どうするトヨタ カローラを開発した50年前を思い出せ。いま手放すべきは3つの思考ノイズだ

(写真:ロイター/アフロ)

トランプ氏のツイッター上のつぶやきが、大手企業の経営に大きな影響を与えているようですが、いま企業が今すべきことは、3つの思考ノイズを手放すことです。

右往左往する大手企業

ドナルド・トランプ氏は、2017年1月20日に大統領就任の予定です。その彼の政策に大企業が右往左往しています。フォード・モーター、キヤリア、ボーイング、ロッキード・マーチン、ゼネラル・モーターズ、旭化成、そして、トヨタ自動車までもが。

トヨタ自動車の豊田章男氏は、1月5日に行われた経済三団体(日本経済団体連合会、経済同友会、日本商工会議所)の賀詞交換会で、メキシコでの新工場建設計画(10億ドル投資)に変更はないとの見解を示しました(東洋経済)。

それを知ったトランプ氏は、すぐさまツイッターでこうつぶやきました。

トヨタはメキシコのバハ(カリフォルニア半島)に米国向けのカローラを作る工場を建てると発表した。とんでもない!

出典:朝日新聞社

そして、トヨタ自動車のジム・レンツ専務役員は、1月9日の北米国際自動車ショーでこう述べました。

今後5年間の米国での設備投資額は100億ドルで、過去5年間の投資額と同額になる

出典:ロイター

つまり、米国での設備投資はこれまでと同じように継続的に投資していくというものです。

昨年12月8日にトランプ氏と電撃会談したソフトバンクの孫正義氏の新たな提案(500億ドル投資)と比べられると、トランプ氏には単なる牽制だと取られるかもしれません。

気になるのは、トヨタの幹部が1月6日に言ったことです。

トヨタにはトランプ氏と太いパイプはない。会って説明できるわけでもなく、理解してもらうすべがない。

誰かに何かを言われて原則を曲げるようでは持続可能な経営はできない。

出典:朝日新聞社

もし、これが本当に経営判断のベースにあるのなら、とても残念です。時代が変わっている時に、何かに固執し、様子見している感じがします。直接会って説明してほしいと思います。

3つの思考ノイズ

時代が変わる時、経営革新が必要な時、経営者は次の3つの思考ノイズを捨て去るべきです。

  • シガラミ
  • コダワリ
  • オモイコミ

いま私たちがいる経営環境は、2016年までとは違うのです。経営者は、過去のシガラミを断ちきり、誰かのコダワリを跳ねのけ、先入観や固定観念といったオモイコミを捨て去る必要があります。

客観的な分析と創造的な発想のできる経営が求められているのです。

進化は、企業にとって必ずやってくることです。その時に、進化するかどうかは、経営の判断になるのです。

(中略)

進化の瞬間に「シガラミ」「コダワリ」「オモイコミ」があると躊躇してしまうものです。過去の栄光があったりすると、なおさらです。経営環境が当時のように戻ることを待つ前に、自らを適合させていくことを考えることが必要です。それに、気づいた企業が生き残っていきます。

出典:時代は変わった!経営は変わったか?『第三世代の経営力』(横田尚哉・著、致知出版社・刊)

川で言えば急流、道で言えば峠道

穏やかだった川でも、急に激流に差し掛かることがあります。真っ直ぐだった道でも、急にカーブ区間に差し掛かることがあります。

2017年の経営環境は、今までと異なる環境に差し掛かっていることは明らかです。後ろを見ている暇はありません。しっかりと前を向いて、状況に適合していくべきです。

私は、創造力を3日で引きだす「ファンクショナル・アプローチ」(以下、FA)の専門家です。FAは、こういう時にこそ役立つ経営改善のメソドロジーです。

実は、トヨタは、1962年から既にFA(同社ではVAと呼称)を導入し、1966年にはFAを使って「カローラ」を開発した、むしろFA活用企業なのです(トヨタ自動車75年史)。

もはや、使い方を忘れてしまったと言うのでしょうか。トヨタには、新しい時代に向かって進化し続け、未来を照らす存在になることを願うばかりです。