辻元清美女史とリベラルの復権その他で対談をしたんですが、話が噛み合いませんでした

真正面から灼熱の眼差しで議論をされる辻元女史の前で凍りつくわたくし

山本一郎です。先日は学生さんに席を譲られるなど老人くささを炸裂させておりますが、まだ41歳厄年です。

ところで、先日茂木健一郎先生と噛み合わない議論をしたり、長谷川豊とも噛み合わずにいたところ裏紅白で相撲を取ることになるなど、さんざんな一年を送っているわたくしでありますが、ご縁があり、一部ネットではダークアイドル的な存在感を醸し出しておられます辻元清美女史とお話をする機会がありまして、折角なので是非読み物にしてみようと思い立った次第であります。

そのイメージも、在日の噂やらピースボートといった不可思議な事象に彩られており、ついには秘書給与流用のかどで逮捕、起訴、有罪となってしまう悲劇にまで繋がっていくわけなんですが、そんな辻元女史の高槻市の事務所はあやしい一角にある雑居ビル。なんとも慎ましい感じで。足を踏み入れたら画面が切り替わってモンスターと戦闘になってしまうんじゃないか的な。

なんかこう… 微妙な感じの佇まいを醸し出す辻元清美事務所。
なんかこう… 微妙な感じの佇まいを醸し出す辻元清美事務所。

で、お目にかかってご挨拶して、そこから怒涛の二時間という対談は非常に興味深いものでありました。全編は私のメルマガの『人間迷路』のほうで掲載しようかとは思っていますが、かなりぶっちゃけて「やー、辻元さんにはいいイメージないんですよね」とか「在日なんですか?」みたいな話をぶつけて、最後は社会保障どうするんだという日本の今後20年の課題についてお互いの問題意識を語りあったりもしました。興味本位ではなく。主義主張は辻元女史と私ではぜんぜん異なるのですが、結局は日本人、日本社会、日本国をどうしていこうというところで頭を悩ませているという点では一緒でしてね。非常に真面目で行動派でいらっしゃいました。

もともと辻元女史とは名刺交換程度のご面識や、某菅直人せんせが上り詰める直前の国家戦略室立ち上げのときなどの会議に置物としてご一緒した程度で、サシでお話する機会などなかったのですが、思った以上にお話が面白く。国交省副大臣時代の海上保安庁の船建造などでみんな口を揃えて「イメージと実物が違いすぎる」との評は正しかったなあと感じました。

終わってから、高槻の駅前での活動も拝見しましたが、何と言うか実にパワフルで。凄かったです。自分には出来ない、という意味で。その後、変わった感じの人に絡まれたりしてたみたいですが、なぜ私のいるところで事件が起きなかったのだ…。

てな感じで長い対談のごく一部ではありますが、お裾分け。お楽しみいただければと思っております。よろしくお願い申し上げます。

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■辻元清美さんは在日朝鮮人なんですか?

山本:「みんなが聞きたいんじゃないか」と思うことから質問させてもらってよろしいでしょうか。

辻元:どうぞ。

山本:辻元さんって在日朝鮮人なんですか?

辻元:違いますよ。

山本:ネット上では、本気で信じている人も結構いますよね。

「辻元清美 在日」とかで検索すると40万件ぐらい出ますし、韓国寄りの立場で発言をする人だ、という印象を持たれ過ぎている部分が多くあります。北朝鮮と繋がっているとか、日本赤軍の関係者だ、とかね。

政治家としては、こうした微妙な風評は止めないとまずいと思うんですが、どうしてほおっておいているんですか。

辻元:私は、ネットに限らず、週刊誌にも新聞にも山ほど事実じゃないことを書かれているんですよ。偽造写真、発言の一部を切り取って、勝手な解釈をされることも数えきれないほどあります。

山本:確かに。震災のデマはひどかったですね。

辻元:拡散したのが、産経新聞記者で、さすがにそれはないだろう、と訴訟を起こしました。もちろんこちら側の完全勝訴でした。ただ、私は「事実じゃないことはそのうち消滅していくだろう」と思っていて… それがダメだったんですかね?

