コンテンツマーケティング成功の秘訣とは? ~ferret編集長・飯高氏インタビュー~

「広告が効かない…」

そう思い悩む広告主や広告代理店の声をよく聞く。

情報過多の現代、広告主が届けたいメッセージを、ユーザーに届けるのは至難の業となった。ユーザーは自分に不要な情報と判定すると、瞬時にその情報を容赦なくシャットアウトする。広告主本位の、ユーザーメリットがない情報に、ユーザーは耳も目も貸してくれない。

そんな広告が効かない昨今、オウンドメディアを持ち、見込み顧客に有益な情報を提供することで、ユーザーとの信頼関係を構築するマーケティング手法、いわゆるコンテンツマーケティングが注目を浴びている。

だが、「メディア初心者」である事業会社が、自身でメディアを持ち、定期的に情報発信をしていくのは、難易度が高く、その運営に頭を抱える宣伝担当者が多いのも事実だ。

コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントとはどんなものか?単月1500人の見込み顧客を獲得するオウンドメディアとしても注目されているWebマーケティングメディア「ferret」編集長の飯高氏に聞いた。

中小企業もお金をかけずにユーザーと繋がれる時代

柳内:ferretでオウンドメディアをやることになった経緯はどんなことなんですか?

飯高:ferretはもともとSEOやSEMのツールをWeb担当者向けに提供していました。しかし、時代の流れもありより情報を提供していこうということで、2014年の9月に一気にメディアに舵をきっております。その立ち上げのタイミングは私はJOINしています。ニッチな業界ではありますが、今や数字だけでいうと国内No1メディアとなっています。

なんで、このメディアを立ち上げたかというと、これまでのWebマーケティングにおける情報というのは手段別だったんです。例えば、SEO、リスティング広告、サイト制作などなど、それぞれに専門家はたくさんいて書籍やブログはたくさんあったんです。

しかしWebマーケティングを行う上で入口の戦略から出口の顧客化までを体系立てているメディアはほぼありませんでした。みなさんご存知の通り、Webの知識で100点を身につけるのってほぼ不可能なんです。しかし50点や60点であれば誰でも身につけることができる。ferretを通してそんな人を増やしていきたいという想いがあります。

またこれまでの世の中は事業者と消費者のミスマッチがおきています。Webに関してはお金をもっている企業がユーザーに出会いやすかった。しかし今はGoogleであれば小手先のことでなく、正しい情報を発信している企業が出会いやすくなっている。

つまり、中小企業であったもユーザーに真剣に向き合うことでしっかり情報を届けられるようになっているんです。

そういった企業が増えたらユーザーとしてもhappyじゃないですか。

オウンドメディア運営により単月で見込み客を1500人獲得

柳内:なるほど。Webマーケティングをキチンと体系的に伝えるメディアを、本気で始められたということなんですね。ferretメディアが設定している「ゴール」はなんですか?

飯高:ビジョンでいうと「Webマーケティングの大衆化」です。世の中には400万社以上の企業が存在します。そこのWebに関わる人がferretで学んだり、課題解決するようなメディアを目指しています。

柳内:それはユーザー側のメリットですよね。ferret側のメリットはあるんですか?

飯高:あとは自社ツールferretOneのオウンドメディアとしての役割もありますので、そちらにリード数です。

柳内:なるほど、自社ツールへの誘導というのが大きな目的になっているわけですね。実際にゴールは達成できてますか?

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飯高:それでいうと、まだまだです。立ち上げてもうすぐ2年で、ありがたいことに徐々に知ってもらえることができていることは実感しています。しかし、一歩地方に目を向けるとferretのことを知らない人なんてめちゃめちゃいます。都心部においてもまだまだ知らない方は多いです。ferretOneのリード数においては、6月単月で1,500件創出しています。そこに関しては設定通りの計画になっています。

柳内:見込み顧客にリーチして、実際に相当数コンバージョンしているのは、オウンドメディアの機能を果たしていると言えそうですね。

まだPVで消耗してるの?オウンドメディアを機能させるKPIの置き方

柳内:PVだけを追うようになると、結局どのメディアも似たり寄ったりになって、結果ユーザーの満足度を下げてしまったり、メディア立ち上げ当時の目標が失われてしまったりしますよね。そういう意味でKPIの設定が肝になってくると思うんですが、ferretではKPIを何においてますか?

飯高:まさに仰る通りです。ferretのKPIは「新規ユーザー数」です。PVであれば、ページネーションや無限スクロールであったりと技術的なことで水増しをすることができちゃいます。また、セッションだとしても、結果的にメディアを運営していてドメインが評価されればオーガニックの割合が多くなっていく。これはある意味多くの人が理想としている状態かもしれません。しかしメディアである以上、常に成長する必要があります。リピーター割合ってこともあるでしょう。それも大事な指標ではあります。そのメディアを好きだから訪問してくれているので。

しかし、先ほどもお話したように、メディアである以上は常に成長する必要があるので、ferretでは新規ユーザー数をKPIにしています。メディアって、KPIが多いんですよ。だから今の状況にわけて、しっかりとKPIを設定する必要があります。じゃないと、なんとなく伸びてるってことや、うまくいってないって曖昧な評価になってしまう。

柳内:KPIが多いと、チームも一丸となれず、パフォーマンスを発揮できないケースが多いですよね。そこで編集長がビシっとKPIを定めるのは重要ですね。

オウンドメディア成功例と失敗例の差とは?

柳内:先日、サムライト創業者の柴田さんと、オウンドメディアの成功例と失敗例の差は何かという話をしていて、メディアをやる理由(ゴール)が明確か?というのと、いい人材が配置できているか?という話になりました。飯高さんはどのようにお考えですか?

飯高:ここもまさにですね。ただあえて言いますが、オウンドメディアで失敗している企業は少ないです。失敗してる風なんですよ。

われわれは最近から企業のコンテンツマーケティング支援をはじめたのですが、問い合わせの多くが「立ち上げたはいいものの数字が伸びない」「どうコンテンツを評価すればいいかわからない」というように、そもそも目標設定すらできてないんですよ。それで失敗っていうのは間違ってますよね。目標があるから、失敗と判断できる。そういう意味で失敗すらできてないんですよ。

しかしゴールってあくまで理想です。そこがはっきりしても想定とずれることなんて当たり前なんですよ。だからそういうった意味で人材は重要だと思います。だからといって、やったことある人じゃないといけないかっていうとそんなことはないです。

今では国外や国内に成功事例があります。当たり前のことですが、先人がやったことをしっかりと知って行動していけばいいわけです。これはマーケターとしてやるべきことだと思います。

ということを踏まえ、やっぱり成功している企業って失敗を繰り返せてるんですよ。失敗をたくさんしろってことではないですが、失敗から学ぶことは多いんです。そういったこと考えると、成功と失敗っていう軸で考えるのはナンセンスです。成功するために失敗がある。だから意味のある失敗をしていく必要があると考えています。

柳内:なるほど。簡単に失敗だから撤退と決めつけるのではなく、粘り強く目標設定とその達成を何往復もさせて、トライアル・アンド・エラーしていくのが、オウンドメディア成功の王道と言えるのかもしれませんね。今日は、オウンドメディアについて重要な示唆をいただいたインタビューになりました。どうもありがとうございました。