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やる気を出す気がない「やる気貧乏」の人の特徴と対策

横山信弘経営コラムニスト
やる気を出す方法は知ったけど、その方法をやる気がない…

年度末は「やる気」が出ない人が多いのか?

3月に入ってから、コラム「やる気が出ない人の特徴と対策」のアクセスが急増しています。この時期、「やる気が出ない」「やる気がでない」「やる気でない」「やる気がない」「やる気 ない」「やるき ない」……といった同じようなキーワードでネット検索する人が膨大な数いるのです。そのことに驚きを隠せません。先ほどのコラムには、毎日数千人が訪れてきます。

3月に入ってから「やる気」がなくなる人が増えているのでしょうか。それとも反対に「やる気」を出そうとしているからこそ気になってきたのか。判然とはしませんが、年度末が近付き「やる気」が気になる季節となってきたことは間違いないようです。

「やる気」を出す気がない人とは?

ただ「やる気」に関して語ると、いつも気になることがあります。それは、「やる気を出す気がない人」のことです。こちらのコラムで私は、「やる気」を出すのに必要な「ドーパミン」「ノルアドレナリン」を分泌させるため、明確な「目標」と正しい「期限」を決めましょうと書きました。コラムの序盤に「やる気を出す気がある人」が対象だと書いたのですが、やはり想定していた反応がありました。

「目標を決められない場合はどうすればいいんですか?」

「期限さえ決められないのですが、期限を決めるやり方はありますか?」

という反応です。まず結論から書きますが、このような反応を示す人は勘違いをしています。

たとえば私の場合、昔から語学が好きですので、たまに英語を勉強したいと思うことがあります。ですから実際に英語の本や雑誌を眺めて、本格的に勉強しようかと考えるときがあります。しかし本を読んでも、英会話スクールのチラシをもらってきても「やる気」が出ません。ですからやりません。それだけです。何も困りません。「やる気」がない。だからやらない。それだけのことだからです。

物事を分解して考えればわかることです。「やる気」が出ないと知ったとき、自分がどのような感覚を覚えるかで分解します。

●「やる気」が起きなくても、問題がない

●「やる気」が起きなかったら、問題がある

この2つです。前述した、私にとっての英語は、「やる気」が起きなくても私には問題がないことです。ですから「やる気」が出ればやればいいし、そうでなければ気にも留めません。

しかし自分にとって「やるべきこと」であるなら、「やる気」が起きなかったら問題があるでしょう。そういった問題は回避すべきですから、前述したとおりに「目標」と「期限」を決めるのです。何らかの「やるべきこと」であるわけですから、正しいかどうかは別にして、現実的にはちょっと難しそうな直近の「目標」と「期限」は決められるはずです。

英語を勉強しなければならない。ダイエットしなければならない。資格試験合格のために勉強しなければならない。……それぞれの「やるべきこと」に、何らかの「目標」と「期限」を決めるだけです。(具体的な決め方は他コラムをご参照ください)

厄介な「やる気貧乏」

私が紹介している「目標」と「期限」を決める、という方法でなくてもかまいません。書籍やネット上で「やる気が出る方法」は、いろいろと紹介されています。「好きな音楽を聴く」「体を動かす」「友人とお喋りする」「自分にご褒美をあげる」……など等。「1日」という期限を決め、本やネットで調べ、その中で「やる気を出す方法」を一つだけ決めて、とりあえずやってみる。これは必ずできるはずです。

もしも、やらないと問題が発生するのにもかかわらず「やる気」が出ない。続いて「やる気」を出すために、その対策を知ったのだけれど、それさえ「やる気」も出ない、というのであれば、

ただの「怠惰」です。

怠けているだけですので、何の悩みもありません。怠けているのだと自覚して、やればいいだけです。それだけです。

問題は「怠けているわけではない」という先入観です。

「決して怠けているわけではない。怠けるつもりはないけれども、どうしてもやる気が出ない。やる気を出すやり方を知ったけれども、それさえできない。どうしたらいいんだろう?」

といった堂々巡りの問い掛けが、勘違いの根源です。

昨今は、「怠けている」と指摘しづらい時代となりました。しかし、私もそうですが、誰もがただ「怠けている」だけ、というときもあるはずです。病気でもなく、脳に障害があるといった事情があるならともかく、そうでないのなら誰だって「怠けている」ときはありますので、それを正しく認識することは重要です。

まとめますと、

1)やるべきことがある。しかし「やる気」が出ない。

2)「やる気」を出す方法(A)を知った。しかし(A)をする気になれない

3)(A)をする気になる方法(B)を知った。しかし(B)をする気になれない

3)(B)をする気になる方法(C)を知った。しかし(C)をする気になれない

3)(C)をする気になる方法(D)を知った。しかし……

このように、堂々巡りを起こした謎かけはもうやめましょう。キリがありません。やればできるところまで「分解」したら、後はやるだけです。それさえも「やる気」にならないのなら怠けているだけ。そう自覚するのです。

「やる気」を出す方法ばかり探している人は、答えのないものを探し回っているのです。無限ループに陥り、心が貧乏になっていく……まさに「やる気貧乏」と言えるでしょう。このような思考をそのまま放置していると、泥沼にはまっていきます。

そもそも新たに行動を起こすのに「やる気」など必要ないことがほとんどです。「やる気」「意欲」「モチベーション」をアップする方法を探してばかりいると、「やる気貧乏」になっていくので気を付けたいですね。

(※ 参考コラム:仕事を「先送り」せず、すぐやる習慣を身に着ける考え方

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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