山本:そりゃダメでしょう。完全な嘘が、多くの人にリツィートされ真実だと思われてしまっていますね。

辻元:そうみたいですね。本当にこうなると、どうしたら良いのかお手上げで…。

山本:あと伺いたいのは、辻元さんは私のような保守主義者から見ても良く分からない点があって。

辻元:はい、なんでしょう?

山本:国土交通省の副大臣をされているとき、海上保安庁の警備能力増強を訴えて、大型巡視艇の「あきつしま」の建造を進められましたよね。

辻元:必要でしたから。

山本:それが意外でね。

辻元:そうですか(笑)? 安全保障委員会では長いこと日本の防衛政策を見る機会があって、海保は日本の平和維持にとって大きな役割を果たしていると考えてました。

山本:ほう。

辻元:だって、考えてみてください。北朝鮮はいる、中国はせり出してくる、海の安全を守るために一番最前線に立っているのは海保です。もしも不測の事態があったときに、海上自衛隊がいきなり出て行ってしまったら、それは相手国にとっても引っ込みがつかなくなってしまいます。

山本:確かに警察力の範囲内で処理できるのが最善ですね。

辻元:いきなり完璧な対応はできなくても、海保の設備を充実させればいろんな対処の方法は考えられるようになる。海保のメンバーは士気はとても高い。信頼できる人たちが揃っているのが誇りです。でも、船が足りなかったらそれで終わりです。

山本:ちょっと前には赤珊瑚を漁る中国船が問題になっていましたしね。

辻元:そう。中国人だろうとどこの国民だろうと、違法なものは違法としてちゃんと摘発する必要があって、そのための設備を整備することは大事だと思ってます。

山本:今頃、大型巡視艇の「あきつしま」なかったら大変でしたよ。

辻元:そう。あの頃は財務省とか反対だったんですけどね。かなり押しました(笑)。

山本:それから、国交副大臣のとき辻元さんは、中国人個人観光客のビザ要件緩和して、これもずいぶんと「売国奴」批判をされましたよね(笑)。

辻元:そうですね(苦笑)。でも、日本がこれから観光産業をどんどん発展させていこうというときに、隣の国が豊かになった、その旅行者を受け入れられないというのはもったいないと思ったんです。日本に来て、いいところを見て、お金をたくさん落としていってもらいたい。

山本:この政策は経済効果は非常にありますよね。特に地方は。

辻元:はい。例で言えば、北海道の観光を考えるとき、地元経済界からも「緩和してほしい」と言われていました。実現したあとは随分感謝をされました。

山本:新千歳空港は航空自衛隊の千歳基地に隣接していて、中国機の着陸は時間で制限をされてましたもんね。

辻元:難しかったですけどね。地方の経済の立て直しは大事ですから。

山本:で、空前の北海道旅行ブームが(笑)。

辻元:はい。中国で「狙った恋の落とし方」っていう大ヒットした映画の舞台が北海道で、これが呼び水になってアジアからの観光客が過去最高の640万人になりました。中国との関係は緊張することも多いですけど、中国に対してダメなものはダメ、でも手を取り合えるところはちゃんと握るというのが大事だと思うんです。観光も貿易も。

山本:しかし、辻元さんなりにお考えになって、日本にとっていいことをやろうと頑張って実現しても、これだけ、ガセネタ含みの批判が大量に出るのは悔しいでしょう。

辻元:そりゃ悔しいですよ。

山本:辻元さんがアレコレ書かれはじめたのは90年代半ばぐらいからだと思いますが、2000年ごろから政府関係者からも「(辻元さんについて)ネットでこういう話があるんだけど、本当なのか」と聞かれたことが何度かありました。当時、辻元さんが公安から警戒の目線を向けられていたのは事実です。それで、彼らが疑うきっかけになったのはピースボートの活動なんですね。なんか若い人乗せて北朝鮮に寄航するとか、けしからん、とか。このピースボートでは実際どんな活動をしていたのか、教えていただけますか。

