2年近く続いた不毛なウイルスバスター冤罪事件がようやく終決したようです

山本一郎です。私も長年に渡りハゲ呼ばわりされるという冤罪と戦って参りましたので、気持ちが良く分かる事例でありますが。

問題が指摘されながら2年近くの間全く改善されることのなかったトレンドマイクロのウイルス対策ソフト「ウイルスバスター」の不具合がようやく修正されたようです。この問題で長い間ご苦労されてきたINASOFTの矢吹様は本当におつかれさまでした。今後のますますのご活躍を願わずにはいられません。

トレンドマイクロ社より連続誤検知問題の根本原因だったウイルスバスター不具合の修正が完了した旨連絡がありました(INASOFT 管理人のふたこと 2014/1/21)

一昨年(2012年)の5月よりお知らせしていた、トレンドマイクロ社のウイルスバスターによる連続誤検知問題と冤罪被害者救済拒絶問題ですが、トレンドマイクロ社より連続誤検知問題の根本原因だったウイルスバスター不具合の修正が、2013年12月に完了した旨連絡がありましたのでお知らせいたします。

出典:INASOFT

この件の経緯については細かい履歴情報が同社のブログに掲載されていますのでそちらを参照していただければと思いますが、こちらを読む限り過去のトレンドマイクロ側の対応がおしなべておざなりな印象を受けるのは私の心が曇っているからなのでしょうか。

いじくるつくーるがウイルスバスターによりダウンロードブロックされる件(INASOFT 管理人のふたこと)

あまりの事態の有り様に義憤を感じた一部ネットメディアが記事として取り上げることもありましたが、残念ながらそういう訴えも抜本的な解決には至らず、2012年の7月にはINASOFT側が心折れてソフトの提供を中止してしまいます。

ウイルスバスターが「いじくるつくーる」のダウンロードを誤検知してブロック、挙げ句の果てに「オンライン詐欺に関係していることが確認」と表示して作者が抗議(GIGAZINE 20132/6/11)

過剰セキュリティの落とし穴(窓の杜 2012/6/12)

「いじくるつくーる」作者がウイルスバスターのブロックに激怒、トレンドマイクロが対応するまで更新停止を決定(GIGAZINE 2012/7/10)

また、2012年12月には読売新聞が改めてこの問題を記事として取り上げますが、やはり直ぐの対応などは無かったように見えます。

健全サイトを「詐欺」、対策ソフトの誤検知多発(読売新聞 2012/12/21 元記事削除済みのためウェブ魚拓から)

その後、遅まきながらトレンドマイクロが本格的な対応に着手したのは2013年の7月上旬。同社の上席執行役員が状況を認識して社内体制を再構築し、7月下旬から開発部門にて対応作業を開始したとあります。(INASOFT

結果的に、問題が発生してから1年8か月の年月を費やしてようやく今回の解決に漕ぎ着けたわけですが、あまりにも無駄に長い時間が浪費されてしまったとしか言いようがありません。INASOFTの矢吹氏は別のブログ記事で以下のようにコメントされています。

重要なお知らせ(INASOFT 管理人のひとこと 2014/1/21)

今回、無事にトレンドマイクロ社のウイルスバスターの不具合が解消され、また公式発表もされたことは大変喜ばしいことではありますが、逆に、誤検知対象が企業ではなく個人だった場合、不具合の修正にしろ公式発表にしろ、実施してもらうのにこんなにも長くの時間がかかり、こんなにも苦労するのだな、ということを感じました。

出典:INASOFT

ウイルス対策ソフトはその機能的な性質上、どうしても誤認識をしてしまう可能性はあるわけですが、そういった誤りが生じてしまった場合に適切かつ迅速な判断と対応が行われてこそ信頼に足るウイルス対策ソフトであると思うのですが、それを実現するのはなかなかにむつかしいことなのでしょうか。

今回の件を受けてトレンドマイクロでは今後同様な事例が発生した場合には素早い対応ができるように体制を整えたとしていますが、言葉だけではなく行動でそれを示してほしいと思いますし、また、他のウイルス対策ソフト提供企業もこの事件を他山の石として同じ過ちを犯さないようにしていただきたいものと強く願う次第です。