨に嫌な顔をする年寄りやカップルに責任があります。怒っても、怒鳴っても、懲りずにやるのは何故なのか分かりませんが、放っておいて対策を怠ると大惨事が発生します。つまり、隣のテーブルでデートしているアベックめがけて飛んでいく胡椒瓶であり、電車の座席に座り程よい高さにある老人の顔のまん前に突き出される尻であり、静粛なレストランの一角で盛大に歌われる『ピタゴラスイッチ』のテーマ曲や「おかあさんといっしょ」の『ドコノコキノコ』であります。親の行う躾は良いのに子供の行儀が悪くて困ったものなのです。

「洒落たレストランの背もたれに登る」という基本動作を難なくこなす兄弟。
「洒落たレストランの背もたれに登る」という基本動作を難なくこなす兄弟。

先日、六本木の豚組で家族飯をしていたところ、突然次男が奇声を挙げてガラス戸に体当たりし、その積極的な活動に刺激を受けた長男が他のテーブル客めがけてしゃぶしゃぶ用の肉を手づかみして投げるという事案が発生。他の個室で料理をお楽しみいただいているお客様に「ねえ、知ってる? うんこが出るのはお父さんのモモ」などという卑猥な言葉を発しておりました。ひとしきり怒られたあとで座席の背もたれに登り始め、高いところで踊り始める兄弟。必死に降ろそうとする家内と私。その一瞬の目を盗んで足を見事に滑らせて落下して頭打ってコブ作って号泣。店内に響き渡る泣き声。30分ほど泣いた後で、すべてを忘れて再び遊び始める兄弟。これが年子の三兄弟を持つ親の日常ですよ。朝から晩まで頑張って育児していても、何でもするのが子供というものであります。

騒ぐ兄弟に効果覿面。夫婦の時間作りの強い味方、iPad。
騒ぐ兄弟に効果覿面。夫婦の時間作りの強い味方、iPad。

私たち夫婦が何も悪くないということを存分に読者に印象付けたところで、出てまいりますのはこちらのiPad。もうね、これのお陰で父親母親が人間らしい生活が送れるのだといっても過言ではないほど、大騒ぎが日課の兄弟には抜群の効果をもたらしてくれます。最高。とりあえず、これを出して『トイストーリー』とか『カーズ』など観始めると、20分ほどは静かにしてくれるのです。これだけでAppleとディズニーによる神の恩恵を享受した気分になれます。いや、素晴らしい。落ち着いて飯が喰える。子供が椅子に座っていてくれる。こんなにありがたいことはありません。

そして、20分ほど観た後は、しっかり飽きる。他の家では一度与えるとずっと観ている子もいるみたいですけど、山本家兄弟の場合はiPadをひとしきり見終えて納得すると、玩具で遊んだりお喋り始めたり、iPad見る前よりは少しは大人しい時間の潰し方にギアチェンジしてくれます。っていうか、少なくとも次男はこれで何文字かひらがなを覚えました。

こんなスマホで少しの時間大人しくしてくれて、他人に迷惑がかからず親も息抜きできるんであれば、そう多くない時間与える分には何の問題もないのではないでしょうか。なんか「来月から、スマートフォンの利用を控えるよう保護者に対し啓発活動を行う」そうなのですが、利用を控えることが子供に対する悪影響を減ずることができるという根拠がない限りは、山本家は我が家の平和と安定を護る為にも頑とした否定をせざるを得ません。子供を投げっぱなしにしてスマホやタブレットを使わせ放題だという話ならともかく、必要に応じて子供が観たいものを見せ、また騒がれると困るタイミングで時間を区切って子供に使わせる分には何の問題もないのではないでしょうか。

私の子供のころは、ある種「テレビに子守をさせるな」的な言動が流行っておりまして、中学ぐらいに「ゲームが子供に悪影響」とまで言われておりました。たくさんテレビを観てゲームを人生の趣味として長くいじってきた結果、現在のような時代の最先端な感じの素晴らしい人生が爪先立ちで歩めているわけです。「ゲーム脳」とか嘘だと思いますよ。子供に時代時代の技術や文化を吸収させていけるような教育をしたい人はうまく使い方を考えながらスマホでもタブレットでも使って育児するのがいいんじゃないかと。

こちらからは以上です。