辻元:ピースボートを立ち上げたのは1983年、23歳大学生のときで、その後13年ほど関わりました。最初のきっかけは、大学に入る前に予備校で英語講師をしていた小田実さん(ベ平連などの活動、『何でも見てやろう』などの著作で知られる作家・政治活動家)と知り合ったことでした。もともと大阪で育ったので在日韓国朝鮮人の友だちもたくさんいましたし、貧困や差別の問題も身近だったこともあって、社会問題には関心があったんです。

山本:なるほど。

辻元:その後、1980年に早稲田大学に入学したんですけれども、小田さんから私のところに「(民主化を支援する)国際会議を開くから手伝え」と連絡が来た。それで、実際に手伝うことになったんです。

山本:そのときは、バックグラウンドとか気にせず、自由な感じで手伝っていたんですか。

辻元:ええ、学生ですし、気軽なボランティアですよね。当時、事務所にはいろんな人が出入りしていたんですけど、彼らがどんな人たちかもよくわかっていなかった。よく覚えているのは、第三書館という出版社の社長も事務所に来ていて、私はその会社にバイトに行くことになったんです。そこで自分の企画した夏目漱石の本を作らせてもらえることになって、あれは、うれしかったですね。

「ピースボートがいかに怪しく見えるか」を熱弁するわたくし
「ピースボートがいかに怪しく見えるか」を熱弁するわたくし

■「だって実際に見にいかな、わからへんやん」

辻元:それでね、私たちがピースボートを立ち上げる前に、小田実さんたちは、北朝鮮や中国にみんなで行く「アジア平和の船」を出そうと企画していたんです。当時は、レーガン大統領がソ連のことを「悪の帝国」と呼んだりしている冷戦の最中でした。いわゆる「敵国」と言われている国にこそ、行ってみなければいけない、ということで話が立ち上がっていたんですね。でも、結局、船を借りることができなくて、その計画はなくなってしまった。

山本:平和の船が何でややこしい国に行こうとするんですかね… 火薬庫みたいなもんじゃないですか(笑)。

辻元:一方、私たちは小田さんたちのような発想ではなくて、もっとカジュアルに「船旅を楽しみながら、いろんな国に行って勉強できるようなツアーはできないか」と考えたんです。いわばサークルみたいなノリで立ち上げたのが、ピースボートだったんです。

山本:ピースボートの活動が、どうして警戒されるのかというと、「船のツアーを利用して"オルグ"しているんじゃないか?」と勘ぐられるからですよね。確かに、外から見ると恐ろしいことをしているようにも見えるんです。いくら関係者が「サークルみたいなノリだ」と言っても、やっていることは、社会のしくみも国際貢献のあり方も何もわかっていない若者に対して、ピースボートという団体が持つある種の価値観のフィルターを通して世界を見せるということですから。

だから、穿った見方をする人からすれば、国際的な問題に興味がある若者を船に乗せて、ピースボートの都合の良いように思想を教化したり、言い方は申し訳ないんですが洗脳しているように見える。それこそ、辻元さんご自身が予備校時代に小田さんと出会って影響を受けたように、若いうちは新しい価値観に染まりやすいじゃないですか。「こんな考え方もあるんだ」と強く感化されて、場合よっては興味本位で来た若い子が参加して「それがすべてだ」と思ってしまう場合もありますよね。

左翼活動を行う若者の勧誘部隊がピースボートだ、という印象は、いまでも根強くあると思うんですよ。また、反戦運動を手がける一方で、危ない国にも行くと反対しているはずの自衛隊に警護を求めることになる。矛盾もあると思いますよ。

辻元:うーん、でも私は、スローガンを掲げて、ルールに従って一糸乱れぬ活動をして、帰ってきてから仲間に向けて帰朝報告を書くような旅には、絶対にしたくなかったんですよ。よく言っていたのは「ピースボートは、ジグソーパズルだ」ということ。乗ってくる人たちの個性によって、旅の形が作られていくようなものにしたかったんです。だから、参加者を感化させようとかそんな気は毛頭なかったですね。

それにね、私のピースボートでのポリシーは、「港があるところへはどこでも行く」というものだったんです。北朝鮮だろうが、韓国だろうが、ベトナムだろうが、行けるところへは行く。実際、韓国と北朝鮮の両方に行って、冷麺はどちらがおいしいか食べ比べするような企画もありました。ですから、いわゆる左翼活動や市民運動をしている人たちからは、よく「無節操」だと批判されましたね。当時マルコス政権下だったフィリピンへ行こうとしたときも、「独裁政権を支持するのか」と攻撃されました。

