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心が折れそうなときに支えてくれる「メンター・アイドル」の作り方

横山信弘経営コラムニスト
心の拠り所は、過去逃げずにやり遂げた自分だけ。

心が折れそうなときの「アイドル(偶像)」

「何をやってもうまくいかない」「いっそのこと逃げ出してしまいたい」などと、心が折れそうになるときが誰にでもあると思います。アドバイスや助言は要らない。ただ黙って自分を見守ってくれるだけでいい。そんな偶像・アイドル・アイコン的存在を見つけたい。苦しい時は、そう哀訴したくなるときがあります。

身近な人でメンターとなってくれそうな先輩や上司、学校の先生、友人などがいると、心の支えとなります。身近な存在でなくとも、芸能人やアスリート、著名な文化人や経営者などを自分だけのアイドルとして受け止め、心の拠り所にしている人も多いことでしょう。

しかし実際のところ、そのようなアイドル(偶像)を探し当てることはあまり現実的ではありません。たとえいたとしても、その存在のみで心が満たされたり、くじけそうな自分を下支えしてくれるかというと、そうでもありません。落ちている穴が深ければ深いほど、直面している闇が陰鬱であればあるほど、光を照らしてくれるはずのアイドルは虚像に見えます。現在の自分と比較し、よけいに虚しさを募らせることもあるでしょう。

最高のアイドルは、過去逃げずにやり遂げた自分だけ

しかし、誰にでも、どんなときでも、いくらでも、心の支えとなってくれるアイドル(偶像)はいます。それは自分自身です。過去逃げずに何かをやり遂げた自分です。誰にでも、大きな壁や、どうしようもないほどの難関を乗り越えた過去があるはずです。そのときの自分ほど、現在の自分を支援してくれる存在はありません。

心の拠り所は、過去逃げずにやり遂げた自分だけ。

他人から見て、どれほどのレベルの難易度かは関係がありません。家庭内のことでも、学校での出来事でも、以前勤めていた会社でのことでも、当時の自分にとっては甚だ大変だった。きわめて難しい局面だった。それでも貫徹した。周りから「頑張らなくてもいい」「そこまでやらなくてもいい」「もう十分じゃないか」「ここまでやっても成果が上がらないなら諦めたほうがいい」と言われながらも、やり遂げた。期待以上の成果を出した。……そのような自分が、今の自分にとっての最高のアイドル(偶像)です。心の拠り所となってくれるメンターになってくれるでしょう。

そう考えれば、いま現在、大変な問題に直面していて、心が折れそうになっていたとしても、これを乗り越えた自分が、将来の自分の「メンター・アイドル」になるのだ。そう思えば、立ち向かっていこうという気持ちになります。ここで逃げたら、再びツラいことがあったときに支えになってくれる存在が見つからず、強い孤独感に苛まされると考えれば、少しは励みになります。

「誰も私を支えてくれる人がいない」

と思う人は、自分以外の誰かに対して訴えているのではなく、過去の自分に向かって呟いているのかもしれませんね。

自分の周囲に、大事なことから目を背けようとしている人、難しい場面から逃げようとしている人がいるなら、そこは乗り越えよう。やり遂げよう。達成させよう。と呼びかけることが、本当の優しさだと私は思っています。今という「点」で物事をとらえず、その人の将来と今とを結んだ「線」で考え、アドバイスすることが大事ですよね。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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