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【来日直前インタビュー】ギリシャが育み、オジーが愛したメタル・ギタリスト、ガスGが2017年3月来日

山崎智之音楽ライター
Gus G.

ヘヴィ・メタルの新時代を担うスーパー・ギタリスト、ガスGが2017年3月、ソロ・アーティストとしての日本公演を行う。

“ヘヴィ・メタルの帝王”オジー・オズボーンの相棒ギタリストとしてヘヴィかつテクニカルなプレイを披露。それと並行してファイアーウィンドでも絶大な人気を誇る彼のソロ・ライヴは、その軌跡のハイライトを集約したものだ。アマランスのエリーセ・リードがゲスト参加することも決定、チケット売れ行きも上々のようだ。

いよいよライヴまで待ったなし、ガスGが来日直前インタビューでその展望を語ってくれた。

●2017年3月の日本公演はどんなものになるでしょうか?

スペシャルなショーだ。ソロ・ライヴというだけでなく、俺のキャリアの集大成となる。2枚のソロ・アルバムだけでなくファイアーウィンド、ドリーム・イーヴル、オジー・オズボーン...それ以外にもサプライズを用意している。ソロ・アルバム『ブランド・ニュー・レヴォリューション』を2015年に発表してからヨーロッパとアメリカでツアーをやったけど、さらに曲を追加して、スペシャルなものにする。もちろんギターもたっぷり弾くし、メタル・ファン、ロック・ファン、ギター・ファンにとってのドリーム・ライヴとなるよ。これまで何度も日本に来たことがあるけど、ソロ・アーティストとして来るのは初めてだし、自分にとってもファンにとっても特別なものにしたいんだ。

●ファイアーウィンドの現シンガーであるヘニング・バッセも参加するし、ファイアーウィンドの最新アルバム『不滅神話/インモータルズ』からの曲もプレイするでしょうか?

そのつもりだ。ファイアーウィンドとしての日本公演に先駆けて、新曲をライヴでプレミア披露するよ。もちろん長年応援してくれたファンのために、昔の曲もプレイする。既にヨーロッパでファイアーウィンドとしてのツアーを開始しているし、全身が熱気に満ちた状態で日本に向かうよ。

●ヘニングは2007年のファイアーウィンド日本公演にも同行したことがありますが、どんなシンガーでしょうか?

これまでソロ・ツアーではジェフ・スコット・ソートやマッツ・レヴィンと一緒にやってきたけど、ヘニングは彼らと肩を並べるシンガーだ。素晴らしい声をしているし、最高のフロントマンだ。エンタテイナーでもあって、お客さんを盛り上げてクレイジーにさせるのもうまい。彼はまず第一にトラディショナルなヘヴィ・メタル・シンガーだけど、俺がやってきた幾つものバンドの曲をすべて歌いこなして、しかも彼自身のアイデンティティを持っている。彼とはファイアーウィンドで一緒にやっているし、ソロ・ツアーだと別のシンガーとやってみよう...と考えるのが普通だろ?でもヘニングは本当に最高だから、ソロでも一緒にやることにしたんだ。

●ゲスト・ヴォーカリストとしてアマランスのエリーセ・リードが参加しますが、彼女は何曲ぐらい、どんな曲を歌うのでしょうか?

ヘニングは柔軟性のあるシンガーだし、女性ヴォーカルのパートも独自の解釈で歌えると思うけど、やはり女性シンガーを数曲で起用したいと思ったんだ。どうせ起用するなら最高のシンガーが欲しくて、エリーゼに声をかけた。彼女は『ブランド・ニュー・レヴォリューション』の「ホワット・ライズ・ビロウ」で歌っているし、ライヴでもぜひ歌って欲しいと考えている。ファイアーウィンドがタラ・テレサと共演した「ブレイキング・ザ・サイレンス」もやるかも知れないし、3〜4曲で歌ってもらうつもりだよ。

●あなたが前回日本でプレイしたのは『オズフェス2015』でのオジー・オズボーンとのステージでしたが、どんなことを覚えていますか?

『オズフェス2015』は最高の経験だった!オジーと一緒にやるのはいつだって夢のような経験だけど、“オジー&フレンズ”としてデイヴ・ナヴァロ、トム・モレロ、ザック・ワイルド...自分がコピーしてきたレコードで弾いたギタリスト達とジャムを出来るのは凄い経験だったよ。大規模なフェスのヘッドライナーで、俺が日本でプレイしたショーでは最大のものだった。

●ゲスト陣を迎えたショーは豪華そのものでしたが、「もっとガスGのプレイを聴きたい!」というファンもいたかも知れませんね。

そういうファンは今回のソロ・ライヴにきっと満足してくれると思う。ガスG名義のショーだから、とにかく弾きまくるつもりだよ。ただ『オズフェス2015』でも俺はショーの大半の曲でプレイしたし、リードもかなり弾いていた。レジェンド達と共演できたし、最高のスリルでこそあれ、不満なんてなかったよ。

●オジーとは今後も活動を続けるのでしょうか?

俺はそうしたいと願っているよ!オジーはブラック・サバスで最後のツアーをやっていたし、俺もファイアーウィンドとしてツアーをしていたから、まだ具体的な話はしていないんだ。ただ7月にアメリカで3回ぐらいフェスティバルが決まっているそうだし、さらに新しい日程も決まるかも知れない。すごくエキサイトしているよ。今回のソロ・ジャパン・ツアーについてもいえることだけど、毎日何かが起こって、退屈するヒマなんてないんだ。ただ、 これが人生最後のステージになるかも知れないと常に考えながらプレイするようにしている。後悔を残したくないからね。

●ところで、あなたのソロ・キャリアの相棒シンガーの1人であるマッツ・レヴィンはキャンドルマスのヴォーカリストとして『ラウド・パーク16』に参戦しましたが、彼のキャンドルマスでの活動についてどう考えますか?

マッツと話したけど、『ラウド・パーク』でのショーはすごく楽しかったと言っていたよ。彼が日本を訪れるのは1990年代、イングヴェイ・マルムスティーンと来て以来だったそうだね。かつてキャンドルマスにはメサイア・マーコリンというカリスマ・シンガーがいたけど、マットだって凄いシンガーだし、まったく遜色ないと思う。ただ、正直キャンドルマスの音楽を真剣に聴きこんだことはないんだ。ドゥーム・メタルというスタイルにはあまり興味がなくてね。俺が好きな唯一のドゥーム・バンドはブラック・サバスだよ(笑)。

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Gus G. Japan Tour 2017 with Special Guest:Elize Ryd

〜 Melodic Power Metal Night Vol.20 〜

【東京公演】

3月22日(水)渋谷クラブクアトロ

開場18:00/開演19:00

【大阪公演】

3月23日(木)梅田クラブクアトロ

開場18:00/開演19:00

来日公演スペシャル・サイト

http://www.mandicompany.co.jp/GusG.html

ガスG.公式サイト

http://www.gusgofficial.com

音楽ライター

1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に1,200以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検1級、TOEIC945点取得。

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