山本:え、左翼や特定の市民団体の人たちはピースボートの活動には親和的だと思ってました(笑)。やっぱり、そういうことを言われるんですか。

辻元:ええ、結構厳しく言われましたよ(笑)。でもね、私からすると「だって実際に見にいかな、わからへんやん」って思うんです。

山本:なるほど、そういうお考えでしたか…。ただ、邪推をされても仕方のない部分もあると思うんです。たとえば「なぜ、北朝鮮に行ったんですか」という疑問に対して、「いや、いろんなものを見なきゃ始まらないからだ」という答えを聞けば、確かにその通りだと思います(苦笑)。でも、そうした背景を知らない人たちからすれば、北朝鮮に寄港したこと自体が「あやしく」見えるでしょうが!

辻元:北朝鮮に行ったときのキャッチコピーは「ミラクルツアー・ピョンヤン」でした(笑)。

山本:ミラクルすぎますよ(笑)。そこだけ切り取って見るとヤバい奴大集合じゃないですか…。

辻元:(笑)。ただ、そのときは単純に「独裁国家はどんなものなのか、見にいこうよ」というスタンスだったんです。

お会いするとチャーミングな女性ですがねえ。ネットだと化け物みたいなイメージですが
お会いするとチャーミングな女性ですがねえ。ネットだと化け物みたいなイメージですが

■リベラルの復権はあり得るのか?

山本:辻元さんのことを「あいつは在日朝鮮人だ」と言っている人たちのログを見ていくと、辻元さんのそういう体験主義的な考えを踏まえていないんですよね。

ピースボートが北朝鮮に行った話、拉致家族の問題についての発言…… そういうエピソードの断片を組み合わせていって、思い込みも混じりつつ辻元さんの人物像をスキャンダラスに作り上げているんだと思うんです。もっとはっきり言えば、「辻元は日本に対してマイナスの影響が出ることをやらかす人物だ」というイメージで捉えている。

辻元:そうなんですか……。

山本:でもね、実際はそういう意図ではないということであれば、辻元さんご自身が一つ一つ説明していかないといけない類の話だと思うんですよ。ご著書にも書かれていましたけど、辻元さんのご親族は反日どころか、親戚の方が太平洋戦争で国のために戦って亡くなられていたりするわけですよね。

辻元:ええ、祖父が戦争で亡くなっています。

山本:辻元さんのそういう属性にまったく触れられず、知られないまま、ただただネットでレッテルを貼られて風評だけが悪くなっていく流れは、やっぱり止めないといけないでしょう。

辻元:どうすればいいんですかねぇ。

山本: 今、日本でリベラルの旗を振って、まともな活動している人が少なくなってしまったわけですよ。たとえば、今の日本にあちこちにいるネトウヨというのは、幕末の攘夷運動家みたいなものです。彼らは「われわれが貧しいのは、ほかの国からプレッシャーを受けて日本人が不当に搾取されているからだ」ということを主張しているわけです。確かに日本の状況を考えると、そう思い、信じる人が増えるのは分かる。やっていることはともかく、日本のために、社会のために考えを発信したいという気持ちを持っている人たちでもあるわけです。でも、一方で、ちゃんとしたリベラル派の人たちが「日本人という垣根を越え、みんなで肩を寄せ合って、格差や差別の少ない共同体をつくろうよ。そうして日本社会を再興していこうよ」という志と能力を持った人たちが一定数いないと、建設的な議論ができないと思うんです。

辻元:リベラルの地盤沈下は大変なことになってますね。

山本:はい。私自身の政治信条としては保守主義ですが、ちゃんとした保守の考え方とリベラルの考え方とが高いレベルで議論を重ねて、政策を吟味し、高めあう関係にしなければならない。保守主義である私はこう考える、これが平等だと思っている、リベラルの人たちはこういう社会にしなければいけないと信じている、でも現実はこうだから政治はこうでなければならない、ということを互いの立場で意見をぶつけ合って、妥協してでも一つ一つ結果を積み重ねて進歩しようとするのが民主主義のはずです。理想というか。

