ゲーム課金の生活苦を理由に極悪非道な殺人が行われた事件の報道状況について

山本一郎です。極悪非道とは縁の遠い人生を送っています。

ところで、痛ましい強盗殺人事件の報道に関して、読売新聞のWeb掲載ニュース記事が途中で改変されたのではないかと一部ネット民の間で話題になっていたようです。

【スマホゲーム業界の闇】スマホゲームの課金の為に婆さんを殺した無職の記事→スポンサーの圧力からかスマホゲーム課金という動機の部分が削除される(ハム速)

「なんぞこれ」という感じですが、確かに読売新聞サイトの当該記事を見ると以下のようになっており、記事の中では特に課金ゲームでの借金などが原因といった話には触れられていません。

女性殺し、5千円とパンと菓子奪う(読売新聞 15/2/5)

そこで、まずは試しに「読売新聞 ゲーム 殺人」というキーワードを使って過去24時間に限定してGoogleで検索してみると、「女性殺し、5千円とパンと菓子奪う」という件名で上記URLと同じページがヒットします。興味深いのは件名の下に表示される記事本文の一部に「課金ゲームで生活苦、殺してでも金や食べ物」とあることです。これは明らかに記事が一番最初に公開されたときにはこうした文言があったということなのではないでしょうか。

さらにもっと面白いのは、gooニュースにある「Twitterで話題のニュース」というコーナーに残っている当該ニュースの見出しはしっかりと「課金ゲームで借金、女性殺し5千円とパン奪う : 社会 : 読売新聞」になっている点です。やはり最初に記事が公開された時点では異なる見出しが付けられていたようです。

なぜ、このような変更が行われたのかは謎です。はたしてネット民が指摘するようにゲーム業界からの圧力があったのでしょうか。なお、読売新聞では改めてこの事件の詳報を掲載しなおしており、こちらではゲーム課金で生活苦だったことがハッキリと書かれています。

一部修正された記事のキャプチャ。赴き深く薫り高い。
一部修正された記事のキャプチャ。赴き深く薫り高い。

「課金ゲームで生活苦、殺してでも金や食べ物」(読売新聞 15/2/6)

なお、ネット民の間では、テレビの報道はスポンサーの意向が反映するので、やはりゲーム課金云々については触れられないだろうという指摘があがっておりましたので簡単に確認してみましたところ、確かにこの記事を書いている時点ではNHKニュースを除いて民放キー局系ニュース記事では課金ゲームについて一切触れていないようです。

修正された記事その2。
修正された記事その2。

前橋の強殺 携帯電話のゲームで借金重ね犯行か(NHKニュース 15/2/6)

別の高齢女性殺害、夫婦殺傷容疑の男再逮捕(日本テレビ 15/2/5)

「殺してでも金や食べ物欲しかった」 前橋連続殺人(テレ朝ニュース 15/2/5)

前橋高齢者殺傷事件、強殺容疑で男を再逮捕(TBS Newsi 15/2/5)

群馬・前橋市高齢夫婦殺傷 強盗殺人などの容疑で男を再逮捕(FNNニュース 15/2/6)

なるほど、やはり民放テレビ局においては大型顧客に対する配慮が払われているということなのでしょうか。もしそうであるならば、この事件の内容が今後詳らかになる経過で、その配慮に何らかの変化が生じるのかどうかも気になるところであります。

携帯電話でのゲームもここまで普及すると一定の割合で変わった感じの人が出現するのは仕方のないところで、この事件をもって携帯電話でのゲーム全体を否定することもないと思いますが、どうでしょうか。