辻元:よくわかります。

山本: でも現実は日本社会の右と左でレッテル貼り合って互いに中傷しているわけでね。こんな体たらくで日本はいいのかと思ってしまうんです。今回の選挙で予測どおりに自民党がまた大勝すれば、憲法改正も視野に入ってくるでしょう。政権にかなりのフリーハンドが与えられる可能性が高い。

辻元:はい。危機的だと思っています。

山本:「これからの日本人はどうやって生きていけばいいのか」「経済成長が止まったあとに社会保障をどうするか」「少子高齢化で日本人が減り、少ない労働人口でどう競争力を維持していくのか」といった懸案を串刺しにして政策を語れる人が必要なのに、リベラルの側に現実的でありながら大局を語れる人がなかなかいない。民主主義に備わっているはずのチェック機能が機能しなくなっているのは問題じゃないでしょうか。だからこそ、リベラルの復権についてはきちんと考えていかないといけないんじゃないかと思っているんです。

辻元: フランスのミッテラン元大統領の言葉に、「社会民主主義、それは崇高な理念をめざす哲学の政治であると同時に、現実ときり結ぶリアルポリティクスの覇者でなければならない」というものがあるんですが、まさにその通りだと思っています。つまり、理想だけ言っていてもダメなんだと。理念と、運営と、オリジナリティ。この3つのバランスをとっていかないと、どんな活動も長続きしないんです。ところが、日本の市民運動やリベラルと呼ばれる人たちの活動は、理念やイデオロギーに終始してしまうことが多いんですね。

山本:そこが残念なのです。

辻元:「理念はわかった。じゃあ、現実的にあなたたちは何をするの?」とだから私は、リベラルを再構築するとしたら、ひとつは「実践・行動」が重要なんじゃないかなと私は思うんです。

実は1998年に制定されたNPO法(特定非営利活動促進法)も、そういうスタンスから立案したものなんです。NPOの活動というのは、とにかく実践なんですよ。街づくりも、障害者支援や子育て支援、介護支援……。日常生活を送るにあたって困ったことがあれば、ありとあらゆることで、その支援を実践していく。その中で、社会全体を変えていこうという考え方がベースにある。でもね、これは「漢方薬型」施策なんですよ。

山本:じわじわと、少しずつ底上げしていく感じでしょうか。

辻元:今すぐ効果は見えないんだけれども、10年、20年経ったときに、日本社会の体質が改善されている類のものです。NPO法ができて、現在NPOは約5万団体になりました。1兆5,000億円規模、44万人の雇用を生み出しています。そして政府、自衛隊やNPOが協力して被災地の人たちを救う、昔では考えられなかったことが、当たり前のことになってきたんですよ。

山本:一方で、アベノミクスは「劇薬型」施策です。実際、国民が「わかりやすく、すぐ効く」政策を求めているのは間違いありません。安倍政権はそこを良くわかっていて、日銀の緩和をはじめとして、経済政策も即効性のあるものをベースにしています。そして、回りまわってそれが全体の経済をよくするに違いないという、ある種の期待感を持たせるような幻想も込みで、うまく説明しています。

辻元:成長戦略って、だいたいそういう話ですよね。それで本当に全体が改善したという結果は見当たらなかったりする。

山本:私は、正直に申し上げて、辻元さんとは政策についての意見は対立する部分も多いんですけど、辻元さんのような実務が分かっている政治家がリベラル側にいることは、とても重要なことだと思っているんです。

辻元さんがそういう人たちの中心にいて、増大するNPOや市民活動の守護神となって代弁するべきなのに、 むしろ、辻元さんが右派の攻撃対象どころか、袋叩きにされるための仮想敵にさせられている感じです。

辻元:仮想敵ですか。外からみたら、そんな状態なんですね。辛いな…。

山本:本当にそう見られてるのに気がついてなかったんですか?

辻元:自分のデマ消しよりも、大変な問題抱えてる人を助けるのが優先で。

山本:だからリベラルが弱いんすよ(笑)!

(了)